ムトウ記譜法(ムトウきふほう)は、ムトウ音楽メソッドを基に作られた、1オクターブを3本の基線で示す音楽記譜法である。3線譜ともいう。 クロマチックノーテーションやムト譜とも呼ばれる。ムトウ記譜法においては、上下が実線、真ん中が点線で示された等間隔の3本の水平線を用い、音部記号、変化記号はなく、音域は数字で示される。1オクターブの中にある12の音は独立した音名と表記位置があり、高い音が上に、低い音が下に表される。また、五線譜と違って、調や音域が変わっても1オクターブ内の符頭の位置は同じである[1][2][3][4]。「ムトウ記譜法(3線譜)」1オクターヴの表記位置、音名。「ムトウ記譜法(3線譜)」音域の表記方法
記譜法
読み方
下の実線上に置かれた符頭を低いド、上の実線上に置かれた符頭を高いドとし、下線ドから上線ドまでが1オクターブとなる。
3線の実線上の音は音域が変わっても全てドである。
五線譜で示されるシャープやフラットがつく音にはそれぞれに音名がついており、ド♯レ♭=ディ、レ♯ミ♭=メ、ファ♯ソ♭=フィ、ソ♯ラ♭=ル、ラ♯シ♭=セ、となる。
音域として表記される数字は可能な限り無限であり、小さいほど低く、大きいほど高くなる。
表記
低いドの音から、高いドの音までの1オクターヴの中にある12の音は均等に配置されている。
ディ・メ・フィ・ル・セの符頭には、真ん中に点がついている。
フレーズが3線内に収まらない場合は、3線を上下に付け足し表記する。
出版
HANON(ハノン教則本)[5]
BEYER(バイエル教則本)[6]
ツェルニー(30番、40番、50番[1-3][4-6]、100番)[7][8][9][10][11]
ブルクミュラー[12]
ベートーベン:(宝音セレクションズ、ピアノ・ソナタ 悲愴/月光/熱情、ピアノ・ソナタ ヴァルトシュタイン/テレーゼ/告別)[13][14][15]
バッハ:インベンション[16][17]、シンフォニア[18][19]、平均律クラヴィーア曲集(1、2)[20][21]
スコット・ジョプリン:ピアノ・ラグ集 [22]
エリック・サティ:3つのジムノペディ/3つのグノシエンヌ[23]
ショパン:12の練習曲(作品10、作品25)[24][25]、24の前奏曲 作品28[26]、即興曲集[27]、バラード集[28]、スケルツォ集[29]、ワルツ集[30]