この項目では、ギリシア神話の女神について説明しています。小惑星については「メルポメネ (小惑星)」をご覧ください。
『ヘーシオドスとミューズ』1891年 - 油絵、オルセー美術館(パリ): ギュスターヴ・モロー
メルポメネー(古希: Μελπομ?νη, Melpomen?)は、ギリシア神話に登場する文芸の女神ムーサたち(ムーサイ)の1柱である。その名は「女性歌手」の意。長母音を省略してメルポメネとも表記される。
すべてのムーサたちと同じく大神ゼウスとムネーモシュネーの娘で、カリオペー、クレイオー、エウテルペー、エラトー、テルプシコレー、ウーラニアー、タレイア、ポリュムニアーと姉妹[1][2][3]。絵画などでは有翼の女性として表される事もある。
9柱のムーサたちのうち、「悲劇」「挽歌」を司る。楽器リラの女神でもあり、絵画等に描かれる際の持ち物は、仮面・葡萄の冠・靴等であるが、この様にムーサたちが細分化されたのはローマ時代のかなり後期になってからである。
河神アケローオスとの間にセイレーンたちをもうけた[4]。ただしこれはカリオペーやテルプシコラーとする説もある。また音楽家タミュリスもメルポメネーの子といわれる[5]。
ギャラリー
エリザベッタ・シラーニ『メルポメネー、悲劇を司るムーサ』(17世紀) 個人所蔵
ジュゼッペ・ファニャーニ