ヤンキー烈風隊
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『ヤンキー烈風隊』(ヤンキーれっぷうたい)は、もとはしまさひでによる日本漫画作品。またそれを原作とした映像化作品(アニメ・実写)。

関連作品の『新ヤンキー烈風隊』(にゅーヤンキーれっぷうたい)についても併せて記述する。
概要

月刊少年マガジン』(講談社)にて1986年から1993年まで連載。累計発行部数は650万部を突破している[1]。1989年 - 1996年に6本のOVA化、1995年に実写映画化されている。

『新ヤンキー烈風隊』は、前作をリニューアルした新作として『ヤングテイオー』(ぶんか社)などに掲載。設定は講談社版の『ヤンキー烈風隊』とは異なる部分があり、厳密には続編ではない。
登場人物・団体
主要人物
門田紋乃丞
主人公。烈風隊2代目総隊長。一見惚けた雰囲気だが素手の
タイマンでは負け知らずの男。元々一匹狼で不良をやっていたために、20回以上の転校を繰り返し、出席日数が足らずに高校は2年ダブって、18歳でまだ高校1年生であるが、学力自体は優秀で常にトップである。男気に生きる超硬派。ただし極度の下戸であり、酒どころか奈良漬けを食べただけで泥酔状態になってしまう。相当な強運の持ち主で、ナイフで腹を刺されても軽傷で済み、拳銃で胸を撃たれた際も急所を外れ、暴力団の抗争に巻き込まれて海に投げ出されても記憶喪失になっただけで生存するなど、窮地に立っても間一髪のところで助かる事が多い。自宅は都内の知人の持つ雑居ビルの屋上に建てたプレハブミニ住宅で、竜二や真梨が住み着くようになってから度々建て増している。他チームとの抗争が起きた際は、自ら敵地に乗り込んでケジメを取りに行くことを好む。また烈風隊を愛する一方で他チームの隊員達の気持ちを分かる男で、敵対チームであっても完全に叩き潰したり吸収合併することはしない。愛車はスバル・360、通称「ロータリーターボスバル」。一見すると中古で購入したオンボロ車だが、エンジンをRX-7のロータリーターボエンジンに交換してあるため、スポーツカー顔負けの走りを見せる。
花岡竜二
紋乃丞の弟分。元はブラック・ツェッペリン第8代総長だったが、後に退団して烈風隊親衛部長になる。関東一の暴力団・関東花岡連合の会長の一人息子で、初めは父親の威光を笠に着て好き放題に暴れ回っていたが、花岡の名前を恐れない紋乃丞に叩きのめされた。それを通じて紋乃丞に惚れ込み、以後紋乃丞と行動を共にすることになる。集会時は紋乃丞のスバルの助手席が指定席で、まだ15歳のため運転をすることは少ない。怪我をした紋乃丞を病院へ運ぶためにハンドルを握った際は、かなりの運転テクニックを見せている。父の死後花岡連合の会長の座を継ぎ、筋を通し堅気の前では謙虚な姿勢をとるなど、人間的に大きく成長を見せる。
恋沼真梨
紋乃丞の恋人。とある高校で半端な男たちに空しさを感じて番を張っていたが、転校してきた紋乃丞に一目惚れされた事から縁が生まれ、鉄や愚連会との喧嘩を通じて恋仲になった。気の強い性格だが、紋乃丞には基本的にベタぼれ。学力は優秀で洞察力も優れている。愚連会のメンバーを紋乃丞と協力して叩きのめすなど、喧嘩も相当に強い。愛車はトヨタ・ソアラだが、高1なので無免許運転である。
田嶋鉄
紋乃丞の友人。頭髪を卍型に残して剃り上げた特徴的な髪型で、通称「卍の鉄」。虎の威を借る小物然とした性格だったが、紋乃丞と関わるうちに男として少しずつ成長し、後に烈風隊への入隊も認められる。ただし喧嘩は実に弱く、またかなりのトラブルメーカー。情報通として知られ、1日で1チーム20人以上の情報を調べ上げるなどの情報収集能力で烈風隊に貢献している。実家は自動車修理工場で、紋乃丞も鉄の父と懇意である。愛車は日産・プレジデント。見た目は族仕様だが、外見だけのチューンのため大したスピードは出ない。
烈風隊

かつて東堂力也が結成した、東京都を拠点とする伝説的な超硬派暴走族。隊員数は47名。(紋乃丞・竜二・鉄が入隊した後も47名の呼称は変わっていないが、人数の出入りに関しては不明)

