モヒカン刈り(モヒカンがり)は、髪型の一種。棟髪刈り(とうはつがり)とも。頭部の左右を丸刈りあるいは剃髪して中央部分の髪だけを残す髪型で、一見ニワトリのトサカのように見える。
呼称モホーク族の酋長、チャエンダネガー(英名ジョセフ・ブラント)
後述するように、北東部のアメリカ先住民には弓を射る際に邪魔にならないよう頭の両側を剃りあげる文化があった。
アメリカ英語ではモホーク族の髪型に由来するモホーク刈り(Mohawk hairstyle)の呼称が一般的である。
日本ではモヒカン族に由来するモヒカン刈りが一般的である。しかし、日本におけるモヒカン刈りはパンク・ロックと共にイギリスから輸入された文化であり、実際のモヒカン族の文化との関連は薄い。 紀元前の時代から、戦士たちが相手を威嚇するためのモヒカン刈りにすることがあった。クローニーカバンマンの遺体の髪型、パジリク古墳群の壁画に描かれた戦士の髪型、またヘロドトスが記述するリビア北部の部族Macaiの髪型などである[1]。 紀元後では、インディアンのポーニー族
歴史
第二次世界大戦中、アメリカ陸軍のフィルシー・サーティーンとして知られる部隊では、多くの隊員がモヒカン刈りにしていた。これはチョクトー族の血を引く部隊長のジェイク・マクニースが、戦場でのシラミ対策に有効な髪型として採用したものである。彼らはさらに航空機用の白黒の塗料を用いてインディアン風の戦化粧も施しており、マクニースは夜間での迷彩効果を期待したものと説明している。
しかし、現代的なスパイキーなモヒカン刈りは、特にロンドンのキングス・ロードにたむろしていた若者のストリートファッション(パンク・ファッション)から来ている。これは、1970年代にその原型が萌芽し、1980年代に派手な原色に染めたりスパイクのパターンも多様なモヒカン刈りが見られるようになった。
今日ではパンクに限らず様々な文化(ポップス音楽・ファッション、スポーツなど)で見ることができる髪型になっている。 クローニーカバンマン - 紀元前のアイルランドの人物。2003年に発見された遺体は、整髪料でモヒカンのように髪を逆立てている状態で見つかった。戦闘時に相手を威嚇するための髪型だったと言われている。 篠原有司男 - 1958年に日本で初めて確認できるモヒカン刈りにしている[3]。 ソニー・ロリンズ - アメリカのジャズミュージシャン。1960年代にパンク以前のモヒカンスタイル(サイドを剃ってトップを残すだけのモヒカン)だった。映画タクシードライバー中のロバート・デ・ニーロや、ミスター・Tも同様のヘアスタイルをしている。
紀元前300年頃のパジリク古墳群に描かれた戦士
1944年のフィルシー・サーティーンの兵士。モヒカン刈りに加え、顔に戦化粧(ウォーペイント)を施している
1951年のアメリカ人の少女
イギリスのパンク風モヒカン
モヒカンの変形バージョントロイの兜(紀元前165-150のコインのデザイン)
逆モヒカン - サイドではなくトップを刈り上げる、モヒカンの逆バージョン。
fauxhawk - サイドを剃らずにトップを逆立てるバージョン[2]。
ソフトモヒカン - トップを盛り上げてモヒカンのような形にするバージョン。サイドは剃る必要はない。
トロージャン - トロイの兵士の兜の飾りのような髪型。トップからバックにかけてトサカが短くなっていく。
バイホーク/トリホーク - モヒカンのトサカを2本・3本と作る髪型
横モヒカン - モヒカンのトサカを左耳から右耳にかけて横方向に作る髪型
fauxhawkのイギリス人男性
モヒカンの有名人
パンク以外のモヒカン