ヤング_ブラック・ジャック_(漫画)
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ヤング ブラック・ジャック


ジャンル医療青年漫画社会派
漫画
原作・原案など手塚治虫(原作)
田畑由秋(脚本)
作画大熊ゆうご
出版社秋田書店
掲載誌ヤングチャンピオン
レーベルヤングチャンピオンコミックス
発表号2011年No.24 - 2019年No13
巻数全16巻
話数全136話
その他医療監修:後藤伸正
アニメ
原作手塚治虫、田畑由秋
大熊ゆうご、後藤伸正
監督加瀬充子
シリーズ構成高橋良輔
脚本森田眞由美、野崎透金春智子
キャラクターデザイン片山みゆき、三浦菜奈
音楽池田大介古井弘人、秋山健介
アニメーション制作手塚プロダクション
製作ヤング ブラック・ジャック製作委員会
TBSテレビ
放送局TBSテレビほか
放送期間2015年10月 - 12月
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ手塚治虫

『ヤング ブラック・ジャック』は、手塚治虫(原作)、田畑由秋(脚本)、大熊ゆうご(作画)による日本漫画作品、およびそれを原作としたテレビアニメ(詳細は#テレビアニメの節を参照)。医療監修は後藤伸正。手塚治虫の『ブラック・ジャック』を原作とした漫画で、『ヤングチャンピオン』(秋田書店)にて、2011年No.24から[1]2019年No13まで連載された。

本作は原典同様、ブラック・ジャック (BJ) こと間黒男を主人公としているが、彼の若かりしころを舞台とした前日談的な物語で、時代背景には1960年代後半の世相や国際情勢(大学闘争ベトナム戦争など)が多く取り入れられており、社会派の様相を呈している。間が医大在籍中に医師免許を取得するための勉強をしていた当時のエピソードを中心とし、さまざまな事情や成り行きにより、無免許で手術を行うことになる過程が描かれるほか、彼の高校生時代やBJとして活動し始めてからのエピソードも描かれる。

なお、本作の内容はあくまでも田畑や大熊の創作物であり、原典へ直接続くわけではないが、その登場人物のほか、『ミッドナイト[注 1]や『七色いんこ』といった手塚の他作品の登場人物や、スター・システムとして他作品の登場キャラクターをモチーフとした登場人物が多数登場しており、それらは単行本巻末の「手塚ワールドのキャラクター紹介」で具体的に紹介されている。

本作に先んじて2011年に同名のテレビドラマ『ヤング ブラック・ジャック』が放送されているが、若かりしころのBJを主人公にしている点こそ同じであるものの本作とは無関係である。
あらすじ

時代は1968年。東大紛争が勃発し、学生運動が激しさを増す中、とある大学の医学部に1人の奇妙な男が在籍していた。半白の髪、全身に残る無数の傷、傷跡を境に皮膚の色が違う顔面。医師免許を取得するため、勉強に励むその青年の名は、間 黒男(はざま くろお)。その天才的な手腕によって、数々の奇跡を起こすことになる彼は、後にブラック・ジャックと呼ばれる。

