ムカデ
生息年代: 418?0 Ma[1] Pre??OSDCPTJKPgN
様々なムカデ[注釈 1]
地質時代
シルル紀(約4億1,800万年前)[1] - 現世
分類
ムカデ(百足、蜈?、蜈蚣、?蛆、??[3]、ムカデ類、唇脚類、学名: Chilopoda, 英語: centipede, chilopod)は、多足類に属する節足動物の分類群の一つ。分類学上はムカデ綱(唇脚綱)とされる[2]。頭部の直後に有毒な顎肢をもつ、脚が多く運動性に富む肉食動物である。オオムカデやゲジなどを含め、3,000以上の種が記載される[4]。最古の化石記録はおよそ4億1,800万年前の古生代シルル紀後期まで遡る[5][1]。 和名「ムカデ」の漢字転写は「百足」、「蜈?」、「蜈蚣」、「?蛆」などがある。学名「Chilopoda」はギリシア語の「kheilos」(唇)と「pod」(脚)の合成語[6]。英語名「centipede
名称
形態イシムカデ類の背面(A)、前方腹面(B)、前方側面(C)、触角(ant)、大顎(1)、第1小顎(2)、第2小顎(3)と顎肢(4)
ムカデの体は縦長くて大部分が柔らかく[9]、数多くの体節は大まかに頭部と胴部という2つの合体節に分れている[10]。胴部は順に1対の毒牙状の顎肢と、奇数対に数多くの脚が並んでいる[9][7]。体長は微小な4mmから大型な30cm[11]まで知られるが、多くの種類は1-10cmに収まる[4]。体色は多くが黄・赤・茶色であるが、より派手な色や模様をもつものもあり、オオムカデ類で特に多く見られる[9][12](p43)。
頭部
ゲジ類の頭部
イシムカデ類の頭部
ナガズイシムカデ類の頭部
オオムカデ類の頭部
ジムカデ類の頭部
頭板、頭楯と上唇頭楯、上唇、触角と大顎
第1小顎と第2小顎第2小顎(ゲジ類)
頭部(head)は他の多足類と同様、眼・口・上唇が由来する先節と、4対の付属肢(関節肢である触角と顎、後述)が由来する第1-5体節の融合でできた合体節である[13][10]。第2体節は他の多足類や昆虫などの六脚類と同じく、間挿体節(intercalary segment)で付属肢をもたない[13]。背面は1枚の頭板(cephalic plate, head capsule)に覆われ[14]、ゲジ類ではドーム状に盛り上がるが、他の群では上下に平たい[15][9][12](p44)[16]。
多足類の頭部左右で一般に見られる小孔状の側頭器官(Tomosvary organ)はゲジ類とイシムカデ類のみ発達で、ナガズイシムカデ類では痕跡的、オオムカデ類とジムカデ類では見当たらない[15][9][12](p44)[16]。
左右にもつ眼は他の多足類と同様に側眼(lateral eye)のみ由来で、その構造は分類群により異なる。ゲジ類の眼は1対の真の複眼(compound eye)である[注釈 2][17][18][14]が、他の群は単眼(ocellus, 側単眼 lateral ocellus)で、イシムカデ類に最多49対、オオムカデに最多4対、ナガズイシムカデ類に1対もつ[12](p45)。