ユネスコスクール
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ユネスコスクール(正式名称は、ASPnet (UNESCO Associated Schools Project Network))は、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念や目的を学校のあらゆる面(組織運営や授業、プロジェクト、経営方針等)に位置づけ、「児童生徒の心の中に平和のとりでを築く」ことを目指す、ユネスコが認定する学校の国際ネットワークである[1]。日本では、「ユネスコスクール」というが、実践する学校のネットワークのことを指していることに注意が必要である[2]

文部科学省および日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESD(持続可能な開発のための教育)の推進拠点として位置付けている[2]。ユネスコスクールでは、そのグローバルなネットワークを活用し、世界中の学校と交流し、生徒間・教師間で情報や体験を分かち合い、地球規模の諸問題に若者が対処できる新しい教育内容や手法の開発、発展が目指されている[1]
歴史

1953年 - ユネスコ憲章に示された理念を学校現場で実践するため、国際理解教育の実験的な試みを比較研究し、その調整をはかる共同体としてASPnet(Associated Schools Project Network)が発足。15カ国33校で開始[3]。日本ではASPnetへの加盟が承認された学校を「ユネスコ協同学校」と呼ぶこととし、中学校4校と高等学校2校が参加[4]

2005年

ACCUが、持続可能な開発のための教育 (ESD) 推進事業を開始する。


2008年

日本ユネスコ国内委員会の提言により、ESDの10年の中間年であった2008年から「ユネスコ協同学校」を「ユネスコスクール」と改称。より親しみやすくするのが目的。

ユネスコスクールを支援する大学によるASPUnivNet(ユネスコスクール支援大学間ネットワーク)が発足。

ACCUが、ユネスコスクール支援事業を開始する。


2012年

高校模擬国連事業が開始される。


目的
ユネスコスクール事務局による目的[5]
ユネスコ憲章と国連憲章に通ずる理念として、基本的人権、人間の尊厳、ジェンダー平等、社会的進歩、自由、公正、民主主義、多様性の尊重、国際的な連帯などを推進すること。

ユネスコの任務である教育・文化・科学・コミュニケーションの分野における平和のための国際協力に資する「アイディアの実験室」として、組織や人材の能力開発と政策やモデルの構築に貢献するために、国際間・地域間協力を進めること。

斬新で創造的な教育手法を開拓し、グローバルな概念を学校レベルの実践に落とし込んで実験的機能を果たすことにより、教育制度や政策の変化を促すこと。

国際ネットワークの一員として、同じような志をもつ世界中の学校と知見を共有し、パートナーシップを育むこと。

国際社会の構成員であるという意識を持ち、持続可能な開発目標 (SDGs) の達成に貢献すること。特に、SDGsの目標4(教育)に関連して、以下のテーマに重点的に取り組むこと。
Global citizenship and culture of peace and non-violence (地球市民教育、平和と非暴力の文化)

Sustainable development and sustainable life style (持続可能な開発と持続可能なライフスタイル)

Intercultural learning and the appreciation of cultural diversity and heritage (異文化学習、文化多様性及び、文化遺産の理解・村長)


文部科学省による活動目的[6]

ユネスコスクール・プロジェクト・ネットワークの活用による世界中の学校との交流を通じ、情報や体験を分かち合うこと

地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展を目指すこと

参加校に求められること
ユネスコスクール事務局による加盟継続条件[5]
年次活動計画書及び報告書の提出。

ユネスコ又はナショナルコーディネーター(日本ユネスコ国内委員会)が提案するユネスコ活動関連プロジェクト、コンテスト、キャンペーン等へ、年1回以上参加すること。

年2回以上、学校全体で国際デー(国連課題に対する意識や行動の啓発のために国連で定められた記念日で、国際教育デーや国際女性デー、国際式次デー等)を祝うこと。

加盟証書の掲示やロゴの活用などを通じて、ユネスコスクールであることを外部に明示すること。

学校内外の関係者に、学校ウェブサイトや配布資料、会合等を積極的に活用してユネスコスクールであることを周知すること。

OTA(Online Tooles for ASPnet: ユネスコがユネスコスクールのために運営するウェブサイト)上の学校情報を年2回以上更新すること。

文部科学省による、参加校に求められること[6]

法的拘束や義務はないが、積極的な活動が求められる

年に一度、日本ユネスコ国内委員会に報告書の提出が必要

ユネスコが提案する教材が送られ、教育現場での実験・評価を依頼されることがある

ユネスコから年に数回、世界のユネスコスクールの活動報告が記載されている情報誌が送付されるとともに、ユネスコが行う様々な活動に参加する機会がある

ユネスコスクールガイドライン

日本ユネスコ国内委員会は、次のユネスコスクールガイドラインを示している。

国内外のユネスコスクール相互間のネットワークを介して、互いに交流相手の良さを認め合い、学び合うこと。

地域の社会教育機関、NPO等との連携などを通じて、開かれたネットワークを築くよう努めること。

校内外における各種研修の充実・活用を図るなど、ユネスコスクールの活動を通じて広く学校外にも働きかけ、我々人類社会が持続的に発展するよう心がけること。

学校経営方針等にユネスコスクールの活動に取り組むことを明確に示し、学校全体で組織的かつ継続的にユネスコスクールの活動に取り組みやすくすること。


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