モンスターコレクション
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この項目では、カードゲームについて説明しています。

その他の「モンスターコレクション」については「モンコレ」をご覧ください。

モンスター・コレクションは、グループSNEが開発したトレーディングカードゲーム(TCG)。略称はモンコレ。「モンスター・コレクションTCG」とも呼ばれる。

1997年9月に富士見書房から発売された。2000年9月からモンスター・コレクション2が展開、2009年8月からはモンスター・コレクション・トレーディング・カード・ゲーム(MONSTER COLLECTION TRADING CARD GAME)として、ブロッコリーが販売元となって展開されていた。

2011年8月より正式にブシロードの取り扱いとなっていたが[1]、2014年5月30日に発売されたデッキを持って、ブシロードからの販売委託契約が満了となり[2]、グループSNEとKADOKAWA(旧富士見書房)に権利が返還された。ブシロードの展開に関しては、2015年6月30日付でルールサポート終了[3]、2016年5月31日付で全サポートが終了した。2017年3月31日付でブシロード版公式サイトが閉鎖された[4]

グループSNE側からもこれで一区切りであることが発表されており、今後は未定としていた[要出典][5]ものの、ブシロード版サイト閉鎖前日の2017年3月30日に「モンスター・コレクションTCG20th Anniversary」がKADOKAWAから発売されている。

また人気イラストを採録したデッキビルド型ボードゲーム「モンコレデックビルディング:エレメンタル・ストーム」が2018年2月2日に発売予定となっている。
概要

時期はやや遅いが、マジック:ザ・ギャザリング日本でも大流行したことにより、日本製のTCGが各社より続々と登場した一連の流れに乗って製作・販売された。この開発にあたっては、総指揮を取った安田均自ら「開発当時あまりに多忙であり、当時のことはよく思い出せない」と発言するほどの注力が行われたという。

多くのTCGと同じく、プレーヤー2人が対戦する。しかしゲームの内容と勝利条件は他とは変わっており、3×4マスのフィールドに本陣とモンスター(ユニット)が進軍するための地形カードを配置し、召喚したユニットを用いて先に敵の本陣を制圧、相手領地をより多く占領したプレイヤーが勝利する、という一種の「陣取りゲーム」である。このようなタイプのTCGは世界的に見てもあまり例がないと言える(アメリカの Guardians というTCGが数少ない類例である)。ユニットには火、水、土、風、聖、魔の6つの属性がある。属性による有利不利等はないが属性ごとの傾向があり、ユニットが使用する魔法(戦闘スペル)の使用枠の属性は、基本的にユニットの属性と同じものが多い。その他、ユニットに装備させることができるアイテム(装備品)、ユニットが戦闘中に使用することができるアイテム(消耗品)、様々な条件を満たすことで使用が可能になる儀式魔法(儀式スペル)、特殊な効果をユニットにおよぼす地形などがある。

また、本作をモチーフとした小説、コミック、アニメが製作されてきた。特に、小説はTCG自体の発売に先行してシリーズが開始され、同時展開された。さらに、本作を利用するボードゲームや、同じ世界を舞台としたTRPGも発売されている。

ユニットの移動というボードゲーム的な要素を持ち、日本でデザインされたTCGの中では変わったものであると言える(複雑でTCG初心者がプレイするには難しいという意見もある)。また、CLAMPいのまたむつみなどの有名イラストレーターをカードのカラーイラストに起用しており、今なお熱狂的なファンが存在する。

2008年夏に、ブロッコリーとのタイアップで、発売10周年を記念して、最後に発売されたエキスパンションから4年ぶりに新カードセットが発売され、2009年には、本格的に商品展開が再開されている。

なお、グループSNEはTCGブーム以前に、テーブルトークRPGユーザー向けの解説本として富士見書房より『○○コレクション』シリーズを刊行している。それらはファンタジー系RPGに頻繁に登場するモンスターやアイテムの解説本で、その第一弾が『モンスター・コレクション』である。ただし、名称が同じであるのみで、本作との直接的な関連は無い。
ルール
準備

