ヤマブドウ
(APG III)
ヤマブドウの未熟果 ヤマブドウ
(イギリスはロンドンにあるヨーロッパ最古の薬草園チェルシーフィジックガーデン
界:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:バラ類 Rosids
目:ブドウ目 Vitales
科:ブドウ科 Vitaceae
属:ブドウ属 Vitis
種:ヤマブドウ V. coignetiae
学名
Vitis coignetiae Pulliat ex Planch. (1883)[1][2][3]
シノニム
V. amurensis var. glabrescens (Nakai) Nakai [possibly syn. of V. coignetiae var. glabrescens, not V. coignetiae][1][2]
Vitis amurensis Rupr. var. coignetiae (Pulliat ex Planch.) Nakai (1921)[4]
和名
ヤマブドウ
英名
crimson glory vine
ヤマブドウ(山葡萄[5]、学名: Vitis coignetiae)は、ブドウ科ブドウ属のつる性落葉低木樹である。野生ブドウの代表格として知られる。果実は小粒で生食されてきたが、近年、ワイン、ジャム、ジュースの原料として活用する動きがある[6]。従来、野山で自生しているものを収穫して利用していたが、岩手県など圃場での栽培を始める地域がみられ始めた[7]。
日本語古語ではエビカズラと言い、日本の伝統色で山葡萄の果実のような赤紫色を葡萄色(えびいろ)[8] と呼ぶのはこれに由来している(正確な色などについては当該項目を参照のこと)。 和名「ヤマブドウ」は山葡萄の意味で、中国大陸から日本に伝わったブドウ(葡萄)の語源は中国音のブータオ、さらに古代ペルシア語の Buddaw の古代中国における当て字からきているといわれる[9]。別名や地方名で、オオエビヅル、サナヅラ、ヤマブンドなどとよばれている[10]。古くは、ヤマエビ、エビカズラ、オオエビ、ツルエビなどとよばれ、ブドウ渡来以前のヤマブドウの呼び名とされる[11][12]。「エビ」は葡萄の古語とされる[12]。 ヤマブドウは、東アジア北東部に分布するチョウセンヤマブドウ 冷涼地に自生する野生種で、樺太(サハリン)、南千島、日本の北海道・本州・四国、および韓国の鬱陵島に分布する[1][2][13][14]。山地の林縁や沢沿いに自生する[14][10]。寒い地方に多く、ブドウより耐寒性は強い[11]。 落葉つる性の木本[14]。随は褐色で、若い枝や葉にはくも毛がある。太い蔓(つる)で他の樹木に絡みつき、葉の反対側から対生して伸びる巻きひげで、他の植物に巻き付きながら高く伸びて、覆い隠すほど生長する[14][5][10]。樹皮は暗紫褐色で、縦に長く裂けて剥がれる[15]。若い枝には綿状の毛がまばらに生えている[15]。 葉は長い柄がついて互生し、大型で10 - 30 cm大の柄元に窪みのある五角形様の円形やハート形[16][5]。葉身は浅く3 - 5裂して先は尖り、基部は心形[17][5]。若いときの葉の表面にクモ状の毛があり、果期のころ葉裏面に茶褐色の毛が密に生える[17][5]。秋には濃い赤色から橙色に紅葉し、時が経つと黒っぽく変色する[16][18][5]。ブドウ科のなかで最も葉が大きいため、紅葉も他の木々より早く色づくことからよく目立つ[18]。 花期は初夏(6 - 7月ごろ)[15]。花は葉に対生する円錐花序を出して、黄緑色の小花が多数つく[14][5]。萼(がく)は輪形で、花弁および雄しべは5つ、雌しべは1つからなる。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}雌雄異株で、雌しべは健全であるが、発芽能力のない花粉しか持たない雄しべを有する雌花(正確には機能的雌花)しか咲かない雌株と発芽能力のある花粉を持つ雄しべは有するが、雌しべの柱頭および花柱が退化しているため、受粉・受精ができない雄花(正確には機能的雄花)しか咲かない雄株に分かれる[要検証 – ノート]。
名称
分布・生育地
特徴