モシ・オ・トゥニャ
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ヴィクトリアの滝
ヴィクトリアの滝(ジンバブエ側)
所在地 ジンバブエヴィクトリアフォールズ
ザンビアリヴィングストン
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}南緯17度55分28秒 東経25度51分24秒 / 南緯17.92444度 東経25.85667度 / -17.92444; 25.85667
種別直瀑、分岐瀑
落差108m
滝幅1708m
最大落差108m
水系ザンベジ川

プロジェクト 地形
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ヴィクトリアの滝(ヴィクトリアのたき、: Victoria Falls、現地語: Mosi-oa-Tunya)は、アフリカ大陸南東部、ザンベジ川中流部にある。幅2キロメートル、落差108メートルの大瀑布で、ジンバブエ共和国ザンビア共和国国境に位置する[1]ユネスコ世界遺産に登録されている。8月のヴィクトリアの滝
概要

かつて地元のバントゥー系民族はこの滝を Shungu na mutitima と呼んでいた。その後にこの地にやって来たマタベレ族 (Matabele) は aManz' aThunqayo と呼んだ。バツワナ人 (Batswana) とマコロロ人 (Makololo) は「雷鳴の轟く水煙」という意味の「Mosi-oa-Tunya」と呼んでいた。ヨーロッパ人としてはイギリス宣教師であり探検家でもあるデイヴィッド・リヴィングストン1855年に見たのが最初だったと信じられている。そこでイギリス人は当時のイギリス女王の名 Victoriaを冠して「Victoria Falls」と呼び始めた。→#植民地時代以前の歴史

現在、ジンバブエにおいては「ヴィクトリアフォールズ」、ザンビアにおいてはモーシ・オワ・トゥーニャ(Mosi-oa-Tunya、「雷鳴のする水煙」という意味)[2][3]が公式名称である。 世界遺産登録名はこの2つを併記している。

落差と幅の両面から見た滝の規模としては、イグアスの滝と並んで世界最大である。この2つの滝に匹敵する規模の滝は他には無く、たとえばナイアガラの滝もこの2つと較べるとかなり小さい。また、増水期の水量においてもイグアスと並んで世界最大級である[4]

なお、落差の世界一はエンジェルフォールベネズエラ)の978メートル、幅の世界一はイグアスの滝(アルゼンチンブラジル)の約4,000メートルである。

山火事と見紛うような水煙が垂直に800 - 1000メートルほど立ち上がっており、時にはがかかる[5]。この様子は20キロメートル離れたところからも見える[1]。滝壺へと落下する膨大な水が、空気を巻き込みつつ時速150キロメートルにも達するスピードで落下するので、滝壺付近では毎秒20メートルものが吹いている[5]
詳細

滝はザンベジ川の途中にある。上流は砂岩の上に堆積した平坦な玄武岩の層を流れている。川には木で覆われた小島が点在し、滝に近づくにつれてその数が増してくる。通常、滝を形成するはずの山地、断崖、渓谷などは一切見られず、滝の周囲数百キロメートルにわたって平原が広がっている。

ヴィクトリアの滝近辺には玄武岩層にできた7つの峡谷 (Gorge) があり、それぞれ名前が付けられている。そのうち最も上流にある First Gorge はヴィクトリアの滝そのものである。この First Gorge はほぼ滝の幅と同じ長さを持つ峡谷であり、滝は川幅そのままに First Gorge の長さいっぱいに垂直に落下していく。滝の幅は1708メートル、落差は最も高い中央付近で108メートル、最も低い西の端でも80メートルある。First Gorge に落下した水は、その唯一の出口である幅110メートル、長さ150メートルの短い峡谷を通って次の峡谷 (Second Gorge) へと流れ出していく。ヴィクトリアフォールズ橋はこの Second Gorge に架けられた橋である。

滝の淵には、水量が多い時期でも水没しない島が2つある。西の端近くにある Boaruka Island (Cataract Island) と、中央付近にあるリヴィングストン島 (Livingstone Island) である。これにより滝の流れは3つに分割され、西から順にそれぞれ Devil's Cataract (Leaping Water)、Main Falls、Rainbow Falls と呼ばれている。このうち最大の落差を持つのは Rainbow Falls である。水量が少ない時期にはさらに島が増え、それによって滝のカーテンが細かく分割される。
水量について

流れ落ちる水量は最大で毎分5億リットルに達する[1]

ザンベジ川流域は11月末から4月初めまでが雨季、それ以外の時期が乾季であり、それに2ヶ月ほど遅れて滝の水量が増減する。4月と11月では水量に10倍もの違いがある。これは著名な滝の中で最も極端な増減であり、最大水量に対して年間平均水量が少ないことの理由となっている。


水煙を噴き上げる雨季の滝(1972年)と乾季の滝(2003年)

増水期

滝の水量が多くなるのは4月をピークとして2月から5月までで、水煙は高さ400メートル、ときには800メートルまで立ち昇り、50キロメートル離れたところからでも見ることができる[6]。満月の夜には月明かりで虹が見えることがある。反面、この時期は滝の見物には必ずしも向いていない。水煙が多すぎて滝壺はおろか滝本体を見ることも困難であり、滝の正面にある遊歩道には水煙がシャワーのように降り注ぐ。崖の淵まで行くと、立ち昇ってきた水煙によって「下から上に雨が降ってくる」ような状態となり、とくにザンビア側にある Knife-Edge Bridge ではっきりと体感できる。
渇水期

滝の水量が少なくなるのは11月をピークとして9月から1月までである。この時期は滝全体を見渡すことができ、滝壺まで見ることができる。滝の淵にある小島が大きくなり、数も増えてくる。水煙が少ないため島の地表が乾き、ザンビア側からは滝の淵にできた小島に徒歩で渡ることができるようになる。また、滝壺に降りることができるのもこの時期である。
他の滝との比較

世界三大瀑布の比較
項目ヴィクトリアの滝
ナイアガラの滝イグアスの滝
最大落差[4]108 メートル360 ft51 メートル167 ft64-82 メートル210-269 ft
[4]1,708 メートル5,604 ft1,203 メートル3,947 ft2,700 メートル8,858 ft
1秒あたりの流量m3/秒cu ft/秒m3/秒cu ft/秒m3/秒cu ft/秒
年間平均 [4]1,08838,4302,40785,0001,74661,600
月間平均 (最大月) [6]3,000105,944
(最小月) [6]30010,594
(過去10年間の最大月) [6]6,000211,888
最高記録 [4]12,800452,0006,800240,00012,600444,965
注: 数値の測定方法については参考文献を参照のこと
水の体積1立方メートルは1トンの重さに等しい
ナイアガラの滝の上流では、約半分の水が水力発電所に取り込まれている
イグアスの滝は2段に分かれて落下しており、単独落差と合計落差を併記してある
これらと同等の流量を持つ滝はほかに10あるが、いずれもヴィクトリアとイグアスよりは少ない[6]

ヴィクトリアの滝と峡谷ザンベジ川の渓谷(上が北)

ザンベジ川の全ての水は、最初の渓谷でありヴィクトリアの滝そのものでもある First Gorge に流れ落ちた後、その唯一の出口である幅110メートル、長さ150メートルの短い峡谷を通って次の峡谷 (Second Gorge) へと流れ出していく。Second Gorge から先はジグザグ状に渓谷が続き、それらには以下の名称が付けられている。

主だった峡谷には以下の通りである。


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