メートル
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メートル
metre
metre
(米国のみ1977年以降、meter)

メートル原器(1889 - 1960年)
記号m
度量衡メートル法
国際単位系 (SI)
種類基本単位
長さ
定義真空中で1の 299792458 分の1の時間にが進む行程の長さ
派生単位m2, m3, m?1, m?2
由来北極点赤道の距離の1/10000000
語源古代ギリシャ語 μ?τρον(ものさし、測る)
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メートル(フランス語: metre、: metre[注 1][注 2]アメリカ英語: meter、記号: m)は、国際単位系 (SI) およびMKS単位系[1]における長さ計量単位である。

他のとは関係せず完全に独立して与えられる7つのSI基本単位の一つである[2]

元々は、「地球赤道北極点の間の海抜ゼロにおける子午線弧長を 1/10000000 倍した長さ」を意図し、計量学技術発展を反映して何度か更新された。

1983年昭和58年)に基準が見直され、現在は「1の 299792458 分の1の時間真空中を伝わる長さ」として定義されている[3]

なお、CGS単位系ではセンチメートル (cm) が基本単位となる[4][5]

? デシメートル ≪ メートル ≪ デカメートル
定義「SI基本単位の再定義 (2019年)」も参照

現在の「メートル」は、以下のように定義される。この定義は第17回国際度量衡総会により1983年10月21日に決定され、第26回国際度量衡総会により改定され、2019年5月20日に施行された。定義の実質は1983年のものと同じである。メートル(記号は m)は長さの SI 単位であり、真空中の光の速さ c を単位 m s−1 で表したときに、その数値を 299792458 と定めることによって定義される。ここで、セシウム周波数 ?νCs によって定義される[6][注 3]

?νCs は 133Cs (セシウム)の超微細構造遷移周波数である。

この定義により、真空中の光の速さは正確に 299792458 m/s である。
単位記号

メートルの単位記号は、小文字・立体の m である[7]。大文字・立体の M と書かれることがあるが、誤りである。大文字・立体の M は、106を表すSI接頭語 メガ (mega) の記号である。ただし、計量法では単位記号の表記揺れに対する罰則はない[8](これに対して、計量単位の「メートル」を「メーター」と表記することはできない。)が、混乱を防ぐためには標準の表記が推奨される[9][10][11]
表記
語源

メートル (metre) という名称は、「ものさし」または「測ること」を意味する古代ギリシャ語 μ?τρον(メトロン)からの造語であり、計器類を意味するメーター (meterまたはmetre) と語源は同じである[12][13]
日本語の表記

計量法における表記は、「メートル」である[14]

日本語の「メートル」はフランス語 metre からの外来語である[15]。英語の metre / meter からの外来語である「メーター」も特に口頭では使用されることがあるが、計量法上は、「メーター」の表記は用いることはできない(計量法第8条第1項)。

なお、「メーター」は計器の意味で用いられる語である[16]

日本では1952年昭和27年)2月29日までは漢字で「米」と書かれていた[17]

「米」は常用漢字表にあるものの、メートルの読みは常用漢字表にはなく、1952年(昭和27年)3月1日以降の計量法に則した取引・証明においては「米」の字を用いることはできない。

古くは「粁」(キロメートル)、「糎」(センチメートル)、「粍」(ミリメートル)にも漢字があてられ、準常用漢字として位置づけられていたが(#漢字表記も参照)、1942年(昭和17年)に国語審議会から発表された標準漢字表案の段階において準常用漢字から外され[18]第二次世界大戦後は使用機会も無くなった。
英語表記

国際規格ISO/IEC 80000 series Quantities and unitsの規定では、単位記号 m のみが国際的に定められており、単位名称は言語に依存するとしているが、本文には内規によりイギリス英語綴り(オクスフォード式綴り)が用いられ[19]、metre表記が採用されている。

国際度量衡局が発行する国際単位系 (SI) 文書の英語版は上記のISO/IEC 80000 series Quantities and units.の表記に準拠している[20](meter → metre 以外では、liter → litre、deca → deka がある)。産業技術総合研究所計量標準総合センター (NMIJ) によって翻訳されたSI文書日本語版[21]でも、ISO/IEC 80000に準ずる日本産業規格JIS Z 8000においても、metre表記が採用されている。このため全てのJIS規格において、metre 表記となっている。

国際規格の水平規格であるIEC 60050(国際電気技術用語集(英語版): IEV, electropedia)では各言語での表記を収録し、metreを英語での推奨用語として、meterを米国での同義語として収録している[22]

国際純正・応用化学連合 (IUPAC) のような国際的な学術団体では、表記が国際的に標準化されていないとして[23]、metre表記に加えてmeter表記を許容する例もある[24]

国際天文学連合は、単位にはmetreを使うとし、meterは計器を示す文脈に使うよう明記している[25]

次項のアメリカ合衆国とフィリピン(の一部)における綴り meter は、数少ない例外である。米国では 1977年以降は、公式にmeterと綴られている[26](後述のメートル#米国における表記の経緯を参照)。

なお、単位の名称ではない、パーキングメータ(ー)やマイクロメータ(ー)、スピードメータ(ー)のような計器の名称には、「meter」の表記が多く使われている。
米国・フィリピンでの表記

