メトロン星人
ウルトラシリーズのキャラクター
初登場『ウルトラセブン』第8話
作者成田亨(デザイン)
声中江真司(初代ほか)
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メトロン星人(メトロンせいじん)は、特撮テレビドラマ『ウルトラセブン』をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する架空の宇宙人。別名は幻覚宇宙人。
名前の由来は地下鉄のメトロ (metro) から。地下に潜伏するような侵略作戦ゆえの命名である[1]。
巨大な頭部は胴体と一体化しており、顔から腹にかけてが赤く、手足の先は青。背中は黄色で背筋に沿って白い円形の器官が並んでいる。そのデザインの明確なモチーフは明らかになっていないが[注釈 1]、書籍などでは目がフジツボ、背中がタコの吸盤など海棲生物と推測されている[3][4][注釈 2]。 諸元メトロン星人 『ウルトラセブン』第8話「狙われた街」に登場。 宇宙の彼方にある紅い星メトロン星から地球に侵入した宇宙人。狡猾な戦略で知られ、地球侵入以前にもいくつかの星を侵略している。地球上では北川町のとある安アパートにカモフラージュした基地を拠点として黒スーツの人間男性に変身し、北川町駅前の自動販売機に後述のたばこを補充するなど、暗躍していた。アパートに乗り込んできたダン=ウルトラセブンとは本来の姿で対面して朗らかな口調で語りかけ、ちゃぶ台を挟んであぐらをかくという人間社会にすっかり馴染んだ姿を披露する。 人類の約半数が吸っているというたばこの中に地球人の感情や理性を奪って発狂させて周囲の者がすべて敵に見える作用を持つ赤い結晶体[注釈 3]を混入し、これを吸引した地球人同士が信頼感を崩壊して殺し合うことで、最終的には地球人類が自滅するのを待って地球を乗っ取ろうとたくらむが、アパートに偽装した基地に乗り込んできたダンとの会話を経て追ってきた彼と基地内に格納されていたメトロン円盤に乗り込んで飛び立つもウルトラホーク1号に撃墜され、巨大化する。夕陽に照らされる北川町の工業地帯を舞台に展開されるセブンとの戦闘では、四肢を大きく振り上げる独特の走り方で交戦するもすぐに逃亡を図って飛び去るが、最後はアイスラッガーによって空中で縦真っ二つにされたところにエメリウム光線を受け、爆発する。
『ウルトラセブン』に登場するメトロン星人
ALIEN METRON[出典 1]
別名幻覚宇宙人
身長2 - 50 m[出典 2]
体重120 kg - 1万8千 t[出典 2]
出身地メトロン星[出典 3]
声の出演:中江真司
スーツアクター:荒垣輝雄[出典 4]
スーツ素材にはシート状のフォームラバー(シートフォーム)を用いている[3]。スーツは制作が間に合わなかったことから未塗装の状態で納品され、池谷仙克が現場で余った塗料で塗装したため、派手な色となっている[20][4]。また、実相寺昭雄が監督を担当した本話は、たばこによって発狂させられる登場人物やそれに翻弄される周囲の描写、会話中の登場人物の表情が判別できなくなるほどの影を多用した演出が尺の大半を占めており、メトロン星人の本来の姿が終盤にしか登場しないことも、スーツの制作の遅延をカバーする形となっている。なお、前述の通りあぐらをかくシーンがあるため、実相寺はデザイン担当の成田亨に「座りやすくしてくれ」と注文を付けていた[21]。
探検隊が宇宙ケシを持ち帰った星として言及されたワイ星は、未発表脚本の「認識票No.3」に登場する星である。