プレイヤーは50枚のカードを自由に組み合わせたカードの束=デックを作る(同名のカードは3枚まで)。二人のプレイヤーが互いにデックとさいころ(テキストではダイスまたはdと表記)を持ち寄り対戦する。

山札(デック)から一枚、カードを裏向きに自軍領土5の位置に置いて本陣とし、プレイヤーは山札から手札上限枚数(6枚)のカードを引き手札とする。6・5・43・2・1敵軍領土1・2・3自軍領土4・5・6
ゲームの進行

先攻プレイヤーのターンと後攻プレイヤーのターンを繰り返して進行する。

自軍ユニットが相手の本陣への進軍を成功させれば本陣陥落勝利である。山札が切れても敗北にはならないが、両プレイヤーの山札が尽きて膠着状態になった場合は判定になる。敵軍領土により多くのユニットが存在している方が判定勝ち、ユニットが同数なら引き分けである。
自分のターンのはじめには第一手札調整フェイズがある(先攻1ターン目は無し)。手札から不要な手札を破棄、その後手札上限枚数になるように山札から補充する。

自分のターンのメインフェイズでは主に以下のことが行える。
地形配置
ユニットは地形上にしか存在できないので、自軍本陣から離れている敵軍本陣まで通り道を作るように戦場召喚することになる。手札に地形カードがない場合は、1ターンに一度だけ山札のカードを裏向きで「代理地形」として配置できる。
ユニットの進軍
自軍ユニットを1ターンに一度ほかの地形に移動できる。複数のユニットを同時に進軍させることができる。進軍先の地形に敵軍ユニットがいる場合は戦闘が起こる。戦闘終了後敵軍ユニットが一体以上残っていれば進軍失敗となり、生き残った自軍ユニットは元の地形に戻る。
装備品の持ち替え
同じ地形にいるユニット同士で装備品の受け渡し、交換をおこなう。これにより後続のユニットから装備品受け取ったあと敵軍ユニットの地形に進軍ということもできる。
儀式スペルの使用
相手ターンのメインフェイズに使えるものもある。プレイヤー、ユニット、地形に何らかの影響を及ぼす。

普通召喚フェイズでは手札のユニットカードを戦場に出すこと(召喚)ができる。装備品の破棄、ユニットの召喚、装備品の召喚の順に行う。基本的には自軍本陣にしか召喚できない。

第二手札調整フェイズは第一手札調整フェイズと同じ事を行う。

自分のターン終了を宣言し、相手ターンに移る。

戦闘のおおまかな流れ
即時召喚を進軍側、守備側の順で行う即時召喚不可のユニットが出せない以外は普通召喚と同じ。

隊列変更を進軍側、守備側の順で行う通常の攻撃は先頭から順に受けるので後ろのほうが生き残る可能性が高い。

戦闘さいころを振って先攻後攻を決めるさいころの目にその戦闘に参加するユニットのイチシアチブ補正の値を足して高いほうのプレイヤーが先攻になる(同じ場合は同時攻撃)
先攻先攻プレイヤーが攻撃(通常攻撃)、戦闘スペル、アイテム、特殊能力の行動をとる。ただし、行動完了型の特殊能力は通常攻撃を行った後にはユニットが「行動完了」となる為使用できない。プレイヤーは「対抗」によりその行動に割り込むことができる。「対抗」への「対抗」も可能である。行動の処理の順番は最後の「対抗」からの逆順になる。先攻プレイヤーのチャージを持っているユニットはその値を攻撃力に加える。「攻撃(通常攻撃)」では、「攻撃」を選択した自軍ユニットの攻撃力を合計し、その値と敵先頭ユニットの防御力を比べ、防御力以上なら先頭ユニットは死亡、攻撃力から防御力を引いた残りの値と2番目のユニットの防御力を比べ…を繰り返す。

