メレアグロス
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この項目では、ギリシア神話における「メレアグロス」について説明しています。他の用法については「メレアグロス (曖昧さ回避)」をご覧ください。
メレアグロス

メレアグロス(古希: Μελ?αγρο?, ラテン文字転記:Meleagros, ラテン語: Meleager)は、ギリシア神話に登場する英雄である。アルゴナウタイの1人で、カリュドーンの猪狩りの中心人物。ラテン語表記でメレアゲルとも。彼はアイトーリアカリュドーンオイネウスと王妃アルタイアーの子だが、実の父はアレースともいう。ヘーラクレースの妻となったデーイアネイラはメレアグロスの妹である。
神話
モイライの予言

メレアグロスが生まれて7日目に、アルタイアーの寝室に3人のモイライが現れた。クロートーはメレアグロスが高貴な人物となるであろう、ラケシスはメレアグロスが武勇に優れた英雄となるであろう、とそれぞれ予言し、アトロポスは薪を炉に投げ入れ、この薪が燃え尽きないうちはメレアグロスは生きているであろうと言った。アルタイアーは炉から薪を取り出して火を消し、誰にも見つからないように箱の中に隠した。

メレアグロスが成人すると、剛勇無双とうたわれるようになり、イアーソーン率いるアルゴナウタイにも参加した。とくに槍投げを得意とし、アルゴナウタイの冒険から帰還後、イオールコスペリアースの葬礼を記念した競技会では槍投げで優勝するほどであった。

メレアグロスは同じくアルゴナウタイの一人イーダースの娘クレオパトラーを妻とした。
カリュドーンの猪

あるとき、父のオイネウスがアルテミスへの生贄を忘れたことで、アルテミスはその罰として巨大な猪をカリュドーンに放った。猪はオイネウスの家畜や使用人を殺し、作物に大損害を与えた。オイネウスが猪狩りの仲間を募ると、ギリシア全土から続々と勇士たちが集まった。狩の参加者は次のような顔ぶれである。スパルタからカストールポリュデウケースの双子、メッセネからイーダースとリュンケウスアテーナイからテーセウス、ラリッサからペイリトオス、イオールコスからイアーソーン、ペライからアドメートスピュロスから若きネストール、プティアからペーレウスとエウリュティオーン、テーバイからイーピクレースアルゴスからアムピアラーオスサラミースからテラモーンマグネシアからカイネウスアルカディアからアンカイオスケーペウス、そして「紅一点」のアタランテー

アンカイオスとケーペウスは狩に女を加えることに異議を唱えた。しかし、メレアグロスはアタランテーに恋心を抱いていたので、彼女の参加を認めた。アルタイアーの兄弟たちは、甥のメレアグロスが妻を持つ身にもかかわらず、このような振る舞いをすることを不吉と見て、アタランテーを警戒した。

狩が始まると、一隊から距離を置いて進んでいたアタランテーを犯そうと、ケンタウロスのヒューライオスとロイコスが襲いかかったが、二人ともアタランテーに射殺された。猪はネストールを襲い、ネストールは木の上に逃れた。そこをイアーソーンとイーピクレースが狙って槍を投げたが、イーピクレースの槍が猪の肩をかすめただけだった。テラモーンとペーレウスが進み出たが、テラモーンは木の根につまずいてしまい、ペーレウスがテラモーンを抱き起こそうとするところに猪が突進してきた。アタランテーが矢を放つと、矢は猪の耳のうしろに刺さった。猪は一旦逃げたものの、まもなく再び突進してきた。アンカイオスがその前に立ちはだかって斧を振り下ろしたが間に合わず、猪に腹を突かれて死んだ。動転したペーレウスが槍を投げつけたところ、手元が狂ってエウリュティオーンを殺してしまった。そのときアムピアラーオスの矢が猪の眼を射抜き、テーセウスとメレアグロスが槍を投げた。テーセウスの槍は外れたが、メレアグロスの槍は猪の脇腹を貫き、痛手と刺さった槍のために猪がぐるぐる回るところをメレアグロスが手槍でとどめを刺し、ようやく猪は退治された。
メレアグロスの最期

メレアグロスは殺した猪の皮をはぎ、一番の手柄はアタランテーであるとして皮をアタランテーに与えた。これに対して、メレアグロスの叔父プレークシッポスは、とどめを刺したメレアグロスが手柄をだれかに譲るのなら、名誉の皮はオイネウスの義弟である自分のものだと主張し、やはり叔父のトクセウスは、はじめに猪の血を流したのはアタランテーではなくイーピクレースだったとして、同調した。この争いの結果、ついにメレアグロスは二人を殺してしまった。アルタイアーには他にも兄弟がいて、メレアグロスと戦いとなった。

息子が自分の兄弟たちを殺したと知ったアルタイアーは、メレアグロスを呪い、しまってあった薪を燃えさかる炉に投げ入れた。このときメレアグロスは、戦いの最中であったが、たちまち焼け付くような痛みを感じた。メレアグロスは痛みに耐えながら戦ったが、薪が燃え尽きたとき、ついに敵に殺された。

アルタイアーとクレオパトラーは首を吊って自死し、メレアグロスの姉妹たち(メレアグリデス)は声を上げて嘆き悲しんだ。アルテミスはメレアグロスの姉妹たちをほろほろ鳥の姿に変えた。このとき、ディオニューソスはアルテミスに対し、デーイアネイラが自分とアルタイアーの子であると告げ、彼女と仲のよいゴルゲーの二人だけは鳥にされなかったという。
系図

      アイオロス 

            

  アエトリオス カリュケー 
  
            

    エンデュミオーン   

                         
                
    アイトーロス パイオーン   アミュターオーン エペイオス

                         
       
    プレウローン   カリュドーン アイオリアー ヒュルミーネー ポルバース
    
                                        
                        
    アゲーノール エピカステー       プロートゲネイア アレース      アクトール
    
                                            
                        
  ポルターオーン      アポローン デーモニーケー アレース オクシュロス     エウリュトスモリオネ) クテアトスモリオネ
  
                                               
                          


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