メトロノース鉄道
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Metro North Railroad
メトロ・ノース鉄道

メトロノース鉄道が所有する車両の一部
路線範囲 アメリカ合衆国 ニューヨーク州コネチカット州
運行1983年
軌間1,435 mm(標準軌
本社NY 10017(郵便番号)
ニューヨーク マディソン・アベニュー347
公式サイト ⇒http://www.mta.info/mnr
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メトロノース鉄道(英語: Metro North Railroad)は、アメリカ通勤鉄道である。ニューヨーク州及びコネチカット州を基盤とし、ニューヨーク都市圏交通公社 (MTA) の子会社であるMetro North Commuter Railroad Companyが運営している。

通称は、メトロノース (Metro North) 。同国における報告記号はMetro North Commuter Railroad の頭文字から「MNCR」。
概要

MTA(ニューヨーク都市圏交通公社 )はニューヨーク市内の地下鉄やバスも運営しており、公共交通機関の多くを傘下に置いている。

この中で「メトロノース鉄道」はニューヨーク市内中心部とニューヨーク郊外及びコネチカット州へと延びる路線を運営しており、同じくMTA傘下のロングアイランド鉄道に次いで全米2位の輸送量を誇るアメリカ屈指の通勤鉄道である。
マスコット子供と話すメトロマン

鉄道のマスコットとして「メトロマン」と名付けられた小さなロボットがおり、様々なイベントや学校を訪問して鉄道の安全について語っている。
沿革

現在のメトロノースの前身のうち、特にイースト・オブ・ハドソンの区間かつニューヨーク州内の区間は大部分がニューヨーク・セントラル鉄道(New York Central Railroad)に由来する。この鉄道会社はかつて3つの通勤路線を運営していた。このうち2つはマンハッタンにある巨大ターミナル、グランド・セントラル駅(Grand Central Terminal)に通じていた。ハーレム線はニューヨーク・アンド・ハーレム鉄道(New York and Harlem Railroad)と旧ボストン・アンド・オールバニ鉄道(Boston and Albany Railroad)に由来している。ニューヨーク・アンド・ハーレム鉄道は1870年代に、ボストン・アンド・オールバニ鉄道は1914年にそれぞれニューヨーク・セントラル鉄道の傘下に入った。

ニューヨーク・セントラル鉄道は前述の路線に加えて、ハドソン川沿いの平坦地を走りオールバニ経由でシカゴまで結ぶ複々線の路線も運営していた。この路線は等級(一等車、二等車など)を採用せず同じ設備で運転し、平坦地を走るために速度も速く人気が高かった。

ニューヘイブン線(New Haven Line)は3つの支線も含め、19世紀半ばから1969年までニューヨーク、ニューヘブン・アンド・ハートフォード鉄道(New York, New Haven and Hartford Railroad, NYNH&H)が所有していた。これらの路線はまず1830年代に馬車鉄道として開業したものに由来し、のちに蒸気機関車に置き換えられた。

19世紀半ばにはニューヨーク・アンド・ニューヘブン鉄道とハートフォード・アンド・ニューヘブン鉄道が出来た。後者はハートフォードから先、ボストンまでの路線を持っていた。この2つの鉄道はニューイングランドにおける旅客・貨物分野で最大の鉄道となるために1872年に合併し、NYNH&Hとなる。20世紀初頭には、富豪JPモルガンの支配下にあったNYNH&Hでは、豊富な資金を背景に近代化を進めた。強力な蒸気機関車の投入、ニューヘイブン周辺の本線には電気機関車、同支線にはディーゼル機関車も投入された。しかし、このような投資があだとなり1930年代の世界恐慌で会社は破産してしまう[1]

ウエスト・オブ・ハドソンにおける通勤輸送サービスはエリー鉄道(Erie Railroad)の一部として始まったと言える。当初はポート・ジャビース線(Port Jervis Line)は1850年代、1860年代に建設されたエリー鉄道の本線に由来している。

