ヨルバ語
ede Yoruba
話される国 ナイジェリア
ベナン
トーゴ
地域西アフリカ
話者数2000万人
言語系統(ニジェール・コンゴ語族)
大西洋・コンゴ諸語
ヴォルタ・コンゴ諸語
ヨルバ語(ヨルバご、ede Yoruba、英: Yoruba language)はニジェール・コンゴ語族に属する言語である。話者は西アフリカのナイジェリア、ベナン、トーゴに居住するヨルバ人の人々である。話者数は約2000万人である。言語学的分類としてイツェキリ語(Itsekiri)とは近い関係にある。 『広辞苑』第四版(1991年)の「ヨルバ」の項や『小学館ランダムハウス英和大辞典』第二版(1994年)の"Yoruba"の項においてはヨルバ語がニジェール・コルドファン語族あるいはニジェール・コンゴ語族のクワ語派 口母音鼻母音 [??]と[??]は音韻的には区別されないが原則的に唇音の後では?n、それ以外ではanと書かれる。鼻子音m、nの後の鼻音化は表記されない。 両唇音歯茎音硬口蓋音軟口蓋音両唇軟口蓋音声門音 [?]は単独で音節をなす。[n]は、[i]及び鼻母音の前での[l]の異音である。 ヨルバ語には高声調、低声調、中声調の3種類が存在するが、その組み合わせによって、上昇調、下降調、中位ダウンステップが現れる。 子音や母音が同じでも声調が異なることにより意味も異なってくる組み合わせの語が無数に存在する(例: ?k??
分類
音韻
母音
前舌後舌前舌後舌
狭i [i]u [u]in [?]un [?]
半狭e [e]o [o]
半広? [?]? [?]?n [??]an,?n [??~??]
広a [a]
子音
鼻音m [m] n [?]
破裂音b [b]t [t] d [d]j [?]k [k] g [?]p [k?p] gb [??b]
摩擦音f [f]s [s]? [?] h [h]
接近音 l,n [l~n]y [j] w [w]
はじき音 r [?]
声調
また語と語が隣り合うと片方の母音がもう一方に同化して消えながらも元の声調は維持されるという現象が見られる。特に高声調は維持されやすい[2]。 語順はSVO型で、形態的変化に乏しい分析的な言語である。性や名詞クラスなどの範疇による一致もない。 独立人称代名詞単数複数 独立人称代名詞は名詞として扱われる。 主語人称代名詞単数複数 主語人称代名詞(否定)単数複数 否定辞koの前で使われる。 目的語人称代名詞単数複数 2人称複数以外の目的語代名詞の声調は動詞の語末の声調によって決まる。語末が高声調ならば中声調、それ以外ならば高声調となる。3人称単数目的語代名詞は動詞の末母音と同じ母音である。 所有人称代名詞単数複数 名詞の語末の母音が延長され、さらに接語が後置される。母音延長は一般には表記されないが、1人称単数と2人称単数では低声調でそれ以外は中声調である。 狭義の前置詞は位置を表すniと方向を表すsiの2つだけである。細かい位置や方向を表すには場所を表す名詞(多くは身体名称でもある)を組み合わせて表現する。母音で始まる名詞が後続する際は融合し、n-はi以外の前でl-となる。 『AがBにCを与える』のような授与動詞では受益者Bが直接目的語として表示され、対象Cがniによって導かれる間接目的語として表示される。これは日本語とは逆である。 以下はヨルバ語由来の事物である。
例: ko〈まとめる〉(高) + ?ru〈荷物〉(中低) → k??ru (高低)[3]
文法
人称代名詞
1人称emiawa
2人称iw???yin
3人称ounaw?n
1人称moa
2人称o?
3人称ow??n
1人称n/mia
2人称o?
3人称なしw?n
1人称miwa
2人称?/?yin
3人称Vw?n
1人称miwa
2人称r?/?yin
3人称r??/??w?n
前置詞
ninu (中で) sinu (中へ) (inu (中、腹))
lori (上で) sori (上へ) (ori (上、頭))
動詞
授与動詞
Mo fun un l??ja. (私は彼に魚を与えた。)
私 与える 彼 (前置詞) 魚
O k?? mi ni Yoruba. (あなたは私にヨルバ語を教えた。)
彼 教える 私 (前置詞) ヨルバ語
語彙
宗教:
オリシャ(Ori?a
木材が得られる樹種:
アパ(apa)- 学名: Afzelia
アファラ
イディグボ(idigbo)- 学名: Terminalia ivorensis。シクンシ科モモタマナ属。コートジボワール起源のフラミレ(アニ語: framire[5])の名でも知られる[4]。
イロコ(iroko)- 硬い木材が得られるクワ科の樹木。2種を指し得るが、特に Milicia excelsa(シノニム: Chlorophora excelsa)の方が文献では目立つ。詳細はミリキア・エクスケルサ#諸言語における呼称に譲るが、このイロコと同じ系統の呼び名は現ガーナ南部の別系統の呼称と共に、貿易の発展に伴って元々あった様々な現地の呼称を駆逐するほど普及したと考えられている[6]。
脚注[脚注の使い方]^ Gerrit J. Dimmendaal; Anne Storch (2016), “Niger-Congo: A brief state of the art”, Oxford Handbooks Online, Oxford University Press, doi:10.1093/oxfordhb/9780199935345.013.3
^ a b 渡部 (1992).
^ Oyetade (1988:41f).