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モノコック(フランス語:monocoque)、モノコック構造(モノコックこうぞう)とは、自動車・鉄道車両・ミサイル・一部の航空機などの車体・機体構造の一種で、車体・機体の外板に応力を受け持たせる構造のことをいう。応力外皮構造(おうりょくがいひこうぞう)、または張殻構造(はりがらこうぞう)ともいう。 ギリシャ語で「ひとつの…」という意味の接頭語"mono"と、フランス語で「貝殻」という意味の語"coque"を組み合わせた合成語。車体・機体の骨組み(フレーム)の代わりに、外板に必要最小限の加工を施して強度剛性を持たせる設計のことで[1]、内部空間を広く取ることができ、構造を簡素化することで軽量化にもつながる。 外板を強度部材とする場合、卵やカメの甲羅などのように丸みを持たせるといくつかの利点があるため、断面形状が丸みを帯びているという特徴を持っていることも多い。 厳密には一切の骨材ないし骨のような構造を用いず、外板の板材だけから成る構造が(純)モノコックだが、翼の付け根などといった応力が集中する部分が耐えられないなど難しい点も多く、現在の航空機の多くなどのように縦通材などを併用して主として引っ張り力が外板に掛かるようにする、いわゆる「セミ・モノコック」構造の採用が他の分野でも一般的であり、この記事でも以下ではもっぱら「セミ」は付けない。なお、「開口部があってはいけない」「角張っていてはいけない」というような理解が時折見られるが、そうでない例もある。たとえばいわゆるボックスティッシュの箱も一種のモノコック構造だが、構造上、強度をあまり下げることなく穴が開けられており、また丸くはなく箱型の例でもある。 モノコック構造はもともと航空機に始まり[1]、自動車や鉄道車両にも応用されるようになった。 日本では、第二次世界大戦後の1950年代以降から自動車や鉄道車両に多く用いられるようになった。第二次世界大戦の終戦後、航空機の開発・生産が禁止されたのを受けて、航空機製造技術とその技術者を活かして開発が進められた経緯がある。 初期の航空機は木や金属の骨組みに布や薄い金属板を貼る枠組構造であったが、空気抵抗の少ない流線型の胴体を製作することが難しかった。そこで、薄い金属板を円筒形(または楕円断面)に丸めて外板とし、フレームで形状保持するモノコック構造が登場した。しかし、大型化すると充分な強度が確保できないため、現在は小型機に見られる程度である。 大半の航空機は、縦方向の円框(フレーム)と前後方向の縦通材(ロンジロン、ストリンガ)という骨材で外板を補強するセミモノコック構造で作られている。機体にかかる引張力は外板・縦通材が負担し、曲げ荷重からの圧縮力は外板に代わり縦通材が分担している[2]。激しい動きでより大きな負荷がかかる戦闘機では、太い強力縦通材(ロンジロン)を多用している。 旅客機や輸送機が高高度を飛行する時には、空気中の酸素が少なくなるため、機内の気圧が機外よりも0.5 - 0.6気圧高くなるよう与圧を行っている。胴体前後には、機内を密閉し与圧を保持するための圧力隔壁が備わっている。機内外の圧力差により、外板の内側には1平方メートルあたり6トンを超える力がかかる[3]。角の部分があるとそこに応力が集中して金属疲労の原因となるため、応力が分散するよう設計が工夫されている(コメット連続墜落事故も参照)。
工法の特徴など
歴史
輸送機器の種類別概説
航空機図3がモノコック構造、図4がセミモノコック構造木製モノコック構造のドゥペルデュサン・モノコック・レーサー(1912年)「旅客機の構造#胴体構造」も参照
自動車「フレーム形式 (自動車)」も参照1939年発表のGMC トランジット
富士重工製バスボディにも大きな影響を与えた。写真は1948年製 TDH-3610型。1949年発表の富士産業(当時、後の富士重工)・ふじ号の床下。ラダーフレームは見られない。