メジャーリーグベースボールの海外公式戦一覧
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オーストラリアシドニー・クリケット・グラウンドで2014年3月に行われた公式戦の様子。 2012年の日本開幕戦で母国凱旋を果たしたシアトル・マリナーズイチロー。MLB海外公式戦には、彼のような選手を母国のファンが生で観戦・応援できる数少ない機会を提供する、という側面もある[1]。ユニフォームの右袖には航空機製造大手ボーイングの宣伝ロゴが入っている[2]

この項目は、野球メジャーリーグベースボール(MLB)が海外で開催した公式戦を一覧にしたものである。ここでいう「海外」とは、MLB球団が本拠地を展開しているアメリカ合衆国50州ワシントンD.C.)およびカナダの2か国を除く国・地域を指す。
目次

1 詳細

2 試合一覧

3 海外公式戦を行ったことがない球団

4 脚注

5 外部リンク

詳細

1996年8月にメキシコヌエボ・レオン州モンテレイで行われたサンディエゴ・パドレスニューヨーク・メッツの3連戦が、MLB史上初の海外公式戦である[1]。"ラ・プリメーラ・セリエ" (La Primera Serie)と銘打たれたこの3連戦は、パドレスの本拠地アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴで同時期に予定されていた共和党全国大会と日程が重なるのを避けるためにとられた措置であるが、同時に、将来のエクスパンション(球団拡張)によるメキシコ進出の可能性を探る意味合いもあった[3]。メキシコでは1999年にも、パドレス主催試合がレギュラーシーズン開幕戦として開催されている。その後も、公式戦開催はいっとき途絶えたものの、スプリングトレーニングオープン戦)は首都メキシコシティなどで断続的に行われた[4]。そして2018年5月には、19年ぶりのメキシコ公式戦がモンテレイで開催されることになった[5]

1999年のメキシコ開幕戦に続き、2000年には日本で、2001年にはアメリカ合衆国の海外領土であるプエルトリコで、それぞれ開幕戦が組まれた。日本では2003年にも開幕シリーズ2試合が予定されていたが、これは開催直前にイラク戦争が開戦したため中止に追い込まれた[6]。翌2004年から2012年にかけて、日本では4年に一度のペースで開幕シリーズの開催が続いている。ただ、日本プロ野球(NPB)のシーズン開幕後にMLB公式戦が挙行された年もあり、このような日程には上原浩治ボビー・バレンタインなどNPBの選手・監督たちから批判や疑問の声が挙がっている[1]。また日本での試合においては、北米4大プロスポーツリーグの伝統に反して、選手が着用するユニフォーム企業広告があしらわれている[2]

2003年と2004年にはモントリオール・エクスポズ(現在のワシントン・ナショナルズ)が、主催81試合のうち22試合をプエルトリコで開催した。削減球団候補に挙げられるなど苦しい経営が続くエクスポズにとってプエルトリコでの試合開催は、本来の本拠地であるカナダのケベック州モントリオールと比べて観客動員が多く見込めるうえにチケット価格も高いなど経営上のメリットが大きい興行であったが、所属選手は遠征移動の長さによる疲労の蓄積に不満を漏らしていた[7]。エクスポズは2004年のシーズン終了後にモントリオールからワシントンD.C.に移転しており、翌2005年からはプエルトリコでの試合は行っていない。

エクスポズが撤退したあとのプエルトリコでは、2010年にフロリダ・マーリンズ(現在のマイアミ・マーリンズ)がメッツとの3連戦を開催している。マーリンズにとってこの試合には、本拠地フロリダ州マイアミにプエルトリコ出身者が多く暮らしていることや、また対戦相手のメッツもプエルトリコ出身選手を多く擁していて現地人気が高いことから、プエルトリコを含むラテンアメリカでの市場拡大という狙いがあった[8]。さらにマーリンズは、2016年にもピッツバーグ・パイレーツとの2連戦をプエルトリコで行うことにしていた。この試合はマーリンズの主催試合だが、パイレーツ往年の名選手でプエルトリコ出身のロベルト・クレメンテを称えるという目的もあった[9]。ただこの2連戦は、ラテンアメリカにおけるジカ熱の流行を受けて最終的に中止となった[10]

2014年にはオーストラリアで、2019年にはイギリスで、それぞれ2試合が開催されることとなった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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