メルセデス・ベンツ・Bクラス
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メルセデス・ベンツ・Bクラス(Mercedes-Benz B-Class )は、ドイツ自動車メーカーであるメルセデス・ベンツ・グループメルセデス・ベンツブランドで展開しているトールワゴン、およびセミトールワゴン型の乗用車である。Cセグメントに属する。
概要

ミニバンコンパクトカーの中間的なデザインを持つ小型乗用車であり、サイズ上は欧州Cセグメントに属する。Aクラス(W169)とはプラットフォームを共有する姉妹車であり、ホイールベースはAクラスよりも拡大されている。Aクラスと同様、前輪駆動である。

メルセデス・ベンツでは「コンパクトスポーツツアラー」と称する。「スポーツツアラー」の上位にはRクラスがあり、デザイン上にも共通点が見られる。価格や利用用途などを考慮した場合、Bクラスにより近い上位車種は、Cクラスのステーションワゴンだと考えることもできる。

Aクラスとは異なり、主にアメリカ市場での販売を念頭に開発されたとも言われるが、2006年、アメリカでの発売は断念することが発表された。ユーロ高の為替相場のため、競争力のある価格設定ができないことと、小型で安価なモデルを展開することでブランドイメージを損ねるリスクを考えたことが、その理由として説明されている。

日本におけるメルセデス・ベンツのモデル別販売台数では、1位:Eクラス 9,639台、2位:Sクラス 8,078台、3位:Cクラス 8,042台に次ぐ4位の 7,189台となっている。(2006年、日本自動車輸入組合) 

Bクラスの特徴である二重構造フロアを活かしたBクラスベースの燃料電池車「F-Cell」も開発されており、Aクラスベースの燃料電池車「F-Cell」に比べて出力が向上し、モーター出力は136PS(100kW)以上である。

なおBクラスはメルセデス・ベンツが電気自動車上級車に注力するため、Aクラスとともに2025年に廃止されることとなった[1]
初代(2005年 - 2012年)T245 / W245

メルセデス・ベンツ・Bクラス(初代)
T245 / W245
B180 日本仕様車
B180 欧州仕様車
概要
販売期間2005年 - 2012年
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ5ドアトールワゴン
駆動方式FF
車両寸法
ホイールベース2,780mm
全長4,270mm
全幅1,780mm
全高1,595 - 1,605mm
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2005年3月、ジュネーブショーで発表。ヨーロッパでは同年春、カナダでは同年秋に発売された。日本では、2006年1月に「B200 ターボ」「B200」「B170」の販売が始まった。

エンジンやサスペンションはAクラスと共用であり、日本仕様では1.7Lまたは2.0L [注釈 1]直4エンジンが7速マニュアルモード付きCVTと組み合わされる。エアバッグESP、アクティブヘッドレストなどの安全装備を標準装備しているほか、「B200 ターボ」には専用のスポーツサスペンションが装備されている。

2008年8月20日、Aクラスと同時に一部改良が行なわれた。急ブレーキ時にブレーキライトを点滅させ後続車に知らせる「アダプティブブレーキライト」が採用され、ディーラーオプションとしてHDDナビゲーションシステムが設定された。Aクラスとは違い、内装を充実させたエレガンス仕様は設定されていない(装備内容はエレガンス相当)。その後2009年8月24日にB200ターボが廃止となり、B170の名称がB180に変更された。2009年8月当時の価格帯は299?370万円で、これは同排気量の日本車と比較して1.5倍程度の価格である。なお日本仕様車は全車右ハンドルのみの設定である。

欧州には2.0L ディーゼルエンジン搭載の「B200 CDI」「B180 CDI」、1.5L ガソリンエンジンを積む「B150」もラインナップされている。駆動方式がFFであることもあり、居住空間は上級のEクラス並みとなっている。リアシートは可倒式である。

日本仕様のグレード一覧
グレード販売期間排気量エンジン最高出力・最大トルク変速機駆動方式価格
B200 ターボ2006年1月 - 2009年7月2,034cc直列4気筒SOHCターボ193PS/28.6kgmCVTFF3,937,500円 -
B1702006年1月 - 2009年7月1,698cc直列4気筒SOHC116PS/15.8kgm2,992,500円 -
B1802009年8月 - 2012年4月2,990,000円 -
B2002006年1月 - 2012年4月2,034cc136PS/18.9kgm3,640,000円 -

2代目(2011年 - 2019年)W246

メルセデス・ベンツ・Bクラス(2代目)
W246
B250 4MATIC Sports(後期型)
B180(後期型)
B180スポーツエディションレッド(後期型)
概要
販売期間2011年11月 - 2019年6月
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ5ドアセミトールワゴン
駆動方式FF 4WD
パワートレイン
変速機7速DCT(7G-DCT)
6速MT
サスペンション
前ストラット
後4リンク
車両寸法
ホイールベース2,700mm
全長4,365mm
全幅1,785mm
全高1,540mm[2]
車両重量1,450kg
テンプレートを表示

2011年8月25日発表。ヨーロッパではフランクフルトモーターショーで発表され、同年11月に発売された[3]

デザインは先代を踏襲しながらもCD値0.26を確保。従来のサンドイッチ構造をやめ、新開発のMFAプラットフォームを採用したことで、乗降のしやすさや室内空間の拡大に寄与している。ただし電気自動車仕様および燃料電池自動車仕様にはフロアパネル下部に専用スペースを設けることで対応するとしている。

安全装備としてレーダーで警告してブレーキをアシストするCPA(コリジョンプリベンションアシスト)、運転者の支援システムとしてアテンションアシストを標準装備。

トランスミッションは6速MTの他に、自社開発の湿式多板クラッチ方式の7速デュアルクラッチトランスミッション(7G-DCT)を設定。7G-DCTはコラムカバー右側のレバーとステアリングのパドルシフトで操作を行う。駐車ブレーキはインストルメントパネル下部のスイッチによる電気式を採用。ECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)を搭載。

日本仕様車は2012年4月25日に正式発表され、同日より販売を開始した。

日本仕様は全車スポーツサスペンションの搭載により、全高が1,540mmとなり、機械式駐車場への入庫が可能となった。なお最低地上高は105mmとなり、全高は機械式駐車場の規定をクリアしていても、古い機械では最低地上高が低すぎるとして入庫できない場合も多い。

パワートレインは全車1.6L直噴ターボガソリンエンジン+7速DCTとなっており、10・15モード燃費においては先代に比べて約19%の燃費向上を実現(10・15モード換算値による比較)。JC08モードにおいても16.0km/Lを実現しており、「平成27年度燃費基準+10%」を達成。さらに「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」も取得した。

グレード体系は「B 180 BlueEFFICIENCY」と「B 180 BlueEFFICIENCY Sports」の2グレードが用意され、「B 180 BlueEFFICIENCY Sports」には専用エクステリア、18インチ5ツインスポークアルミホイール、プライバシーガラス(後席左右、ラゲッジルーム)、運転席メモリー付フルパワーシート、ブラックアッシュウッドインテリアトリム、助手席側リバースポジション機能付ドアミラーを追加装備した「Night Package」が設定される。


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