この項目では、兵器などを予備役にすることについて説明しています。多義語である「モスボール」については「モスボール」をご覧ください。
かつてサスーン湾にあった"幽霊艦隊" 。これらの実態は、モスボール中のアメリカ海軍予備艦隊であった。2008年撮影。フィラデルフィア海軍工廠でモスボール中のアメリカ海軍予備艦隊の軍艦3隻。右から順に、戦艦アイオワ、戦艦ウィスコンシン、空母シャングリラ。1978年撮影。上に同じく、1982年撮影。ピュージェット・サウンド海軍造船所でモスボール中の6隻の空母。手前から順に、"海軍の最奮闘艦"エセックス (CV-9)、タイコンデロガ (CV-14)、ヨークタウン (CV-10)、レキシントン (CV-16)、バンカー・ヒル (CV-17)、ボノム・リシャール (CV-31) が整列している。1948年撮影。
軍事分野等におけるモスボール(mothball)とは、使用しなくなった兵器などの機材を劣化を防ぐ処理をした上で保管すること。
モスボールした機材は、予備として必要に応じて現役復帰される他、部品取りや標的機などに使用される。 "mothball" という英単語は、「保管中の衣類から、それを食害する蛾を遠ざけるための樟脳またはナフタレンのボール」を指す普通名詞として、[ en: moth-ball < moth ball < moth(蛾)+ ball(球)]という語構成でもって1891年に初出
語源
他方、『英辞郎』では「(不用品などが)仕舞い込まれて」を意味する英語の in mothballs から派生した語[2]としている。"mothball" の原義は防虫剤であり[2]、日本語でも音写
形「モスボール」がそのままの意味の外来語としても通用する[2]。アメリカ合衆国では、軍艦は海軍予備艦隊
、民間船舶は国防予備船隊としてモスボール保管を行っている。これらは、必要に応じて現役復帰したり、海外に売却されたり、あるいは実艦標的として海没処分となる。例えば、第二次世界大戦終結時に日本の降伏文書調印式に使われた戦艦「ミズーリ」は、朝鮮戦争後の1955年2月26日に退役した後、長らく記念艦として一般に公開されていたが、31年後の1986年5月10日に再就役している。アメリカ合衆国アリゾナ州のデビスモンサン空軍基地にあるAMARG(英語版)では、[いつ?]時点で4,400機に上る軍用機が保管されている。主な機体は、T-33練習機(1948年運用開始)、B-52爆撃機(1955年運用開始)、C-130輸送機(1956年運用開始)、UH-1汎用ヘリコプター(1959年運用開始)、F-5戦闘機(1959年初飛行)、F-4戦闘機(1960年運用開始)、F-16戦闘機(1978年運用開始)などである。