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フレデリック・サンズ(英語版)の1863年と1864年の間の絵画『モーガン・ル・フェイ』。バーミンガム美術館所蔵。
モーガン・ル・フェイ(英語: Morgan le Fay)は、アーサー王物語に登場する女性。多くの作品で、アーサー王の異父姉にして魔女として知られる。 モーガン・ル・フェイは現代英語読みで、古い読みではモルガン・ル・フェという。その呼称は『妖精モルガン』という意味。「大いなる女王」の意味を持つケルト神話の女神・モリガンと同一視される。ケルトでは、三相一体の三は聖なる数字とされており、三がさらに三つある九は究極の数字とされ、九姉妹(詳しくは九人の魔女を参照のこと)の長女として、モルガン・ル・フェを扱っている。 イタリアではファタ・モルガーナ(Fata Morgana)と呼ばれ、彼女がメッシナ海峡に作り出した蜃気楼が船乗りを惑わせ船を座礁させてしまう伝説が残されている。 モーガン(モルゲンや妖精モルガナ)に関連する初出の文献。 伝説の林檎の島・アヴァロンを統治する九姉妹の長姉で、他の姉妹よりもずっと美しく、役立つ知識・医術・美しい声を持つ歌姫。変身能力があり、ダイダロスのように翼を使って空を飛翔できた。他の姉妹に学問を教えた。タリエシンも随行した船で、カムランの戦いで重傷を負ったアーサー王をブリトン人らの助けを借りてアヴァロンへ連れて行った後、部屋を用意し、アーサー王を金のベッドに寝かし、治癒の力で治癒した。 12世紀末モーガンにはアーサーの姉という出自が加えられ、シトー派の修道僧により書かれた『散文ラーンスロット』では弟のアーサーとの近親相姦などのネガティブな要素が追加された。 15世紀後半以降の文献。黒魔術を使う邪悪な魔女へ変更され、ティンタジェル公ゴルロイスとその妻イグレインとの間に生まれた三女の末娘とされた。 母イグレインがアーサーの父ユーサー・ペンドラゴンと再婚した後、キリスト教の修道院にて修行、魔術に通じ、修道院での堕落した教育で不思議な妖術を突然身に付け、異父弟アーサーの前に立ちはだかる。後に魔法使いマーリンは、彼女が魔力を磨くのを手伝い始める。 モルガンはアーサーの純粋な心を嫌悪し、アーサーとグィネヴィアの陥害と王位奪取を企むことを知り、アーサー王の最強の敵となる。円卓の騎士の一人、ランスロットの妻となるペレス王の娘エレイン姫の美しさを妬み、彼女を幽閉しランスロットを誘惑した。
名称
魔女としてエドワード・バーン=ジョーンズの1898年の絵画『アーサー王の最後の眠り』の細部。ポンセ美術館所蔵。
重傷を負ったアーサー王とアヴァロンを統治する姉妹たち。
『マーリンの生涯』(Vita Merlini)
『散文ラーンスロット』(Prose Lancelot)
『アーサー王の死』(Le Morte d'Arthur)