あくまでも男気に生きる硬派を理想とし、他のチームに抗争を仕掛けることや無関係な人を巻き込むことは、隊の規則で禁じられているが、売られた喧嘩は必ず買うことも規則で明記されている。独自の儀礼として、最敬礼は相手が止めるまでひたすら「押忍」と叫び続ける「永遠(とわ)の押忍」。入隊式には入隊者の血を酒に溶かして立ち会う隊員達で回し飲みする「契りの儀式」がある(作中では紋乃丞の2代目総隊長就任式でも行っている)。
白沢儀一
烈風隊統制部長。東堂引退後隊を指導していた最高幹部「鬼の三人衆」の筆頭格。一人で敵地に乗り込みがちな紋乃丞に代わって隊を預かることが多い。なお、実家は寺。超硬派の烈風隊でも一番の武闘派として知られ、拳法の心得もあるので素手喧嘩の実力は極めて高い。群雄蜘蛛との抗争の際は、群雄蜘蛛25名のうち柏木・唐沢・野口を除いた22名を一人で叩きのめしている。烈風隊を愛する意識は強く、紋乃丞と関わるうちに人間的に成長していき、花岡連合のために烈風隊を動かそうとする東堂に反対したり、成り行きで花岡に入った紋乃丞に除名を言い渡すなど、権威に怖じぬ姿勢を貫くまでに逞しくなる。紋乃丞が一時的に行方不明になっていた間は、3代目総隊長の座に就いていた。愛車は
三菱・デボネア
田村伝八
烈風隊幹事長。「鬼の三人衆」の一人で2m近い巨漢。隊のご意見番的な立場にあり、主に人事や事務面を担当。突っ走りがちな紋乃丞や白沢、正木に対するブレーキ役で、感情をあらわにすることは少ない。常にどっしりと構えていて精神面も強い。白沢のデボネアの助手席に座ることが多く、彼自身の愛車は不明。言動もおおよそヤンキーらしくない堅物な口調が基本で、どうせ喧嘩するのなら正々堂々と素手で行うべしと主張している(ただし一度だけ玉砕覚悟でナイフを持ち出したこともある)。
正木伸二郎
烈風隊特攻隊長。「鬼の三人衆」の一人で、紋乃丞が最初に出会った烈風隊隊員。生業は有限会社正木酒店・専務取締役(ようは酒屋の跡取り息子)。アフロヘアーがトレードマークで、私服のオーバーオール姿は「まるで売れないバンドマン」と、普段は暴走族らしからぬ風貌をしている。喧嘩っ早い性格で、手が先に出るタイプ。また、白沢や田村が呆れるほどの大食らい。愛車はバイク(車種は明記されていない)で、座席の後ろには得物の金属バット「特攻抜斗」が内蔵されている。烈風隊の中では真梨、竜二らと共に紋乃丞とかかわりが深く、彼が2代目総隊長就任式で酒が飲めないのを承知で隊員全員の血を酒に入れるよう要求してきた際、その気概に打たれて一番手を務めたほど。
赤城義光
烈風隊親衛部副長。紋乃丞や鬼の三人衆の後輩にあたる若い隊員。一度は親衛部長に推されたが、それを辞退し代わって竜二を親衛部長に推薦した。愛車はホンダ・CBX(後に今泉に16万で譲る。)で、後に日産・スカイラインに乗り替えた。その際に髪型も変えている。白沢同様イケイケの武闘派だったが、紋乃丞の影響で逞しく成長していく。武器としてはナイフを使用し襲ってきた倉田と黒豹隊特攻隊長の河内の耳を自分の身代わりで負傷した後輩の仇と張りに其々片方切り落としている。
今泉浩吉
烈風隊平隊員。赤城の後輩として彼に私淑していて、髪型も(髪を切る前の)赤城と揃えていた。寿司屋のアルバイトで貯めた貯金を前金に赤城の単車を譲り受けたが、赤城と一緒にツーリングした帰り道に、黒豹組に(赤城と間違えられて)襲撃を受け、お台場の砂浜に首より上の状態で埋められてしまう。(赤城が襲われたと)知らせを受けた紋乃丞達が駆けつけた時は満潮で溺れて失神していた。救出され病院に運ばれるも生死の境を彷徨い、その後の安否は不明。
東堂力也
烈風隊初代総隊長。紋乃丞の5歳上の先輩で、現在は族を引退して東京愚連会というで新宿支部長を務めている。厳格な性格だが、新車が届いた時は目の色を変えてはしゃぎ回るなどユーモラスな面もある。愛車はメルセデス・ベンツのAMGゲンバラチューン仕様。紋乃丞を見込んで2代目総隊長に推薦するが、予想以上に活躍を見せたので嫉妬したり、ヤクザ生活に無常を覚えて足を洗って堅気になろうと考えたこともあったが、竜二に器量を認められて花岡連合の本部で力を貸してほしいと頼まれる。
ブラック・ツェッペリン

