この項目では、謎の存在とされる黒衣の男について説明しています。同名の映画については「メン・イン・ブラック (映画)」をご覧ください。
メン・イン・ブラックのイメージ。普通は更に黒のソフト帽をかぶっているという
メン・イン・ブラック(Men in Black、MIB、黒衣の男、ブラックメン)は、UFOや宇宙人などの目撃者・研究者の前に現れ、警告や脅迫を与えたりさまざまな圧力や妨害を行う謎の組織とされ、実在するしないに関わらず、その存在自体が一種の都市伝説や陰謀論となっている。 多くの証言では、未確認飛行物体や宇宙人を目撃した後に、目撃者の家や職場に黒の背広に黒ネクタイ、黒の革靴を履き黒いソフト帽をかぶり黒フレーム・黒レンズのサングラスを着用した姿(つまり上から下まで黒ずくめ。白の部分はワイシャツのみ)の男達2人から3人が、GMビュイックやキャデラック、メルセデス・ベンツなどの大型の黒塗りセダンで乗りつける。 目撃者が目撃体験を他人に話したか否かに関係なく(つまりそれらを目撃したことを目撃者本人しか知らないのに)、彼らは「我々はこういう者です」と連邦政府機関の身分証(後述の通り偽造が疑われている)を見せた後、「未確認飛行物体や宇宙人の目撃を他言しないように。指示に逆らうとあなたは非常にまずい立場に置かれる」との警告を行ったり、目撃者の家の写真を撮影したり、家の近辺をうろつくと報告されている。 そうした彼らの「忠告」を無視した結果、次は「あなた、しまいには消されるぞ」と再警告を受けたり、目撃者の自動車が故意の当て逃げ事故に巻き込まれたという報告もある。 しかし、これらの事例について警察に通報したにもかかわらず、警察官が来なかったり、来たという記録そのものが故意に消されていたという報告も存在する。MIBの訪問を受けたUFO研究家が、示された身分証明書の氏名を元に、後でその機関に問い合わせてみると「当庁にそのような人物はいない」という回答が必ず返ってくる[1]。 彼らの顔つきはアジア人的であるという報告が多く、車やその他すべての衣類や持ち物が新品そのものであるという証言も多い。なお、これらの車にはナンバープレートがついていないケースや、ナンバープレートはついているものの、偽造されたものなのかそのナンバーは登録がないというケースも報告されている。また、彼らとともに、全くの無音で飛行する「黒いヘリコプター」が目撃されることもある[誰によって?] 。 MIBが出没する地域は、主にアメリカやカナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏である[1]。 メン・イン・ブラックが現れるという報告や噂の多くは、1950年代および1960年代に登場しており、その中でも最初のものはUFO・超常現象研究家のグレイ・バーカー(Gray Barker UFO雑誌を出版し、1952年には全国規模のUFO調査団体「IFSB」(International Flying Saucers Bureau、国際空飛ぶ円盤事務所)を立ち上げ率いていたアルバート・K・ベンダー(en:Albert K. Bender
概要
初出
「黒服の男たちに脅された」という主張を始めるよりも以前に、ベンダーは1947年にワシントン州で起きた「モーリー島事件」(Maury Island incident
)の取材を行い報告を雑誌に載せているが、この事件にもすでに「黒服の男」が登場している(当時、ベンダーはこの件について懐疑的だった)。モーリー島事件は、漁師のハロルド・ダールが息子とともにピュージェット湾に船を出していた際に複数の空飛ぶ円盤を目撃し、うち1機がトラブルを起こして部品を落とし、その破片がダールの船に当たって船の損傷と船に乗っていた飼い犬の死をもたらしたという事件だった。翌朝、黒い背広を着て黒い1947年型ビュイックに乗った男がダールの家を訪問してダールを近所のダイナーに食事に誘い、その席で事件について沈黙を守るよう警告したという。ここでは、後のメン・イン・ブラックの噂に出てくる典型である「浅黒い肌の、もしくはどこか外国人風の顔色の3人の男が、黒いサングラスに黒い背広を着て、黒いセダンに乗ってやってくる」がまだ完成していないが、その原型はすでに現れている[3]。