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ヤング率(ヤングりつ、英語: Young's modulus)は、フックの法則が成立する弾性範囲における同軸方向のひずみと応力の比例定数である[1]。この名称はトマス・ヤングに由来する。縦弾性係数(たてだんせいけいすう、英語: modulus of longitudinal elasticity[1])とも呼ばれる。 ヤング率は、線形弾性体ではフックの法則 ε = σ E {\displaystyle \varepsilon ={\frac {\sigma }{E}}} ε:ひずみ,σ:応力,E:ヤング率 より、 E = σ ε {\displaystyle E={\frac {\sigma }{\varepsilon }}} である。 一般の材料では、一方向の引張りまたは圧縮応力の方向に対するひずみ量の関係から求める。ヤング率は、縦軸に応力、横軸にひずみをとった応力-ひずみ曲線の直線部の傾きに相当する。 たとえば、ヤング率が約10tf/mm2(=98GPa)である銅では、断面積1mm2、長さ1mのワイヤに10kgのオモリをぶら下げると、0.1%のひずみが生じ、約1mm伸びることになる。 ヤング率は結晶の原子間距離の変化に対する抵抗と考えることができ、原子間の凝集力が弾性的性質を決める。したがって応力と変形の機構が同じ種類の材質間では、融点と弾性係数の間にはある程度の相関がある[要出典]。応力がある大きさ(比例限度)を超えると、結晶の不完全な部分が不可逆的に動くことによって変形することになるので、応力とひずみの関係はリニア(線形)ではなくなり、応力を取り除いても元の寸法に戻らなくなる。この現象を降伏という。 金属のヤング率は数十?数百GPaである。この値は100%の弾性ひずみを生じる応力の値であるが、実際の材料は1%以下のひずみで降伏するものが多いので、ヤング率は通常引張強さの数百倍の大きさである。 弾性的性質は温度によって変化するので解析時には注意が必要である。変化の近似式は E = E 0 − B T exp ( − T c T ) {\displaystyle E=E_{0}-BT\exp \left(-{\frac {T_{c}}{T}}\right)} ここで E0 は0[K]でのヤング率、B, Tc は材料によって異なる定数である。一例として、1000℃における鋼のヤング率は常温の2/3程度に減少する。 樹脂のように応力-ひずみ曲線にリニアの領域がほとんど存在しない材料では、ヤング率としてセカント係数 注:以下に載せる値は目安であり、必ずしも保証されるものではない。 主な物質のヤング率材料ヤング率(E) 等方均質弾性体では、ヤング率 E、ポアソン比 ν、剛性率 G の間に次の関係がある[3]。 E = 2 G ( 1 + ν ) {\displaystyle E=2G(1+\nu )}
概要
主な物質のヤング率
単位:GPa出典
ゴム (小ひずみ)0.01?0.1[2]
PTFE (テフロン)0.5[2]
ポリエチレン0.4?1.3[3]
ポリプロピレン1.5?2[2]
ポリアセタールコポリマー2.75[4]
ポリスチレン3?3.5[2]
ポリカーボネート2.3[4]
ナイロン1.2?2.9[3]
チーク 木材13[3]
高強度コンクリート (圧縮時)30[2]
マグネシウム合金45[5]
アルミニウム70.3[6]
アルミ合金69?76[5]
ガラス80.1[6]
黄銅103[4]
チタン107[5]
銅129.8[6]
鋳鉄152.3[6]
鋼201?216[6]
鉛16.1[6]
金78[6]
銀82.7[3]
亜鉛48[4]
ベリリウム287[2]
タングステン345[5]
モリブデン324[5]
炭化ケイ素?600[7]
ジルコニア?250[7]
酸化アルミニウム(アルミナ)?400[7]
オスミウム550[2]
炭化タングステン450?650[2]
弾性率の相関関係