メルセデス・ベンツ・Aクラス
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メルセデス・ベンツ・Aクラス(Mercedes-Benz A-Class )は、ドイツ自動車メーカーであるメルセデス・ベンツ・グループメルセデス・ベンツブランドで展開しているハッチバック型(2代目まではトールワゴン扱い)とセダン型の高級乗用車である。初代と2代目はBセグメント、3代目と4代目はCセグメントに属する。4代目からセダンが追加された。
概要

ボディサイズは2代目までがBセグメント、3代目からはCセグメントに属し、メルセデス・ベンツのエントリーモデルに位置づけられるハッチバック型のコンパクトカーである。同じプラットフォームを使用した派生車種として、Bクラスバネオがある(バネオは初代Aクラスがベース)。

Aクラスのボディはもともと蓄電池燃料電池動力源とした電気自動車用として設計開発された経緯がある。そのため、それらを搭載するため、フロアが「サンドイッチコンセプト」と称する二階建て構造となっているのが特徴である。しかし、実際には燃料電池開発の遅れ、車載高圧タンクの容量問題、インフラ整備の遅れなど、主に水素がらみの問題が解決されず、結局ディーゼルエンジンおよびガソリンエンジンを搭載したメルセデス・ベンツ初のFF乗用車[注釈 1]としての販売がメインとなった。だが、二階建て構造はそのまま残された。これについてメルセデス・ベンツは、前面衝突の場合にエンジンマウントが破壊され、エンジンやトランスミッションが床下(本来の電池室)に潜り込むことで、短い車体ながら生存空間を捻出し、高い衝突安全性を持つとしている[注釈 2][注釈 3]

FFを採用したことで最小回転半径が5.2 - 5.6 mとなっている。これは数値上ではCクラスよりも大きい。

メルセデス・ベンツが販売する車種の中で最もサイズが小さく、安価に設定されている。競争力のある価格設定が困難なため、販売されていない市場もあり、初代モデルはアメリカ合衆国では販売されなかった。それまで最も安価な車種であったCクラスの約2/3の価格でAクラスが発売されたため、メルセデスのブランディングに非常に大きな反響があった。これは日本でメルセデスのブランディングが確立した1990年代までの「Das Beste oder nichts.(最善か、無か)」の時代と比較して、半額程度で新車が購入できることを意味している。

日本におけるメルセデス・ベンツのモデル別販売台数では、

1位:Cクラス 16,615台

2位:Eクラス 13,209台

3位:CLA 7,430台

に次ぐ4位の5,396台となっている(2017年日本自動車輸入組合)。

また、Aクラスベースの燃料電池車「F-Cell」は日本、米国、ドイツなどで計60台が納入され、排気ガスを出さないクリーンな自動車として活躍している。

しかし、Aクラスはメルセデス・ベンツが電気自動車上級車に力を入れるために、Bクラスとともに2025年に廃止されることとなった[1]
初代 W168型(1997年 - 2005年)

メルセデス・ベンツ・Aクラス(初代)
W168型
A180(欧州仕様)

燃料電池車 F-Cell
概要
販売期間1997年 - 2004年(ドイツ)
1998年 - 2005年(日本)
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ5ドアトールワゴン
駆動方式FF
パワートレイン
エンジンガソリン 直4 1.4L/1.6L/2.1L
ディーゼル 直4 1.7L
変速機5速AT
車両寸法
全長3,615 - 3,785 mm
全幅1,720 mm
全高1,600 mm
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初代は1997年に登場したが、その構造から、フットプリント(ホイールベース×トレッド)に対し、静的重心がやや高くなる結果となり、メディアが行なったエルクテスト[注釈 4]では転倒するおそれがあることが発覚した。そのため販売開始早々リコールされ、対策としてサスペンション・セッティングとタイヤサイズの見直し、そして、ASRを標準装備とし、ブレーキ4輪個別制御で速度と姿勢を抑える方法を採った。

フロントフェンダーやリアハッチの材質にプラスチックを使用したり、サンルーフとして独自の構造をもったラメラールーフを開発するなど、細かい部分においても新しい試みが行なわれている。

変速機は5速ATのみとなる。小型化を実現するため、ATとしては一般的なプラネタリーギアではなく、ホンダマチックに見られる平行軸歯車式を採用している。

後部収納は大型のスーツケース2個を収納可能。後席は3:2の分割式(A210Lは5:5)で、必要に応じて前方に倒したり取り外しができ、多彩なレイアウトが可能である。シートを外した場合はワゴン車並のスペースをカーゴルームとして利用できる(ただし外したシートは車内に格納できない)。また初期型については助手席まで脱着が可能となっていた。

内装は2001年のマイナーチェンジにて、ダッシュボードにSクラスの表皮仕上げを導入し質感を向上させた。
日本での販売

1998年に新開発の1.6リットル直列4気筒エンジン搭載「A160」の販売が始まった。その後、1999年に1.9リットルエンジンを積む「A190 アバンギャルド」、2001年に「A160」の装備を充実させた「A160 エレガンス」、ロングホイールベース仕様の「A160 エレガンス ロング」が追加された。

いずれも右ハンドル仕様のみ、価格は236万?278万円。

グレード一覧グレード販売期間排気量エンジン最高出力・最大トルク変速機駆動方式
A190 アバンギャルド1999年10月 - 2005年2月1,897cc直列4気筒SOHC125PS/18.4kg・m5速ATFF
A160 エレガンス
A160 エレガンス ロング(A160L)2001年8月 - 2005年2月1,598cc102PS/15.3kg・m
A1601998年9月 - 2005年2月
A210L エボリューション(後席も独立シートで定員4名/期間限定)2,084cc140PS/20.9kg・m
A160 ピカデリー ロング リミテッド(期間限定)

2代目 W169型(2004年 - 2013年)

メルセデス・ベンツ・Aクラス(2代目)
W169型
A200 エレガンス フロント(前期型)
A150 クラシック リア(前期型)
A180 エレガンス インテリア(前期型)
概要
販売期間2004年 - 2012年(ドイツ)
2005年 - 2013年(日本)


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