ヤベオオツノジカ
生息年代: 0.3?0.012 Ma Pre??OSDCPTJKPgN↓
国立科学博物館所蔵の全身骨格
分類
ヤベオオツノジカ(Sinomegaceros yabei)は、30万年前から1万2千年前頃(新生代第四紀中期更新世 - 更新世末)の日本列島に生息していた大型のシカである。 シカ亜科の中で1グループを成すオオツノジカ族
分類
属名は「中国(Sino)」+「巨大な枝角(Megaceros)」を意味する。同属の別種が中国大陸から発見されている。
「ヤベオオツノシカ」とも表記される場合があり、日本語名が同じ「オオツノジカ」を冠するものの、ギガンテウスオオツノジカ(Megaloceros giganteus)とは別属別種とされる。 肩高1.8m、体長2.6mに達した大型の鹿である[1]。オオツノジカ族
特徴
ヤベオオツノジカの角は、頭骨に付着する根本のすぐ近くで前後に分岐する。後ろに分岐した骨(主幹)は、柱状に長く後方外側に伸びてから、掌の形に平らに広がる。前方に分岐する骨(眉枝)は、これと90度の角度で上方に伸びてから、やはり掌の形に広がる。下顎骨の厚みは中程度である[2]。
中国産の同属 S. sangganhoensis と S. flabellatus も似た特徴の角を持つが、後方外側に伸びる主幹柱状部の方向が異なる。すなわち、ヤベオオツノジカの場合には外側への傾きが弱く、対になる左右2本の主幹柱状部が作る角度が70度以下であるのに対し、他の2種は外側に張り出す傾向が強く、左右がなす角度は90度を越える[3]。た下顎骨長と下顎枝の高さ、臼歯の大きさと歯列長が同属の他種より大きいといった特徴も持つ[4]。 発見された化石の分布から、北海道から九州までの日本列島の広範囲に分布していたと考えられている。ユーラシア大陸では確認されていない日本列島の固有種であり、ナウマンゾウやハナイズミモリウシなどとともに、後期更新世の日本列島の代表的な大型陸棲哺乳類であった[5]。 本州では多数見つかっているのに対し、北海道での発見は由仁町から出た角[6]と忠類村で出土した歯[7]と数少ない。
分布と年代