モルガヌコドン
[Wikipedia|▼Menu]

モルガヌコドン目
メガゾストロドン
地質時代
三畳紀後期 - ジュラ紀中期
分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱:四肢動物上綱 Tetrapoda
:単弓綱 Synapsida
階級なし:哺乳形類 Mammaliaformes
:モルガヌコドン目 Morganucodonta
Kermack, Mussett, and Rigney, 1973




†モルガヌコドン科 Morganucodontidae

†メガゾストロドン科 Megazostrodontidae

モルガヌコドン目 (Morganucodonta) は、中生代三畳紀後期からジュラ紀中期にかけて生息した、最初期の哺乳類の特徴を備えた絶滅動物である。


形態

このグループはいずれもトガリネズミほどのサイズであった。また、その形態も同様であった。おそらくは恒温動物であり、また既に乳腺を持っていたと考えられている。

このグループが現生の哺乳類の異なる点としては、「二重関節」という特異な構造を備えていた事である。これは、関節鱗状骨 - 歯骨関節と方形骨 - 関節骨関節の2つからなるということを意味する。関節骨と方形骨は、それぞれ槌骨砧骨のもととなった骨である。麟状骨 - 歯骨関節は後期キノドン類が獲得した形態であり、旧来の方形骨 - 関節骨関節とどちらに比重が置かれているかが哺乳(形)類と非哺乳類型キノドン類とを分類する指標となっている[1]。このグループは、新たな関節が主体となっている事で哺乳類の側に置かれているが[2]、旧関節も機能している為、真の哺乳類とは見なされない[1]

モルガヌコドン目の二重関節の構造

歯列は大小三つの咬頭が漢字の「山」の様に直線で並んだ形態の臼歯が特徴的である[1]。これは真三錐歯目も似た臼歯を持つが、それと比べてより祖先的な形態を留める。しかし、小臼歯とは形態が異なっており、二生歯性への移行も進んでいる。

体幹は頸椎、胴椎の回転、よじりが容易な構造となるなど、キノドン類よりも派生的な形態を見せる[1]
生態

モルガヌコドン目の多くは夜行性昆虫食であったとみられ、日中に活動する捕食者を避けながら獲物を探していた。これらの形質は、捕食性の恐竜から逃れるためのものとして彼らの子孫にも受け継がれたと考えられる。
分類

当初モルガヌコドン目は、「三錐歯目」の基底に置かれ、その祖先群とされていた。その根拠となったのが三つの咬頭を持つ臼歯の形態であるが、これはトリナクソドンなどキノドン類にも見られるものであり[1]、祖先的な形態を残しているに過ぎないことが明らかになり、三錐歯目から外されている。

モルガヌコドン目を真の哺乳類として分類するべきか、それとも哺乳綱の外にあるクレードとみなすべきなのかについては、科学者の間でも未だ論争となっている。哺乳綱に含めない根拠としてよく主張されるのは、モルガヌコドンが耳小骨を持たず、代わりに二重関節を持っている(上記を参照)という事実である。
上位分類

(†は絶滅)

単弓類 Synapsida

獣弓目 Therapsida

キノドン亜目 Cynodontia

哺乳形類 Mammaliaformes

モルガヌコドン目 Morganucodonta

哺乳類 Mammalia

獣形類 Theriiformes

三錐歯目 (Triconodonta / 正三錐歯目 Eutriconodonta







下位分類

モルガヌコドン属は一時期エオゾストロドン属のシノニムとされたが、2004年以降は再び独立した属とされた[3]

†モルガヌコドン目 Morganucodonta

†モルガヌコドン科 Morganucodontidae

モルガヌコドン Morganucodon

エオゾストロドン Eozostrodon

 ?†Gondwanadon

†Helvetiodon

†エリトロテリウム Erythrotherium

†Wareolestes


†メガゾストロドン科 Megazostrodontidae

メガゾストロドン Megazostrodon

†Brachyzostrodon

†ディネテリウム Dinnetherium

 ?†インドゾストロドン Indozostrodon



分布・年代

ヨーロッパからは三畳紀後期 - ジュラ紀中期にかけて、南アフリカ、アリゾナ州、中国ではジュラ紀前期の化石が見つかっている[1]



脚注

[ヘルプ]
^ a b c d e f 『絶滅哺乳類図鑑』 30頁
^ 『哺乳類の進化』 11頁
^ 『絶滅哺乳類図鑑』 31頁

関連項目

真三錐歯目

アデロバシレウス - 既知で最古の哺乳形類。

梁歯目 - 哺乳形類の一つ。

ハラミア目 - 哺乳形類の一つ。かつては多丘歯目の初期群とされてきた。植物食。

出典

The Fossil Book: A Record of Prehistoric Life, authored by Patricia Vickers Rich, Thomas Hewitt Rich, Mildred Adams Fenton and Carroll Lane Fenton. Page 519.

The Illustrated Encyclopedia of the Prehistoric World, consultant editor Dr. Douglas Palmer. Page 342.

参考文献

遠藤秀紀 『哺乳類の進化』 東京大学出版会、2002年、4 - 15頁。ISBN 978-4-13-060182-5

富田幸光 『新版 絶滅哺乳類図鑑』 伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2011年、30 - 31頁。ISBN 978-4-621-08290-4

外部リンク

[1]

この項目は、古生物学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めていますプロジェクト:地球科学プロジェクト:生物Portal:地球科学Portal:生物学)。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:13 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef