この項目では、土星の衛星について説明しています。ローマ神話の神については「ヤーヌス」をご覧ください。
ヤヌス
Janus
カッシーニが2006年に土星を背景にして撮影したヤヌス。
仮符号・別名Saturn X, S 10
S/1966 S 2
S/1979 S 2
S/1980 S 1
S/1980 S 2
見かけの等級 (mv)14.4(平均)
分類土星の衛星
軌道の種類F環とG環の間・
エピメテウスとの
共有軌道
発見
発見日1966年12月15日[1]
発見者A. ドルフュス
軌道要素と性質
平均公転半径151,460 ± 10 km[2]
近土点距離 (q)150,400 km
遠土点距離 (Q)152,500 km
離心率 (e)0.0068[2]
公転周期 (P)0.694660342 日[2]
(16 時間 40 分 18 秒)
軌道傾斜角 (i)0.163° ± 0.004°[2]
近日点引数 (ω)16.012°[3]
昇交点黄経 (Ω)154.175°[3]
平均近点角 (M)17.342°[3]
土星の衛星
物理的性質
三軸径203?×?185?×?152.6 km[4]
平均半径89.5 ± 1.4 km[4]
質量1.8975 ± 0.0012 ×1018 kg[4]
土星との相対質量
ヤヌス[6][7] (Saturn X Janus) は、土星の第10衛星である。同時期に発見された土星の第11衛星エピメテウスと軌道を共有する特殊な状態にあることが知られている。詳しくはエピメテウスの記事も参照のこと。 土星の10番目の衛星は、20世紀初頭にその発見が報告されていながら、長らくその存在が確認されなかった幻の衛星だった。 19世紀末に、アメリカの天文学者ウィリアム・ヘンリー・ピッカリングが第9衛星フェーベを発見したが、程なくしてピッカリングは自分が撮影した写真乾板より新たな衛星を発見したと主張し、テミスと名付けた[8]。ところがその後、誰もテミスを確認することができなかった。そのため、テミスはピッカリングの誤報だったとされている。 テミス騒動より60年後の1966年12月15日になって、フランスの天文学者オドゥワン・ドルフュスによって新たな衛星の発見が報告された[9]。当初テミスの再発見かと思われたが全く別の衛星で、ドルフュスはヤヌスという名称を提案した[10]。これで土星の第10衛星が実在することが確認されたのである。ところがヤヌスもテミス同様、同年のリチャード・ウォーカーらの報告を除いて[11]、その後誰にも確認されることがなく、またも幻の衛星なのか、土星には第10衛星は存在しないのかと悲観的な見方が強まった。 なおウォーカーらが報告したものはヤヌスと公転軌道を共有する別の衛星であったことが後に判明しており、エピメテウスと名づけられている[12]。
発見の経緯
初期の発見報告