メロエ語
話される国クシュ王国 (スーダン)
地域メロエ
話者数?
言語系統未分類言語
(おそらく アフロ・アジア語族 または ナイル・サハラ語族)
表記体系メロエ文字
言語コード
ISO 639-3xmr
メロエ語(メロエご)は、およそ紀元前1000年から紀元前750年の間にヌビア(現在のスーダン)で成立したクシュ人の王国で話されていた言語。およそ紀元前800年頃の古代ヌビアの碑文は全て、ヒエログリフを用いてエジプト語で書かれているが、国家の成立から数世紀の間に、メロエ語による碑文も書かれるようになった。また、古代のヌビアの人名の研究により、おそらくこれらもメロエ語であったと考えられている。
もともとクシュ人の王国の中心地はナパタ(Napata)であったが、紀元前300年頃に、現在のハルツームの北のメロエ(Meroe)に中心地が移された。この頃、エジプトに対する文化的な依存度が低下したが、同じ頃に独自の文字、メロエ文字による表記法が発展し、メロエ語が公的な記録に使用されだしたことからも、そのことが窺える。 メロエ語は現在のところ充分に解明されていない。今までのところ、メロエ語を特定の語族と結びつけることはできず、推測することもかなり困難である。後にヌビアにおいて書記言語となった古ヌビア語と似ている点も見られない。メロエ語には古代エジプト語からの借用語がいくつかあるが、今までのところ短く、定型的な奉納文を翻訳する以上のことは不可能である。 様々な学者やアマチュア研究者達がメロエ語と他の言語との関連を見つけ出そうと試みている。例えば、1980年代には、近隣のベダウィ語
他の言語との関係
遅くとも紀元300年頃には、環境破壊による大異変、あるいはアクスム王国に対する軍事的敗北のいずれかによって、クシュの王国は滅亡し、メロエ語は死語となった。 メロエ語語意備考 メロエ語語意備考 カラノグ
メロエ語の単語の例
Amnアメン
atパン
ato水
kdi女
kdkeカンダケ(女王の名)
Medewiメロエ
mloよい
nete父
Npteナパタ
pelmos将軍、知事エジプト語からの借用
pesto知事エジプト語からの借用
Qesクシュ
qore王
tadache母
語意が明確に判明していない語彙
adb国、州
abr男
文例
翻訳おおイシス、おおイシスよ! これは Yidotbelile である。彼はアメンのBeloloke (称号) であった。彼に?mlol を与えたまえ!
脚注[脚注の使い方]^ Hammarstrom, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). ⇒“Meroitic”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. ⇒http://glottolog.org/resource/languoid/id/mero1237
^ Claude Rilly: Les inscriptions d'offrandes funeraires: une premiere cle vers la comprehension du meroitique, in: Revue d'Egyptologie 54, 2003: 167 - 175
参考文献
Derek A. Welsby: The Kingdom of Kush, British Museum Press, London 1996, S. 189-195, ISBN 071410986X
Gerhard Bohm: Die Sprache der Aithiopen im Lande Kusch in Beitrage zur Afrikanistik, Band 34, Wien 1988, ISBN 3-85043-047-2
Academie des inscriptions et belles-lettres (Hrsg.): Meroitic newsletter. Paris 1968 ff. ( ⇒[1]/ ⇒[2])
関連項目
メロエ文字
クシュ
IdRef