メヒルギ
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メヒルギ
メヒルギ(沖縄県名護市・8月)
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:バラ類 Rosids
:キントラノオ目 Malpighiales
:ヒルギ科 Rhizophoraceae
:メヒルギ属 Kandelia
:メヒルギ K. obovata

学名
Kandelia obovata Sheue, H.Y. Liu et W.H.Yong (2003)[1]
シノニム


Kandelia candel auct. non (L.) Druce (1914)[2]

和名
メヒルギ

メヒルギ(雌蛭木、雌漂木、学名:Kandelia obovata)はヒルギ科メヒルギ属の常緑木本。潮間帯に生育するマングローブ樹種のひとつ。別名リュウキュウコウガイ(琉球笄)[1]。かつて、日本に産する本種にはKandelia candel (L.) Druceがあてられていた(#分類を参照)。和名の由来は、オヒルギ(雄ヒルギ)に対するメヒルギ(雌ヒルギ)の意味で、本種の胎生種子が親植物上で発芽した幼根の太さが、オヒルギよりも細く女性的であることに由来する[3]
分類

もともと、日本に産する種メヒルギにはオセアニアから南アジアに広く分布するKandelia candelがあてられていた。しかしながら、2003年に、SheueらによりK. candelは南シナ海を境に北の集団と南の集団の2種に分かれることが発表された[4]。現在では、K. candelは南シナ海以南に分布する種をさし、日本を含む東シナ海以北に分布する種メヒルギに対しては新たにK. obovataが与えられている。これによりメヒルギ属は一属二種となっている。
形態・生態

常緑広葉樹の小高木[3]。樹高は成木で高さ15メートル (m) 程度となるが、生育条件で大きく異なり、日本では最大でも7 - 8 m程度である。幹は直立し、樹皮は濃赤褐色でささくれタンニンを多く含み染料として用いられる。

気根の発生は少ないが、蛸足状の根が特徴的で[5]、幹の下部より支柱根を出す[3]。成木は幹の周囲に呼吸根として板根を持ち、干潟の泥地に安定して株立ちする。葉は5センチメートル (cm) ほどの長楕円形で対生し、革質、光沢がある。葉の先端は鈍いかまたは円い。花:裂けた花弁が見える

花期は初夏から夏にかけて(6 - 8月)[3]。腋性の集散花序で、細長い5枚のと、長さ1 cm程度の糸状の5枚の花弁を持つ白色の花を10個程度つける。萼は後ろに反り返る。花弁は2裂し、裂片の先端はさらに細く裂ける。

花期の後、萼を中心に直径数cmの卵形の果実となる。果実は卵形で、基部に(宿存萼)が残る[3][5]。種子は果実の内部で発芽、発根し、果実の先端から太い根が伸び出す[5]。この根は長さ10 - 15 cm程度の細長い緑色となり、やがて果実から根とその先端の芽が抜け落ちる形で脱落して地上に落下させる[5]。このように果実内で成長してしまうので胎生種子(胎生芽)と呼ばれる[5]。胎生種子の形状細長く、先端に向かってやや太くなり、その先で急に細くなるのが笄(こうがい、かんざし)に似ていることからリュウキュウコウガイの別名がある。胎生種子は樹上で発根し、親株の近くの潮の干満のある軟らかい泥地に刺さって根付くことが多いが[5]、他のマングローブ植物と同様に海水に流され、海流散布によって分布を広げる。染色体数は2n=36。

メヒルギの葉と未熟な胎生種子

根付いた胎生種子

分布と生育環境

東シナ海以北の中国南部から台湾日本インドまでアジア南東部に分布する[3][6]。日本国内では、沖縄県および鹿児島県薩摩半島以南に自然分布し[3]静岡県の一部に植樹された群落が分布する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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