メニエール病
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メニエール病
概要
診療科耳鼻咽喉科学
分類および外部参照情報
ICD-10H81.0
ICD-9-CM386.0
OMIM156000
DiseasesDB8003
MedlinePlus000702
eMedicineemerg/308
MeSHD008575
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メニエール病(メニエールびょう、英語: Meniere's disease)は、激しい回転性のめまい難聴耳鳴り・耳閉感の4症状が同時に重なる症状を繰り返す内耳の疾患である[1][2]

疾病名はフランス医師プロスペル・メニエール(英語版)が1861年に初めてめまいの原因の一つに内耳性のものがあることを報告したことに由来している。低音の聞こえだけが悪くなり、強い回転性めまいがないものについては「蝸牛型メニエール病」を参照
疫学[ソースを編集]

日本の厚生省特定疾患研究班調査によると、メニエール病は日本では女性に多く、発症年齢は30歳代後半から40歳代前半にピークを持つ山型である。厳密な診断基準に沿った有病率は主な個別調査では人口10万人当たり15 - 18人程度である[2]。渡辺(2012)の推定では、2010年代前半には人口10万人当たり30 - 50人程度まで増加し、日本には4万人 - 6万人程度の患者がいる[3]。ただし、成書では人口10万人当たり16人、男女比はほぼ1、好発年齢を30?40代とするもの[4] や、40?50歳に多く女性にやや多いとするもの[5] もある。根拠不明のインターネットサイトには男性に多いとするものまである。めまい患者の内、メニエール病患者は5%?10%程度である[5] が、ただし、医師によっては原因のよくわからない(必ずしもメニエール病ではない)めまい患者に安易にメニエール症候群やメニエール病の診断名を与えるものがいることに留意されたい。詳細は「#メニエール症候群」を参照
症状[ソースを編集]
発作時主症状[ソースを編集]

めまい(突発的で立つこともできないほどの激しい回転性で、かつ数十分以上続く)

難聴(特に低音域が障害される)

耳鳴り

耳閉感

以上の4症状が同時に起き、症状が一旦治まってもその一連の症状を数日から数ヶ月の間隔で繰り返す[注 1][注 2][1]
発作時付随症状[ソースを編集]

吐き気嘔吐、冷や汗、顔面が蒼白くなる、動悸、異常な寒気・暑さなどの温感異常、聴覚補充現象(聴覚のリクルートメント現象)などの症状が起きることがある[注 3][2]

典型的なメニエール病の発作では「視界がはっきりぐるぐる回る強い回転性めまい」と「聞こえ」の主症状に加え強い吐き気・嘔吐を伴う。目がぐるぐる回るために立つこともできず就床するのみで、頭を動かすと症状がさらに強くなるために自発的には頭を動かすことが困難になる。当然、歩くこともできず、トイレにも這って行くほどであるが便座にまともに座ることもできないため排尿も困難なほどである[8]。めまい発作は数十分から数時間、時には半日以上続く。(数十秒程度のめまいはメニエールのものではない)回転性のめまいが治まった後も浮動性めまいや聞こえの症状がさらに続くこともある[8]

内耳疾患であり脳には異常はないため、目はぐるぐる回り外から見てもあきらかな眼振が見られるが、患者の意識ははっきりしているのが特徴である。めまい発作中は吐き気が続き、顔面が蒼白になり、気温が異常に暑く感じたり寒く感じたりする[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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