モリアオガエル
モリアオガエル Zhangixalus arboreus(伊吹山にて) 深夜、湧水に浮くモリアオガエルのオス(大台ヶ原)
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
モリアオガエル(森青蛙、学名:Zhangixalus [2] arboreus)は、両生綱無尾目アオガエル科アオガエル属に分類されるカエル。 日本の固有種で、本州と佐渡島に分布する[3]。ただし、神奈川県と千葉県では人為的に移入された疑いがある[4]。また、四国と九州の分布ははっきりしていない[3]。 離島については、1970年頃から伊豆大島に外来種として移入分布している[4]。 学名は「樹上棲の、ボロをまとったもの」という意味[3]。 発見当初はシュレーゲルアオガエルの2つの変種、モリアオガエル(var. arborea)とキタアオガエル(var. intermedia)として記載された[3]。後に分類を検討し直した結果、両者ともに亜種に昇格となり、キタアオガエルはモリアオガエルに含まれることになった[3]。さらに交配実験などにより、モリアオガエルはシュレーゲルアオガエルとは独立の別種であることが判明した[3]。 体長はオスが42-62mm、メスが59-82mmほどで、メスの方が大きい[3]。オスは咽頭下に単一の鳴嚢をもち、これを膨らませて鳴く[3]。 指先には丸い吸盤があり、木の上での生活に適応している。第3指が最も長く、吸盤も大きい[3]。指の間には水かきが発達する[3]。体色は個体差が大きく、全身が緑色を呈する個体もいれば、地方個体群によっては全身に褐色の斑紋が出る個体もいる。また、体表にはつやがなく、目の虹彩が赤褐色なのも特徴である[5][6]。 ニホンアマガエルやシュレーゲルアオガエルと似ているが、モリアオガエルはより大型になる。また、ニホンアマガエルとは目から耳にかけて黒い帯模様がないこと、シュレーゲルアオガエルとは虹彩が赤っぽいことで区別できる。 一つの卵の大きさは2.6mmほどであるが、幼生(オタマジャクシ)は全長51mmまで成長し、尾は細くてやや長い[3]。オタマジャクシは両目の間隔が広い。[6]変態したばがりの時期の体長は15-22mm程度である[3]。 山地で多く見られ、非繁殖期はおもに森林に生息するが、繁殖期の4月から7月にかけては生息地付近の湖沼や水田、湿地に集まる[3]。
分布
分類
形態池に生息するオタマジャクシ
夜叉ヶ池・2011年9月
生態トビに捕獲され捕食されたモリアオガエルメスに複数のオスが群がり産卵する(三重県 大台ヶ原)