漢字表記では黒飛行船、通称黒ツェッペ。関東で最大規模を誇る暴走族。総隊員数は300人に迫る大チーム(関東だけの人数か、他地方の支部を含めてかは不明)だが、関西支部を除けば走り屋集団で烈風隊のような武闘派ではない。
松本建二
黒ツェッペ第10代総長。竜二が烈風隊に入隊したために空位になった総長の座を引き継いだ(第9代は縁起が悪い数字だという理由で欠番)。竜二が紋乃丞の弟分になる以前は彼を含めて4人の取り巻きがいたが、フルネームが出ているのは彼のみ。
紅龍

東京・下町の悪党チーム。隊員は十数名の小チームだが、「何でもござれの極悪チーム」と称される札付きの暴走族である。
倉田清輝
紅龍総長。小悪党然とした策略家で、OBの角川が紋乃丞を刺して怪我をさせた事を好機として、紋乃丞の命を奪って烈風隊を潰そうとしたが返り討ちに遭う。その後黒豹組を手引きして烈風隊を潰させようとしたが、その姑息さが白沢・赤城の怒りを買って東京を追われる。最後は高飛び先で烈風隊幹部と立場を偽って集金サギを働いたが、東堂に取り押さえられてお縄となった。
菊華連合

K県を主な活動範囲とするチームで、烈風隊と並ぶ超硬派暴走族として恐れられている。紋乃丞の総隊長の特攻服を持ち出した鉄が連合のたまり場に乗り込むという愚行を犯したために烈風隊と抗争寸前になるが、初代総長・岩倉猛の計らいで友好関係を結ぶ。
岩倉猛
菊華連合の初代総長で、顔は横に大きな傷跡がある。烈風隊時代の東堂とはライバル関係にあった。凶暴・凶悪な性格と言われるが、それはあくまでも筋を通す超硬派精神が根底にあり、思いあがった態度をとった者に対してしか暴力は振るわず、礼儀を弁えない者は女でも容赦しない。逆に真剣に困っている者や弱者には力を貸す・助けに入るという男気を見せる。初登場時は一応堅気だったが、凶悪暴走族との抗争で相手チームの1人を殺めてしまい、長い刑務所暮らしをしていた。族の世界で全国制覇を成し遂げるという夢を抱いて東堂の引退後も菊華連合に留まり続けていたが、紋乃丞と出会い、その男気に惚れ込んで彼を全国制覇の後継者と見込み、族を引退。旧知の仲の東堂をたずねて愚連会に入り、結局ヤクザとなった。愛車は日産・シーマ
近藤義春
菊華連合第12期総長。乗り込んできた鉄に焼きを入れたが、そこに駆けつけてきた紋乃丞によってあっという間にのされてしまった。その後も血゛獄一家の服部に闇討ちされるなど、貧乏クジを引くことが多い。愛車はシボレー・コルベット・スティングレイ
波島卓也
菊華連合親衛隊長。殺戮同盟の国木田をタイマンで破ったこともある猛者だが、ツーリング客を装った血゛獄一家の服部に襲われ、重傷を負う。
殺戮同盟

S県の6つの暴走族(「非道族」「毒露」「チーム蝉」「舞悪魅」「グレート」「群雄蜘蛛」)によって構成される連合チーム。総隊員数は200名を超える。

東京進出を目論む「群雄蜘蛛」が烈風隊入りしたばかりの竜二を襲撃したことから烈風隊と抗争になる。
国木田晴臣
殺戮同盟総裁で、構成チームの一つ・非道族の総長。かなりの巨漢で、紋乃丞からは「大仏」と呼ばれていた。集会の無い日は毎日滝に打たれて精神修養を怠らない。めったなことでは動かないが、敵対したチームには容赦しない激しい気性の持ち主で、かつて同盟のシマを荒らしたチームの総長の命を奪ったこともある。剣術に秀でていて、紋乃丞とも互角に近い喧嘩をできる強者だったが、血゛獄一家の服部に襲われ重傷を負ってしまった。愛車はトヨタ・センチュリーのリムジン仕様。常に念仏を唱えていて意外と信心深い。
柏木誠
殺戮同盟の構成チーム・群雄蜘蛛(スパイダー)の総長。殺戮同盟を後ろ盾に烈風隊を潰そうと企み、手始めに竜二を唐沢・野口に襲わせたが、二人を烈風隊の復讐の的にさせることで同盟を動かす口実にしようとしてたことが紋乃丞の怒りに触れ、一方的にぶちのめされた。愛車は日産・セドリック330
唐沢ユキオ
群雄蜘蛛隊員。柏木の命を受けて竜二を襲うが、ケジメを取りに乗り込んできた紋乃丞とのタイマンに敗れた。悪事を働くと肝が据わるタイプ。紋乃丞に敗れてからは筋を通す硬派な人間へと成長していった。


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