パスカック・バレー線(Pascack Valley Line)はエリー鉄道の子会社であったニュージャージ・アンド・ニューヨーク鉄道(New Jersey and New York Railroad)に由来する。

エリー鉄道は1956年にライバルだったデラウェア・ラッカワナ・アンド・ウェスタン鉄道(Delawware, Lackawanna, and Western Railroad)と合併し、エリー・ラッカワナ鉄道(Erie Lackawanna)となった。
ペン・セントラル鉄道の時代.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

第2次世界大戦後、長距離旅客、通勤客ともに旅客鉄道の経営は苦しくなり始めた。1950年代に入ると鉄道業界全体が過剰規制、市場の飽和や自動車・飛行機との競争によって相当弱り始めた。特に通勤鉄道は大きな打撃を受けた。

通勤サービスは今までも赤字続きであり、長距離旅客輸送と貨物輸送の利益でそれを補っていたのが実情であった。しかし、前述のように黒字部門も利益が少なくなり、鉄道会社では第2次世界大戦後に徐々に通勤路線を廃止し始めていた。
路線メトロノース鉄道の路線図

路線はニューヨーク近郊、特に社名のノース(north, 北という意味)が示すように北部へと延びる路線を管轄している。以下の路線を持つが、これらの路線はハドソン川を挟んで東と西で趣が異なり、分けて呼ばれることが多い。いずれの路線も支線はともかくとして本線は複線ないし複々線で、朝ラッシュ時には設備を生かして多数の列車が運転されている。

詳しい運行形態などは各路線記事を参照されたいが、どの路線にも共通して言えるのは朝夕のラッシュ時間帯をピーク時間、昼間をオフピーク時間として分けており、前者をやや高めの料金設定としていることやマンハッタンへの速達重視の極端な千鳥停車、終電が深夜2時から3時前後と遅いことがあげられる。
イースト・オブ・ハドソン (East of Hudson)

川の東側を通る路線群でターミナル駅はグランド・セントラル駅。ハーレム線、ハドソン線はニューヨーク州内で完結しているが、ニューヘイブン線は路線の大半をコネチカット州内を走り、同州内の線路や駅といった施設はコネチカット州交通局(ConnDOT、CDOT)が所有・管理している。同線に新しい車両を投入する場合はMTAとConnDOTが1:2の割合で費用を負担するという協定が結ばれている。いずれの路線も都心側は電化されており、電車を主体とし、長距離列車を中心に機関車けん引の列車もみられる。

ニューヘイブン線本線とハドソン線には郊外の一部区間ではアムトラックのインターシティ(都市間高速列車)と並走する。特にアメリカ有数の鉄道移動客がいる北東回廊区間の一部に属するニューヘイブン線では通勤型車両の走るすぐ横を高速列車アセラ・エクスプレスなどが並走する光景がみられる。

☆△■ハーレム線グランド・セントラル駅 -ホワイト・プレインズ駅 - サウスイースト駅 - ワセイク駅 132km

☆△■ハドソン線:グランドセントラル駅 - ハーレム125丁目駅 - ヨンカーズ駅 -クロトン・ハーモン駅- ポキプシー駅 118km

ニューヘイブン線:本線のほかに途中3つの支線が分岐する。

★☆本線:グランドセントラル駅 - ニューロシェル駅 - スタンフォード駅 - ニューヘイブンユニオン駅 119km

★ニューケーナン支線:スタンフォード駅 - ニューケーナン駅 13.2km

ダンバリー支線:サウスノーウォーク駅 - ダンバリー駅 38.5km

ウォーターベリー支線:ストラトフォード駅 - ウォーターバリー駅 45.9km


ウエスト・オブ・ハドソン (West of Hudson)

川の西側を通る路線群でターミナル駅はニュージャージー・トランジットホーボーケン駅。路線の大半はニュージャージー州を通り、メトロノース鉄道はニューヨーク州内の一部区間を持つだけで実質的にはニュージャージー・トランシットの延長区間である。いずれの路線も非電化でディーゼル機関車牽引の客車列車が主体である。


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