メトロポリス_(1927年の映画)
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メトロポリス
Metropolis

監督フリッツ・ラング
脚本テア・フォン・ハルボウ
フリッツ・ラング
製作エリッヒ・ポマー(ドイツ語版)
出演者ブリギッテ・ヘルム
アルフレート・アーベル
グスタフ・フレーリッヒ
音楽ゴットフリート・フッペルツ(ドイツ語版)
撮影カール・フロイント
ギュンター・リッタウ(ドイツ語版)
編集レイ・ラヴジョイ(復刻版)
製作会社UFA
配給 UFA
パラマウント映画
松竹座=東和商事
公開 1927年1月10日
1927年3月6日
1929年4月3日
上映時間 210分(プレミア公開時)
114分(初公開時)
104分(初公開時)
82分(ジョルジオ・モロダー版)
123分(2002年版)
150分(2010年版)
製作国 ドイツ国
言語無声ドイツ語字幕
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『メトロポリス』(Metropolis)は、フリッツ・ラング監督によって1926年製作、1927年に公開されたモノクロサイレント映画で、ヴァイマル共和政時代に製作されたドイツ映画である。

製作時から100年後のディストピア未来都市を描いたこの映画は、以降多数のSF作品に多大な影響を与え、世界初のSF映画とされる『月世界旅行』が示した「映画におけるサイエンス・フィクション」の可能性を飛躍的に向上させたSF映画黎明期の傑作とされている。フォレスト・J・アッカーマンは本作をSF映画に必要な要素が全てちりばめられており「SF映画の原点にして頂点」と評価している。また、前年の1925年に製作された『戦艦ポチョムキン』と並んで、当時の資本主義共産主義の対立を描いた作品でもある。
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2021年12月)(使い方

この節の加筆が望まれています。
主に: 150分版のあらすじ (2021年12月)

※注意:2002年にマルティン・ケルパーが復元した版では、1927年上映されたベルリンでのガラ・プレミア版に比べると約4分の1の部分が欠落している。以下のあらすじは現在観ることができる『メトロポリス』についての記述である。

2026年ゴシック調摩天楼がそびえ立ちメトロポリスと呼ばれる未来都市では、高度な文明によって平和と繁栄がもたらされているように見えたが、その実態は摩天楼の上層階に住む限られた知識指導者階級と、地下で過酷な労働に耐える労働者階級に二極分化した徹底的な階級社会だった。

ある日、支配的権力者の息子・フレーダーは労働者階級の娘マリアと出逢い、初めて抑圧された地下社会の実態を知る。

「脳と手の媒介者は、心でなくてはならない」

マリアが階級社会の矛盾を説き、「」(知識指導者階級)と「」(労働者階級)の調停者「」の出現を予言すると、労働者達にストライキの気運が生じる。マリアはフレーダーがまさに調停者になる存在であると見抜き、フレーダーもまた美しいマリアに心を奪われる。

この様子をこっそり見ていたフレーダーの父であり支配的権力者のフレーダーセンは危機感を抱き、旧知の学者のロトワングに命令してマリアを誘拐させ、マリアに似せたアンドロイド(Maschinenmensch)を作り出させる。このアンドロイドをマリアとして地下社会へ送り込み、マリアが作りだした労働者の団結を崩す考えである。

しかし、かつてフレーダーセンと恋敵であったロトワングが影で意図したのは、フレーダーセンが支配するメトロポリスそのものの壊滅であった。ロトワングの意を受けたアンドロイド・マリアは男達の羨望の的となり、乱痴気騒ぎをさせる一方で階級闘争を過激に扇動するようになる。フレーダーは豹変したマリアが別人であることを見抜くが、興奮した労働者に追いたてられる。

アンドロイド・マリアに扇動され、暴徒となって地上の工場へ押し寄せた労働者達は、メトロポリスの心臓ともいうべきHertz-Maschine(ヘルツ・マシーネ、英:Heart-Machine)を破壊し、地下の居住地区を水没させてしまう。しかし地下にはまだ労働者の子供たちが大勢残されていたのだ。扇動による行為が自分達の首をも絞めていると気付いた労働者達は、自分達を扇動したマリアを糾弾し火あぶりにする。炎の中でマリアはアンドロイドに戻り、労働者達は自分達を扇動していたものの正体を知る。

一方、ロトワングから逃げ出した本物のマリアと地下で再会したフレーダーは、残されていた子供達を水没寸前で地上へと避難させ、時計台の上でロトワングとの決着をつける。そしてすべてが終わった後、調停者として父と労働者達との仲介を図るのだった。
出演

ブリギッテ・ヘルム[1](Brigitte Helm):マリア(Maria)

アルフレート・アーベル(Alfred Abel):支配的権力者フレーダーセン(Johhan Fredersen)

グスタフ・フレーリッヒ(Gustav Frohlich):フレーダー(Freder Fredersen)

ルドルフ・クライン=ロッゲ(Rudolf Klein=Rogge):発明家ロトワング(Rotwang the Inventor)

スタッフ

監督:
フリッツ・ラング(Fritz Lang)

原作・脚本:テア・フォン・ハルボウ(Thea von Harbou)

撮影:カール・フロイント(Karl Freund)、ギュンター・リッタウ(ドイツ語版)(Gunther Rittau)

特殊撮影:オイゲン・シュフタン(Eugen Schufftan)

