メコン河
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メコン川

流域図
水系メコン
延長4,023 km
平均の流量16,000 m³/s
流域面積795,000 km²
水源中国青海 玉樹チベット族自治州 雑多県 江地毛長山 拉賽貢瑪水源
チベット高原
水源の標高約 5,200 m
河口・合流先南シナ海
メコンデルタ
流域 中国
ミャンマー
ラオス
タイ
カンボジア
 ベトナム
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メコン川(メコンがわ、英語: Mekong River、中国語: ?公河?、ビルマ語: ??????????????、ラーオ語: ???????????、タイ語: ?????????、クメール語: ?????????????、ベトナム語: Song C?u Long / 瀧九龍)は、東南アジアを流れる河川。東南アジアで最長、アジア全体でも7番目に長い川である。
目次

1 概要

2 名称

3 生物相

4 水位・流量

5 メコンデルタ

6 歴史

7 ダム

8 環境問題

9 その他

10 ギャラリー

11 脚注

12 関連項目

13 外部リンク

概要

メコン川はチベット高原に源流を発し、中国雲南省を通り、ミャンマーラオス国境、タイ・ラオス国境、カンボジアベトナムをおよそ4200キロにわたって流れ、南シナ海に抜ける。典型的な国際河川の一つで、数多くの支流がある。雨期には流量が増し流れが速いため、船の運航は非常に難しい。乾期には流量は減るが、浅瀬が増えるため船舶の運航が難しくなる。流域諸国が集まって協議するMRC(メコン川委員会)で、メコン川の土砂を除去して貿易路に使うとの案が出されたが、除去してもすぐに土砂が堆積するため、この計画は頓挫した。なお、タイ・ラオス・ミャンマー・カンボジア・ベトナムの本流・支流周辺では、日用品の取引などの小規模な貿易が行われている。
名称

メコンの名はタイ語に由来する。メ(メー)はメーナーム(川)の短縮語、コン(コーン)の意味には諸説ある。有力な説は、コーン(Khong)はサンスクリット語のガンガ(ganga=ガンジス川)の転訛とするもの。すなわち、メコンは(ガンジス川のように)偉大な川、大きな川と解釈する。タイ語では??? [k????]ワニを意味するが、この場合は?? [k?ot] または ???? [k?o??]の転訛だと一部で考えられている。どちらも川や道の屈曲点を意味する。いずれの説を採用するにしても、メという語に、すでに川の意味が含まれているので、さらに「川」をつけるのは不自然とする立場から、メコンとのみ称することもある。

国際河川であるから、地域や国ごとに異なった名前で呼ばれる。

中国

中国語では、メコン川全体の総称は?公河('"`UNIQ--templatestyles-00000001-QINU`"'?音: Meig?ng he)で、?公はメコンの音訳である

チベット語の名称は??????(ワイリー方式:rDza chu)。

源流部の名称は、加果空桑貢瑪曲、扎那曲あるいは扎曲(?音: Z? Q?)。扎曲はチベット語の音訳である。

上流部の名称は、瀾滄江?音: Lanc?ng Ji?ng)。瀾滄は14世紀のラオスにあったラーンサーン王国の音訳である。



ミャンマー

ビルマ語の名称は???????????(ラテン文字転写:Me‘kaung Myit)。


ラオス

ラーオ語の名称は?????????[m?? na?m k?????]または?????? [na?m k?????]


タイ

タイ語の名称は????????? [m??? na?m k????]または?????? [m??? k????]


カンボジア

クメール語の名称は?????? [meeko?]ラテン文字転写:Mekongk)、???????????[t??nlee meeko?]ラテン文字転写:Tonle Mekongk)または???????[t??nlee t?om?]ラテン文字転写:Tonle Thum)。メコンはタイ語に由来する外来語であり、本来のクメール語の名称は??????? (Tonle Thum)である。トンレは川または湖、トゥムは大きな、偉大なを意味するので、大きな川、偉大な川、すなわちメコンの意訳ともいえる。

プノンペンの東でトンレサップの河川部分と合流し、また支流としてバサック川が生まれる。


 ベトナム

ベトナム語の名称はSong Me Kong [so?m me ko?m]、Song L?n [so?m l???n]またはSong C?u Long [so?m k??w l??]。Song(ソン:瀧)は川を意味する。ソン・ローンは大きな川、偉大な川を意味し、メコンの意訳ともいえる。クー・ロンは漢字では九龍と表記されるので、ソン・クー・ロンは“九龍川”ということになる。これが本来のベトナム語の名称である。またメコンデルタ地帯で分岐した後の西の流れ(バサック川系)をH?u Giang(ハウザン:後江)またはSong H?u(ソンハウ:瀧後)と呼び、東の流れをTi?n Giang(ティエンザン:前江)またはSong Ti?n(ソンティエン:瀧前)と呼び分ける。


生物相

メコン川とその流域は、世界的に見ても生物の多様性が最も豊かな地域の1つである。世界自然保護基金(WWF)によると、発見された新種は2015年だけの163種、1997年以降の累計では2409種に達している[1]。生息が特定あるい推定されているの種は1200以上に上る。漁業はそれぞれの領域の経済活動の非常に重要な要素であり、約120種の魚が商業的に取り引きされていると推定され、食料として重要なタンパク源となっている。これによってカンボジアとラオスの人口1人当たりの淡水魚の漁獲量が世界で最大規模となっている[2]

上流部では、流入する雪解け水により一定の流量があるため、比較的透明であり流れは速い。水質はpH6.9から8.2で、ほぼ中性の傾向を示し、栄養素レベルは低い。下流域では特に雨期に赤茶色に混濁する。インドシナ半島に広く分布する紅土であるラテライトの土壌を河岸侵食するのが理由である。水質はpH6.2から6.5。

川は上流と下流の、異なった2つの生物相に分けられる。流れの速い上流では、魚類はドジョウ、吸盤ナマズが支配的な種である。


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