この項目では、パルスレーザーの発振技術について説明しています。カオス理論におけるモード同期については「アーノルドの舌」を、音響学上のモード同期については「en:Inharmonicity#Mode-locking
」をご覧ください。この項目「モード同期」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:en: Mode locking)
修正、加筆に協力し、現在の表現をより自然な表現にして下さる方を求めています。ノートページや履歴も参照してください。(2022年12月)
この記事には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注によって参照されておらず、情報源が不明瞭です。脚注を導入して、記事の信頼性向上にご協力ください。(2021年12月)
光学において、モード同期(モードどうき、英: Mode locking)とは、ピコ秒(10?12 s)からフェムト秒(10?15 s)程度の極短パルスレーザーを発生させる技術である。例えば屈折矯正手術(英語版)などの分野でフェムト秒レーザーと呼ばれているレーザーはこの技術を利用している。この技術の基本は、レーザー共振器の縦モード(英語版)同士の間に一定の位相関係を誘導することであり、これによりモード間の強め合う干渉を局所的に起こさせ、レーザーパルス列を生じさせる。このようなレーザーは「位相同期」されている、または「モード同期」されていると表現される。
レーザー共振器の共振モードレーザー媒質の利得周波数帯と共振器の縦モードにより出力されるレーザーのスペクトルが決まる共振モードが同期された状態の完全反射共振器中には波束が生じる。上段プロットは共振器の最初の8つのモード(実線)と、各位置における総和された電場強度(点)をあらわす。下段プロットは共振器内の総和された電場強度をあらわす。
レーザー光は人類が得られる最も純粋な形の光かもしれないが、純粋に単一の周波数または波長の光のみを含むわけではなく、すべてのレーザーはある固有の帯域幅をもつ光、すなわちある周波数範囲にわたる光を発する。レーザーの動作帯域幅は、主にレーザーを発生させる利得媒質によって決まり、利得媒質の動作周波数範囲は利得帯域幅と呼ばれる。たとえば、一般的なヘリウムネオンレーザーの利得帯域幅はおよそ1.5 GHz(波長にすると633 nmを中心とした幅およそ0.002 nmの範囲)、Ti:サファイアレーザーの利得帯域幅はおよそ128 THz(800 nmを中心とした幅およそ300 nmの範囲)である。
レーザー発振周波数の決定要因として2つ目にはレーザー共振器が挙げられる。最も単純な共振器は利得媒質をはさみ互いに向き合った2つの平面鏡で構成される(ファブリ・ペロー共振器)。光は波であるため、共振器の鏡間で反射するうち、干渉により強め合いと弱め合いを起こし、共振器内に定在波を生じる。この定在波は、共振器固有の縦モードと呼ばれる離散的な周波数群からなる。縦モード周波数の光は、共振器内で自己増幅され発振するが、他の周波数をもつ光は、弱め合う干渉によって発振を抑制される。単純な平面鏡共振器の場合、許容されるモードは、鏡間距離Lが光の波長λの半分の整数倍という条件を満たす。すなわち、qをモード次数と呼ばれる整数として、L = qλ/2を満たす。
実用上、Lは通常λよりもはるかに大きいため、qの値は大きくなる(およそ105から106)。qの値そのものよりも、任意の2つの隣接するモードqとq + 1の間の周波数差が問題となる。これは、(長さLの真空線形共振器の場合)下式のΔνにより与えられる。 Δ ν = c 2 L {\displaystyle \Delta \nu ={\frac {c}{2L}}}
上式を使用すると、鏡間距離が30 cmの小型レーザー発振器の縦モード間の周波数間隔は0.5 GHzとなる。したがって、上述したHeNeレーザーの帯域幅1.5 GHz内には最大3つ、Ti:サファイアレーザーの帯域幅128 THz内にはおよそ250,000の縦モードが収まることになる。複数の縦モードが励起される場合、レーザーが「マルチモード」動作していると言い、1つの縦モードのみが励起される場合、レーザーが「シングルモード」動作していると言う。
個々の縦モードにはまた帯域幅があり、通常は発振器のQ値によって決まる(ファブリ・ペロー干渉計を参照)。 単純なレーザーでは、これらのモードのそれぞれが互いに固定された関係をもたず独立して発振しており、一連の独立した別々のレーザーが、すべてわずかに異なる周波数で光を放出しているのと同等の動作をする。各モードの光波の位相は互いに同期されておらず、レーザーの材料の熱変化などによりランダムに変化しうる。発振モードが少ないレーザーでは、モード間の干渉によってレーザー出力にうなりが生じ、強度が変動する可能性がある一方、何千ものモードを持つレーザーでは、これらの干渉効果は平均されほぼ一定の出力強度になる傾向がある。 他のモードとの間の位相を同期させて動作する場合、レーザー出力はまったく異なる振る舞いをしめす。各モードが独立している場合はランダムまたは一定の出力強度をしめすが、レーザーのモードが同期すると、干渉により各モードすべてが周期的に強め合い、光の強いバーストまたはパルスを生じさせる。
モード同期理論