ヨスジフエダイ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ヨスジフエダイ(学名: Lutjanus kasmira )はフエダイ科に属する中型の海水魚である。別名としてスジタルミ[2][3]や、ビタロー(琉球列島)[3]がある。アフリカ沿岸から紅海に至るインド洋、および西太平洋の熱帯・亜熱帯域にかけて広く分布し、日本においても南日本で普通にみられる。鮮やかな体色をもち、観賞魚として飼育されることがある。食用にもなる。 最大で全長50 cmに達するが、よくみられるのは体長25 cmほどの個体である[4]。体高はやや高く、頭部背側の輪郭は急峻である[5]。吻はやや突出する[2]。前鰓蓋骨には欠刻と瘤状の隆起がよく発達する。第1鰓弓の下枝上の鰓耙数は13か14で、本種の識別形質の一つである。第一鰓弓全体の鰓耙数は20から22である。 背鰭は10棘、14-15軟条をもち、臀鰭は3棘、7-8軟条をもつ。胸鰭は15-16軟条をもち、尾鰭は中央がわずかに凹んだ形状を示す。側線上には48-51の鱗が存在する[5]。 生時の体色は本種を識別する際のおそらく最大の特徴である。背中と側面は明るい黄色で、腹側にいたるにつれて白色となる。体の側面には黒く縁取られた明るい青色の縦線が4本入る。この青色の縞よりもさらに腹側には、淡い灰色の縦帯が数本存在する。ほとんどの鰭は黄色である[2][5]。腹部には微小な赤い斑点があり、薄く赤く見える[6]。幼魚では、背中に黒い斑点がみられることもある[7]。 よく似た同属種のロクセンフエダイ 本種はフエダイ科の中でも最も広範囲に生息する種のひとつで、インド洋と太平洋の広い海域でみられる。生息域はエジプト沿岸の紅海から、南はマダガスカル、東はインド、中国、東南アジア、オーストラリア、そして太平洋の島々まで広がっている[8]。 日本においても、琉球列島・小笠原諸島をはじめとした南日本でみられ、特に幼魚は頻繁に観察される普通種である[6][7]。太平洋側では静岡県以南、日本海側では富山県以南でみられる[3] フエダイ科の他の種と同様、サンゴ礁に生息し、浅いラグーンでもみられるほか、礁の外周部の水深60 mより浅い海域でもみられる。ただし、マルキーズ諸島では水深180 m、紅海では水深265 mの地点からも記録がある。ハワイでは、砂底や海草の生えた海底で過ごすことが多い[9]。
形態
分布