ユーロ紙幣
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ユーロ紙幣

ユーロ紙幣(ユーロしへい)とは、ユーロ圏などで使用されている通貨ユーロ紙幣。ユーロ紙幣は2002年から流通され、発券は欧州中央銀行が担っており、各紙幣には欧州中央銀行総裁の署名が印刷されている。現在発行されているユーロ紙幣には5ユーロから200ユーロまでの6種類があり、発券はユーロ圏の各国で行なわれているが、ユーロ硬貨と違ってデザインはユーロ圏で統一されている。
特徴
第一シリーズ欧州中央銀行総裁マリオ・ドラギの署名。ユーロ紙幣に印刷されている。

2002年から発行されたユーロ初の紙幣である。紙は純綿繊維で、独特の手触りを持つほか、耐久性に優れている[1]。第一シリーズには7つの金種があり、それぞれ異なる色と大きさになっていたが、のちに500ユーロ紙幣については他の主要通貨と比しても高額であり、マネーロンダリングに使用される懸念などがあったことから2019年4月26日までにすべてのユーロ加盟国において印刷が終了している。既に発行済の500ユーロ紙幣についてはこれまでどおり使用が可能であるが、市中にはほぼ出回っていない[2]。500ユーロ以外の第一シリーズ紙幣についても、第二シリーズ発行後も引き続き有効である。

画像額面発行大きさ (mm)基調色デザイン記番号の位置
表面裏面建築様式時代
?5(英語版)2002120 × 62グレー古典5世紀以前 ⇒図画の左端
?10(英語版)127 × 67赤ロマネスク11-12世紀 ⇒星の円環の8時の位置
?20(英語版)133 × 72青ゴシック13-14世紀 ⇒星の円環の9時の位置
?50(英語版)140 × 77オレンジルネサンス15-16世紀 ⇒図画の右端
?100(英語版)147 × 82緑バロック & ロココ17-18世紀 ⇒星の円環の9時の右
?200(英語版)153 × 82黄アール・ヌーヴォー(鉄とガラスの時代)19-20世紀 ⇒星の円環の7時の下
?500(英語版)160 × 82紫現代20-21世紀 ⇒星の円環の9時の位置

これらのデザインは1996年2月12日から開始された欧州通貨機構の理事会による選考で集められた44の図案から選ばれたものである。選ばれた図案はオーストリア国立銀行のロベルト・カリーナ(英語)が作成したもので、1996年12月3日に採用が決定された。

すべての紙幣に共通して印刷されているのは、欧州旗、欧州中央銀行の5つの言語における略称(BCE, ECB, EZB, ΕΚΤ, EKP)、裏面のヨーロッパの地図、ユーロのラテン文字表記 (EURO) とギリシア文字表記(ΕΥΡΩ)、現任の欧州中央銀行総裁の署名である。また欧州旗に描かれている12個の星の円環も描かれている。

各金種のデザインは時代ごとのヨーロッパの建築物という共通の主題を持っている。紙幣表面は窓や門が描かれているのに対して、裏面は橋が描かれている。紙幣に描かれた建造物は欧州連合域内の名所旧跡を連想させるように描かれており、ヨーロッパ中にある無数の歴史的な橋や門に普遍的な要素を合成した、各時代の建築様式を表現した架空のもので、実在の建造物ではない[3]。たとえば5ユーロ紙幣は古典古代を表現したもので、10ユーロ紙幣はロマネスク、20ユーロ紙幣はゴシック、50ユーロ紙幣はルネサンス、100ユーロ紙幣はバロックロココ、200ユーロ紙幣はアール・ヌーヴォー(鉄とガラスの時代)、500ユーロ紙幣は近代の様式を表現している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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