恩師の本間丈太郎に憧れ、まっとうな医師になることを志していた間黒男が、無免許医となり莫大な医療費を要求するようになった経緯がここに明かされる。
登場人物

複数のエピソードに登場する人物、および本人として他作品に登場する人物を挙げる。作中の登場人物は、背景の人物や犬・鳥・馬なども含め、すべて手塚作品に登場するキャラクターがモデルになっている[2]。メインになるキャラクターは田畑が決め、サブキャラを誰にするかは大熊が選ぶことが多いが、話によっては大熊にメインキャラの選択を任せることもあるという[3]
主要人物
間 黒男(はざま くろお)
声 -
梅原裕一郎大塚明夫[注 2]本作の主人公で若き日のブラック・ジャック。物語開始時点(1968年)で22歳の医学生。母と自身の医療費のため、3億円という多額の借金を背負っている。横浜市立浜川高校在卒業後に、三流医科大学である本越大学(通称・ポン骨大学)に進学。在学中から魚や食肉などを用いて手術の練習をしており、医師免許未取得の段階で高い技術を身につけた。表沙汰にできない患者を相手にその腕を活かし、違法な医療行為を行ってはその報酬を生活費と借金返済に充てている。自宅は風呂なしのボロアパートで、手術練習に用いた魚を飼っている。
藪 正人(やぶ)
声 - 遊佐浩二ヒロポン中毒の医者。ニューギニア戦線で、従軍医師として軍隊に同行した際、ろくな設備も医薬品も無い中、苦しみ続ける戦友たちを助けることもできない地獄に直面し、戦地から帰った後は血を見ることもできない藪医者と成り果ててしまう。トラウマから逃れるため、ヒロポンに手を出して借金漬けになるが、人の命を救うために懸命な間の姿を目の当たりにした後、己のトラウマを克服しようとベトナムに渡り、医者として再出発を試みる。ベトナムでは、たびたび危険な目にあいながらも、医師としての自信と力量を取り戻す。日本を離れた後も、彼の消息を尋ねにベトナムに来た際や、訪米した時、彼が一時的に日本に帰国した時などに、間とはたびたび再会している。モデルは『ブラック・ジャック』の「きたるべきチャンス」に登場した綿引博士である[2]
岡本 舞子(おかもと まいこ)
声 - 伊藤静本越大学における間の先輩で、すでに医師免許を取得し、インターン生となっている。違法手術を行うことになった間の助手を務めたことがきっかけで彼と親しくなり、よく行動を共にすることになる。ただし、違法手術を平然と行う間の姿勢には批判的であるため、衝突もしている。
立入 灯郎(たちいり とうろう)
声 - 東地宏樹借金の取り立て屋。間や藪の債権を握っており、時には彼らに無理難題を吹っかけて借金返済を迫る。外見は手塚治虫の諸作品に登場するアセチレン・ランプをモデルにしている[2]
軍医(ドクター) / キリー
声 - 諏訪部順一[4]アメリカ軍の従軍医師。患者の命を救うことに情熱を燃やし、そのためなら自分の生命の危険も顧みない。若き日のドクター・キリコである。
複数のエピソードに登場する人物
レイモンド
声 -
井上倫宏単行本1巻エピソード、テレビアニメ版第2話『拉致』に登場したフィリピン人男性。白血病の娘の治療費を稼ぐため日本に密入国し、虚血性心疾患を患った宗教団体「救国教」の教祖・金山貯蔵(かねやま ためぞう、声 - 岡和男)に心臓を提供するドナーに志願する。移植手術の直前に金山は死亡するが、執刀することになった間が、娘を救いたいという彼の願いを叶えると同時に自身や藪の命を救うため、整形手術で彼の顔や身体を金山そっくりに偽装する。それ以後、金山として生きていくことになり、幅広く慈善事業を行う。テレビアニメ版では上記の一件で間や藪に恩を感じるようになり、間が消息を絶った藪を探しにベトナムへ行こうとした際には金山としての権限を利用して間にビザを用意するなど、彼を援助している。原典では、「裏目」で陰謀に巻き込まれて大怪我を負う青年・サミーとして登場している[2]
ヒューゴ
声 - 武内駿輔感情を表に出さないCIAの男。リーゼンバーグの過去を知っている。医学生でありながらベトナム戦争脱走兵の手術を行ったという間に興味を持ち、その手腕を評価している。CIAによる特殊軍事訓練で無痛症となったジョニーを、人体実験の事実を隠蔽するためにも始末しようと考えたが、リーゼンバーグが無痛症を治したことで実験の証拠は失われ、ジョニーの命は救われる。モデルは『人間昆虫記』の釜石桐郎[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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