美術:オットー・フンテ(ドイツ語版)(Otto Hunte)、エリッヒ・ケテルフート(ドイツ語版)(Erich Kettelhut)、カール・フォルブレヒト(ドイツ語版)(Karl Vollbrecht)

製作フリッツ・ラングとテア・フォン・ハルボウ

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1924年のクリスマス間近、ラングは初めて見たアメリカの巨大都市ニューヨークの圧倒的な印象に影響を受け帰国し、なんとか映画化したいと相談すると、妻のテア・フォン・ハルボウも熱狂しシナリオを完成させた。ただし、完成したシナリオはラングの構想した物とは若干異なる物だったが(ラングは労働者の勝利による結末を考えていた)、興行的な面などを考え受け入れたという。後年のラングの回想によると、楽観的な結末になったのは当時台頭し始めたナチス・ドイツに妻が傾倒していた影響があったと語っている。ちなみにこの思想的な食い違いにより、後に二人は離婚、さらにラングはアメリカに亡命することとなる。
撮影

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ラングについて書かれた伝記によれば、『メトロポリス』の撮影は1925年5月22日に始まり、1926年10月30日に終了。公開当初は2部に分け3時間半ずつ上映されたと記されている。

バベルの塔のシーンでは当初6,000人のエキストラを雇おうとしたが、予算の問題で1,500人に変更された。ラングは150人の理容師を雇い全員の頭を剃り、カメラの前を何回も行進させ、特殊撮影により数千人も動いているように見せることに成功した(この作品の特撮を担当した開発者にちなんで「シュフタン・システム」と呼ばれる)。

劇中の高層ビルが林立するメトロポリスや、上流子弟の遊技場はミニチュアセットを鏡に映し撮影した物である。遊技場の大きさはわずか30センチメートルしか無かった。

主演俳優の他に端役は750人、エキストラの男性は25,000人、女性11,000人、子供750人、黒人100人、中国人25人、支払った報酬は当時の金額で160万マルクである。また、衣装代が200万マルク、靴3500足、カツラ75個、特注の自動車50台、映画のために使ったフィルムは62万メートルで、ポジ・フィルムは130万メートル使ったとされる。費用の総額は最低500万マルクから最高1300万マルクと文献により異なる。
美術

このアンドロイドの機械形態の色は本編はモノクロなので光沢がある明るい色という程度しか判らず、イラストやレプリカなどでは全身金色のプレートアーマー状に描かれることが多いが、小説版では外見について「銀色の骨格にクリスタルガラスのような外皮がかぶさっている」という趣旨の記述がある[2]。なお、このアンドロイドの名前を「マリア」(アンドロイド・マリア)とするものが時々見られるが、あくまでも「マリアに似せたアンドロイド」で、本編中特に個体名は呼ばれていない。しいて言うなら「パロディ[3]」。 有名なポスター・デザインはハインツ・シュルツ=ノイダム(Heinz Schulz-Neudamm, 1899年-1969年)が担当した。
SF的アイテムと設定アンドロイド・マリアのレプリカ

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人造人間(英語版)
高度に発達した機械工学エレクトロニクス技術により、いずれ人間とそっくり同じ動きをする自動人形のようなものが作られるであろうことは当時としても予測されていた。アメリカのパルプ・マガジンに掲載される漫画や小説などには既に登場していた。しかし、それを「動く映像」という情報ではっきりと見せたのは本作品が最初である。中にスタントマンが入って動かす、いわゆる「着ぐるみ」方式で表現されている。これほどまでに精巧な人造人間を産み出す未来社会を予測する一方、現在でいう「産業用ロボット」の出現は予測されておらず、劇中では産業革命当時さながらの状態で大勢の工員たちが汗まみれになって長時間労働を強いられるという、偏った社会が設定されている。
テレビ電話
従来の電話機に映像の同時送受信機能を追加した通信機器。当時は機械式テレビが生まれて2年もたっておらず(イギリスのベアードが1925年に成功した)「テレビジョン」というもの自体が実現されたばかりであった。しかし、この映像送受信のシステムは劇中では通信に利用されるだけで、「娯楽放送」という形で登場することは無い。地上の都市で生活する支配階級の娯楽はスポーツ観戦や音楽鑑賞、ダンス鑑賞など、映画公開当時の娯楽と大差の無い設定だった。
公開と修復ブラジル の宣伝(1930年).

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1926年に完成したオリジナル作品は大長編映画だが、完成後すぐアメリカのパラマウント映画に持ち込まれ、興行的な理由と「共産主義的な傾向を本質的に持っている字幕があった」という政治的な理由により、ラングの許諾無しに徹底的にカットされ、継ぎはぎの編集が為されたコンパクトなアメリカン・バージョンとして公開された。

1927年にオリジナル全長版をプレミア公開したドイツウーファも、結局はアメリカ編集バージョンに追従した。上映回数を増やし利益を上げるためであったが、それでも莫大な制作費を回収することができず、倒産するに至った。そうした混乱のため、上映時間は世界中で様々なバージョンが存在した。

その後、第二次世界大戦の混乱などでオリジナルフィルムは世界各地に散らばり、フィルムが現存するかどうかも定かではないためオリジナルの完全版を観ることは不可能とされた。

1984年には、ジョルジオ・モロダーのプロデュースによる再編集版が世界各地で公開された(後述)。


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