ムササビ
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「?鼠」はこの項目へ転送されています。ムササビ以外に「?鼠」と漢字表記される動物については「モモンガ」をご覧ください。

この項目では、種としてのムササビについて説明しています。属については「ムササビ属」をご覧ください。

ムササビ

保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))

分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
:ネズミ目(齧歯目) Rodentia
亜目:リス亜目 Sciuromorpha
:リス科 Sciuridae
亜科:リス亜科 Sciurinae
:Pteromyini
:ムササビ属 Petaurista
:ホオジロムササビ P. leucogenys

学名
Petaurista leucogenys
Temminck1827
和名
ムササビ
ホオジロムササビ
英名
Japanese giant flying squirrel
分布図

ムササビ(?鼠、?鼠、学名:Petaurista leucogenys)は、ネズミ目(齧歯目)リス科リス亜科ムササビ属に属する哺乳類の一種である。ムササビ類の総称でもある。

ノブスマ(野臥間、野衾)、バンドリ、オカツギ、ソバオシキ、モマなど多くの異名(地方名)がある[2]
形態

長い前足と後足との間に飛膜と呼ばれる膜があり、飛膜を広げることでグライダーのように滑空でき、樹から樹へと飛び移ることができる。手首には針状軟骨という軟骨があり、普段は折りたたまれているこの軟骨を、滑空時に外側に張り出すことで、飛膜の面積を増やすことができる[2]。長いふさふさとした尾は滑空時にはの役割を果たす。頭胴長27-49cm、尾長28-41cm、体重700-1500gと、近縁のモモンガ類に比べて大柄である(ホンドモモンガは頭胴長14-20cm、尾長10-14cm、体重150-220g)のみならず、日本に生息するネズミ目としては在来種内で最大級である。移入種を含めても、本種を上回るものはヌートリアくらいしかいないとされる。
分布

ムササビは日本固有種であり、本州四国九州に生息している。
生態東京都八王子市で撮影された野生のムササビ

山地や平地の森林に生息する[3]。特に、巣になる樹洞があり、滑空に利用できる高木の多い鎮守の森を好む[2]。夜行性。完全な樹上生活者で、冬眠はしない[2]。120メートル以上の滑空が可能で、その速度は最大秒速16メートルにもなる[2]ケヤキカエデなどの若葉、種子、ドングリ、カキの果実、芽、ツバキの花、樹皮など、季節に応じてさまざまな樹上の食物を食べる[2]。地上で採食はしない。葉の食べ痕は中央に丸い穴が開いていたり、V字型に削られたようになる[4]。大木の樹洞、人家の屋根裏などに巣を作る。メスは1ヘクタール程度の同性間のなわばりをもつ。オスは2ヘクタール程度の行動圏をもつが、特になわばりをもたず、同性同士の行動圏は互いに重なり合っている。

冬と初夏の年2回発情期を迎える。発情期には交尾の順位をめぐり、オス同士が激しい喧嘩を繰り広げる。ムササビの陰茎は「コルク抜き」のような形状をしており、次に交尾しようとするオスは、陰茎を用いて交尾栓を取り除き、交尾を行っている。平均74日の妊娠期間を経て、春と秋に1-2匹の子を産む。

天敵としてはテンイタチキツネなど食肉目に属する動物、並びにフクロウタカなどの猛禽類が挙げられる。また、ニホンザルは本種を捕食しないにもかかわらず集団で執拗に追跡して攻撃を加える。ニホンザルの追跡を受けている間は木を十分に登る間もなく次の滑空に移らざるを得ないため、次第に高度を失うこととなる。逃避に失敗した場合、地面へ着地したところを捕獲され、多数のサルから攻撃を受ける。この際に死に至ることも多い。ニホンザルが本種に対して攻撃を加える理由としては、ニホンザルの天敵でもある猛禽類と同様に滑空する本種を攻撃することがメスへの性的アピールになっている説や、滑空するという共通点を以って猛禽類と同一視して防衛行動をとっている説がある[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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