メタリン酸
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リン酸


IUPAC名

リン酸
別称オルトリン酸
識別情報
CAS登録番号7664-38-2
E番号E338 (酸化防止剤およびpH調整剤)
国連/北米番号1805 [1]
SMILES

OP(=O)(O)O

InChI

InChI=1S/H3O4P/c1-5(2,3)4/h(H3,1,2,3,4)Key: NBIIXXVUZAFLBC-UHFFFAOYSA-N

特性
化学式H3PO4
モル質量98.00 g/mol
外観液体
密度1.892 (25℃) [1]
融点

42.35 °C, 316 K, 108 °F ([1])
沸点

407 °C, 680 K, 765 °F ([1])
への溶解度水:可溶
アルコール:可溶 [1]
危険性
安全データシート(外部リンク)厚生労働省モデルSDS
GHSピクトグラム [1]
GHSシグナルワード危険 [1]
Hフレーズ


飲み込むと有害

重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷

重篤な眼の損傷

吸入すると有毒

呼吸器の障害 [1]

関連する物質
その他の陰イオンヒ酸
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

リン酸(リンさん、燐酸、: phosphoric acid)は、リンオキソ酸の一種で、化学式 H3PO4 の無機酸である。オルトリン酸(おるとりんさん、: orthophosphoric acid)とも呼ばれる。

広義では、オルトリン酸・二リン酸(ピロリン酸)H4P2O7・メタリン酸HPO3など、五酸化二リンP2O5が水和してできる酸を総称してリン酸ということがある[2]。リン酸骨格をもつ他の類似化合物群(ピロリン酸など)はリン酸類(リンさんるい、: phosphoric acids)と呼ばれている。リン酸類に属する化合物を「リン酸」と略することがある。リン酸化物を反応させることで生成する。生化学の領域では、リン酸イオン溶液は無機リン酸 (Pi) と呼ばれ、ATPDNA あるいは RNA官能基として結合しているものを指す。
概要

純粋なリン酸は斜方晶系に属す不安定な結晶、またはシロップ状の無色の液体。融点42.35 ℃。水・アルコールエーテルに可溶。

生化学において最も重要な無機オキソ酸といっても過言ではなく、DNAATPを構成するため非常に重要。生化学反応では、低分子化合物の代謝においてリン酸が付加した化合物リン酸エステルなど)が中間体として用いられることが多い。またタンパク質の機能調節(またそれによるシグナル伝達)においてもリン酸化は重要である。これらのリン酸化は多くの場合に ATP が用いられ、特定のリン酸化酵素キナーゼ)によって行われる。

このほか、肥料洗剤の製造、エチレン製造の触媒、清涼剤(コーラの酸味料など)、歯科用セメント、金属表面処理剤、ゴム乳液の凝結剤、医薬、微生物による廃水浄化など用途は幅広い。
性質オルトリン酸分子の空間充填モデル

純粋な無水リン酸は常圧融点 42.35 の白色固体であり、融解後は無色透明な液体となる。液体無水リン酸は高い電気伝導性を示し、またかなり強い酸性媒体であり、ハメット酸度関数では H 0 = - 5 を示す。

オルトリン酸という別名があるが、この別名が用いられる場合はポリリン酸類と区別するという意味で用いられる。オルトリン酸は無機物であり、3 価のやや弱いである。極性の高い化合物であるため、水に溶けやすい。オルトリン酸を含むリン酸類のリン原子酸化数は +5 であり、酸素の酸化数は -2 、水素の酸化数は +1 である。

75 – 85 % の純粋な水溶液は、無色透明で無臭、揮発性のない粘性液体である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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