アメリカでも一時「metre」の綴りを使用していたが、1977年以降は公式に「meter」を用いるようになった[27]。1975年のメートル法転換法 (en:Metric Conversion Act of 1975) によってアメリカ商務省はアメリカ国内においてSIの解釈と変更の責任を与えられ、商務省はアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) に対しSIの解釈と変更の裁量権を与えた。2008年にNISTは、BIPMが発表した「Le Systeme international d'unites (SI)」第8版の英語翻訳書 (BIPM, 2006) に対してアメリカ版を発行した (Taylor and Thompson, 2008a)。この中でNISTは合衆国政府印刷局が定める公文書書式マニュアル[28]に沿い、BIPM版の「metre」を「meter」、「litre」(リットル)を「liter」、「deca」(デカ:10倍の意)を「deka」に置き換えた (Taylor and Thompson, 2008a, p. iii)。NIST所長は、公式にこの変更を表明し、これはアメリカ合衆国におけるSIの「法解釈」の結果であるとした[29][30]。ただし2017年版のNIST Handbook 44によれば、metre表記も許容されており、これは全米計量会議(英語版)によって支持されている[31]

フィリピンでも、その計量法の規定においては「metre」の表記である[32]。しかし、その他の法律や標準規格などでは「meter」としばしば表記されているのが実態である[33]
米国における表記の経緯

米国が1971年に、 International System of Units(国際単位系)のフランス語版(仏版が正式文書)を翻訳し、NBS Special Publication 330(現在のNIST SP330[8])として出版したときには、メートルは公式に、metreと綴り、リットルはlitreと綴られていた。これは、英国がグラムの綴りとして、-grammeではなく-gram を受け入れたこととの取引(「紳士協定」)と理解されていた。

しかしその後、米国内では、meter, literを主張する様々な運動が展開され、1975年には 商務省 (Department of Commerce) が政府機関に -er の綴りとするようにアドバイスし、1977年のNIST SP330の改定時に、ついにmeter、liter、そしてdeca →deka の綴りが採用されるに至った[34]
派生語の英語発音

-metre ( -meter) で終わる語のアクセントは、その直前にあるのが普通である。例えば speedometer(速度計)のアクセントは、speedo- の第2シラブルに強アクセントがある。しかし、kilometre, millimetre, nanometre などの倍量単位・分量単位の英語発音では、その接頭語 (kilo[35], milli, nano) の最初のシラブルに強アクセントがある。

なお、オーストラリア政府のメートル法転換局 (Metric Conversion Board) が1975年に、kilometreのアクセントは第1シラブルにあると公式に宣言したにもかかわらず、当時の首相のゴフ・ホイットラムが、第2シラブルにアクセントがあるべきと主張したことがある[注 4]
漢字表記1925年ラジオ番組表。『朝日年鑑 大正14年 ? 大正15年』より。メートルの当て字「米突」が見られる。

漢字では「米突」の字が宛てられており、ここから「米」一字だけでメートルの意味を表すようになった。日本では明治時代、中央気象台(現:気象庁)が「米」をとする以下のような倍量・分量単位の漢字を作り、1891年明治24年)から各気象台で気象観測の月報などに使用して、一般にも広まった。一部は中国でも取り入れられている。

マイクロメートル (µm) - .mw-parser-output .jisx0212font{font-family:"Hiragino Sans Pr6N","Toppan Bunkyu Gothic","Yu Gothic","ヒラギノ角ゴ Pr6N W3","A-OTF 新ゴ Pr6N R","源真ゴシック Regular","源ノ角ゴシック JP Normal","Source Han Sans JP Normal","Noto Sans CJK JP DemiLight","Noto Sans CJK JP DemiLight","小塚ゴシック Pr6N R","KozMinPr6N-Regular","メイリオ","Meiryo","Meiryo UI","游ゴシック","游ゴシック体","VL Pゴシック","MS Pゴシック","MS PGothic","小塚ゴシック Pr6N M","小塚ゴシック Pr6N","KozGoPr6N-Medium","A-OTF 新ゴ Pr6N","Arial Unicode MS",Code2000}?(一微[36])(元の国訓は「ミクロン」)

ミリメートル (mm) - 粍(一毛[36]

センチメートル (cm) - 糎(一厘[36]

デシメートル (dm) - 粉(元々「こな」の意味の文字だが、デシメートルの意味は日本で作られたもの(国訓)である。)(一分[36]

デカメートル (dam) - 籵

ヘクトメートル (hm) - 粨

キロメートル (km) - 粁

ミリアメートル (104 m) - ?(?米萬)

以上の様々な漢字表記は戦後まもなくまで使われたが、いずれも当用漢字[37]から外されたうえ、1951年昭和26年)に施行された計量法上その使用は禁止されている[38]

中国では、伝統的な単位のと関連付けて、中華人民共和国成立以前はメートルを「公尺」とも呼んだが、現在大陸では「米」と呼ぶのが普通となっており、台湾に「公尺」の呼び方が残っている。
歴史
起こり

長さの少数単位の提案は、記録された中では1668年イングランド哲学者ジョン・ウィルキンス(英語版)が著作『真性の文字と哲学的言語にむけての試論』提唱した普遍的測定単位 (universal measure) に見られる[39][40]


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