モノのインターネット
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「IoT」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「IOT」をご覧ください。
「モノのインターネット」が世界を繋ぐイメージ

モノのインターネット(物のインターネット[1][2]: Internet of Things、IoT)とは、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる[3])、情報交換することにより相互に制御する仕組みである[4][5]。それによるデジタル社会(クロステック)の実現を指す[6][7][8]。現在の市場価値は800億ドルと予測されている[9]。経済産業省が推進するコネクテッドインダストリーズやソサエティー5.0との関連でも注目を集めている[10]

モノのインターネットの主要なテーマは、短距離のモバイルトランシーバーをさまざまなガジェットや日常のアイテムに埋め込むことで、人とモノの間、およびモノ同士の間の新しい形の通信を可能にすることである[11]
語義

Internet of Thingsという用語は1999年にケビン・アシュトンが初めて使ったとされ(Internet for things という表現を好んだとされる)、当初はRFIDによる商品管理システムをインターネットに例えたものであった[12]。その後、スマートフォンクラウドコンピューティングが広まり、この環境全体を表現する概念として転用された[13][14]

IDCでは「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なエッジデバイスからなるネットワークのネットワーク」と定義している[15]

従来型ソリューションとの違いは、汎用ハードウェアとオープンなSDx (Software Defined) により、市民開発が可能になったことという[16]。また、IoTデバイスそのものよりも、その先の効用・効果を生むことが重要となる[17]
日本の法律による定義

2016年4月20日に成立した法律[18]により改正された特定通信・放送開発事業実施円滑化法の附則では「インターネット・オブ・シングスの実現」を「インターネットに多様かつ多数の物が接続され、及びそれらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の円滑な流通が国民生活及び経済活動の基盤となる社会の実現」として定義した。総務省は新たな電話番号割り当てのため、2017年1月1日付で省令を改正した。「020」の次が「0」または「4」を除く[注釈 1]、8000万の電話番号がIoTのために使えるようになる。
歴史

スマート・デバイスが結ばれるネットワークというコンセプトは遅くとも1982年には議論されていた(TRONプロジェクトなど)。1992年、米国カーネギー・メロン大学で開発された改造コーラ販売機は最初のインターネットに接続された電化製品の例である[19]。これは、その在庫状況や、新たに追加されたドリンクが冷えているかをレポートすることができた[20]マーク・ワイザーによるユビキタスコンピューティングに関する1991年の論文The Computer of the 21st CenturyはIoTの現代的なビジョンが記されていた[21][22]。1994年、Reza Rajiは「家電から工場全体まで全てを統合し自動化するための、小さなデータパケットが行き来する巨大なノードの集合」という概念をIEEE Spectrum誌に寄稿している[23]。1993年から1996年の間、マイクロソフトのat WorkやノベルのNESTなど、幾つかの会社がIoTソリューションを提案した。1999年に、ビル・ジョイはDevice to Device (D2D)コミュニケーション構想をWorld Economic Forum at Davosで提唱した[24]。また同年、マサチューセッツ工科大学 (MIT) のAuto-IDラボRFIDを商品に込み込み市場分析を行うという研究プロジェクトを開始した[25]。もしあらゆるモノとヒトが識別タグをつけることができれば、コンピュータによって在庫管理をすることができるという構想であった[26]

2010年代になって、米ゼネラル・エレクトリック (GE) など米国勢が中心の「インダストリアルインターネット」、ドイツ政府による「インダストリー4.0」というデジタル化政策があり[27]、ドイツのインダストリー4.0には医療機器大手シーメンスやソフトウェア大手SAPが中心になっている。2016年にはゼネラル・エレクトリックがSAPと提携、シーメンスが米IBMと提携を始め、規格の国際標準化を見据えた勢力争いが激化している[28][29][30]。こうした海外勢に対抗し、日本では日立製作所三菱重工IHINTTなどがそれぞれ研究開発と実用化に取り組んでいる[31][32]。IoTの普及が進むにともない技術者が不足するようになったが、2017年6月、日本の人材サービス各社は国策に沿う形で外国人エンジニアの大量採用にふみきった[33]

2016年から2017年は、マルウェアMirai[34][35]ブロックチェーン仮想通貨の流行期であった[36]。また、三種の神器[37]パーフェクト ストームとも例えられた[38]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:69 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef