ヨーロッパアカマツ
ヨーロッパアカマツ
保全状況評価[1]
LOWER RISK - Least Concern
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類
ヨーロッパアカマツ(学名:Pinus sylvestris)は、マツ科マツ属の針葉樹で、ユーラシア大陸に広く分布する二葉松の1種である。和名ではセウヨウアカマツ、オウシュウアカマツともよばれる。形態は日本のアカマツによく似ている[4]。木材としてはレッドパイン、ノルウェーパイン、スコッチパイン、リガパインなどと呼称される。 和名では、ヨーロッパアカマツやオウシュウアカマツ(欧州赤松)、あるいはセイヨウアカマツ(西洋赤松)と呼ばれる[5][3]。中国名は歐洲赤松[2]。 "Pine"(パイン、マツ)という英単語は、ラテン語のピヌス ("pinus") に由来するフランス語のパン ("pin") が語源である。18世紀以前は、この木はデンマーク語の "fyr" に由来する "Scots Fir" や "Scotch Fir" として知られていた。しかし "Fir" という言葉は現代英語ではモミ属の木に限定して用いられている。 その他 "Riga Pine" (リガパイン)および "Norway Pine" (ノルウェイパイン)といった名で呼ばれることがあり、変種 var. mongolica は Mongolian Pine (モンゴルマツ、樟子松)と呼ばれることがある。Scotch Pine(スコッチパイン)は名前のバリエーションの1つで、主に北アメリカで使われる[6]。 ヨーロッパからアジアの、イギリス、スペインから東は東シベリアから中国東北部、南はコーカサス山脈や小アジア、北はラップランドにかけて極めて広く分布するマツの1種である[5]。北方では標高0メートル (m) から1000 m程度に、南方では1200 mから2600 m程度の高地に分布する[7][8][9][10]。 生育環境も多様で、乾燥した岩場でも育ち、水浸しの湿原にも強い性質を持つ[5]。ノルウェーやイギリスでは、ミズゴケ湿原に生えている個体も見られる[5]。 常緑針葉樹で通常、高さ25m、幹の直径は1m程度にまで育つが、高さ35?45m、幹の直径1.7mに達するものもある(エストニアでは46mの高さの樹齢220年の木も見つかっている)。樹皮は、幹の近くでは濃い灰色から茶色で厚いのに対して、梢の近くや枝ではオレンジに近い色で薄い。成木が密集する地域では、真直ぐで長い幹の上に丸い、または平らな形の大きな樹冠が乗っている特徴的な形をしている。平均寿命は150?300年であるが、スウェーデンにある最古の木は樹齢700年を超えている[7][11][10][8]。 芽は薄い茶色で、螺旋状の鱗のような模様がある。成木の葉(針葉)は青緑色で粉に覆われ、冬にはしばしば暗い緑あるいは黄緑になる。
名称
分布と生育環境
形態新芽と0年、1年、2年目の松かさ及び雄球花