後攻ユニットが残っていれば後攻プレイヤーの行動となる。後攻プレイヤーのディフェンダーを持っているユニットはその値を攻撃力に加える。

同時攻撃同じ値だった場合、すべての特殊能力が失われ、カード表記の攻撃力防御力のみで攻撃しあう。同時攻撃では「攻撃」における処理を敵味方同時に処理して戦闘終了となる。


戦闘終了

モンコレ2における変更点

特殊能力等における数値の変更(計算)が発生する時の計算処理の表示が変更となった。

例)特殊能力「チャージ」は「攻撃力×2」だったが「もともとの攻撃力分加える」や「攻撃力+○」という表示になった。

これはモンコレにおける計算処理が、(特に低年齢層には)難解であった為である。
モンコレにおける計算処理の順番

数値の入れ替え

数値の変更

掛け算

割り算

足し算

引き算


プレイヤー甲:先攻、プレイヤー乙:後攻
プレイヤー甲が攻撃力4のユニットAに対し攻撃力を2倍にする能力を使用

これに対抗して、プレイヤー乙が攻撃力を2に変更する能力を使用

これに対抗し、甲が攻撃力+2の能力を使用

更に乙が対抗して、攻撃力-3する能力を使用
この場合、ユニットAの攻撃力は、まずに(2)により4→「2」になり、その後(1)により2倍され「4」となり、4+2-3で最終的に「3」となる。これをモンコレ2のルールで計算する(ただし、「×2」は「+4」に置き換え)と、「対抗」の処理の順番で(4)→(3)→(2)→(1)となり、「4-3」で「1」→「1+2」で「3」、「3」→「2」、「2+4」で「6」となる。
カードの詳細

カード名が左上に縦書きで書かれており、手札に持ったときに見やすいデザインである。

左下にある出現頻度マークは入手しやすさを表しており、丸(基本またはプロモーションカード)、三角(頻繁)、ダイヤ(並)、星(稀)、クラブ(極稀)となっている。このほか、召喚術師カードの六芒星、プロモーションカードのスペード、ハート、月マークがある。
ユニットカード
地形を支配できるモンスター(人間も含む)を表すカード。基本的にユニットカード以外はなくても遊ぶことができる。モンスターの種族、属性、レベル、攻撃力、防御力、進軍タイプが設定されている。このほかに常備能力(アイテム枠、スペル枠、イニシアチブ補正、チャージ、ディフェンダー、耐性)、固有の特殊能力を持つものもある。進軍タイプにより移動範囲が異なり、「飛行ユニットは歩行ユニットと比べ進軍範囲が広いので、戦闘を避けて側面から回り込む」というような戦略が用いられる。進軍タイプは「歩行」「飛行」「長距離飛行」の3タイプ。移動範囲は「歩行」<「飛行」<「長距離飛行」。
アイテム(消耗品)カード
ユニットの常備能力「アイテム:X」を消費して効果を発揮する魔法の道具を表すカード。戦闘中にしか使用できない。プレイヤーの手札から出して使った後は破棄される。
アイテム(装備品)カード
ユニットの常備能力「アイテム:X」を消費して効果を発揮する魔法の道具を表すカード。使い捨てではなく、破棄されない限りユニットに装備されたまま効果を発揮し続ける。戦闘に関わらない効果を持つものもある。
戦闘スペルカード
ユニットの常備能力「スペル:X」を消費して効果を発揮する魔法を表すカード。消費するスペル枠の属性(火、水、土、風、聖、魔)と戦闘スペルの使用条件は一致している必要がある(?以上の場合、宣言時に値が決定される)。使用条件のスペル枠が複数ある場合、それを2体以上のユニットで分担することができる。戦闘中にしか使用できない。プレイヤーの手札から出して使った後は破棄される。
儀式スペルカード
特定の条件を満たして使う強力な魔法を表すカード。使った後は破棄されるものと、その場に示して効果を発揮し続けるものがある。


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