ムカデ人間
The Human Centipede (First Sequence)
監督トム・シックス
脚本トム・シックス
製作トム・シックス
イローナ・シックス
出演者ディーター・ラーザー
アシュリー・C・ウィリアムズ
アシュリン・イェニー
北村昭博
音楽パトリック・サベージ
『ムカデ人間』(むかでにんげん、原題:The Human Centipede (First Sequence))とは、2010年に公開されたトム・シックス監督作のホラー映画。
英文字のタイトル通り、3作の1作目でもあるが、続編の『ムカデ人間2』、最終作の『ムカデ人間3』とは、世界観がそれぞれ異なる。
続編の『ムカデ人間2』では劇中劇という設定になっており、登場人物の一人ジェニーも女優のアシュリン・イェニーが演じたキャラクターとされている[3]。 監督のトム・シックスによれば、人間の口を尻を繋げるというアイデアは「犯罪者の口と尻を縫い付けてしまえ」という自身のジョークから来たという[4]。また舞台をドイツにしたのはナチスの医者を描きたかったからとしている[5]。自身のアイデアを大事にしているため強く影響を受けた作品はないが、しいて挙げればパゾリーニ作品と、ディヴィッド・クローネンバーグの『ザ・フライ』や『クラッシュ』だとしている[6]。 撮影場所はオランダ郊外にある一般の家で、博士役のディーター・ラーザーが演技で叫んだり、同じく共演者が泣いたりしたため、近隣住民からドイツ人が暴れていると苦情が来たという[7]。 カツロー役の北村昭博はロサンゼルス在住の日本人で、既に決まっていた「先頭部」の役者が来られなくなったため代役としてオーディションを受けて採用された。 北村によれば、映画の脚本にはカツローのバックボーンが書かれておらず、メソッド演技の概念により自分なりにカツローのキャラクターを考えた結果、Youtubeにアップロードされていた亀田史郎とやくみつるの口論動画から着想を得て、カツローを関西出身のヤクザと設定したという[8]。また脚本には台詞も無く、監督の要望で北村が台詞を考えた。一例として作中の博士を罵る台詞は北村が考えたものである[9]。ほか当初カツローは恐怖に怯えるだけの役回りだったが、その描写に疑問を覚えた北村が監督に相談し、賛同を得たうえで今の反抗的なキャラクターに変えてもらったという[10]。 日本語吹き替えが放映されるにあたって、北村の要望で声優の三宅健太を起用した。 アメリカ人の女性旅行者・リンジーとジェニーの二人が道中の森林で車のタイヤをパンクさせてしまい、近場にあった邸宅に救助を求めやってくる。そこはシャム双生児の分離手術の名医として知られるドイツ人の医師・ハイター博士の邸宅だった。博士は二人を快く迎え入れる。 親切に見えた博士だが、彼にはこれまで自分が行ってきた分離手術とは反対に人間の口と肛門を繋げて「ムカデ人間」を創造するという邪悪な願望があった。博士はリンジーとジェニーをムカデ人間の候補と見定めると、二人を薬で眠らせ地下室に連行する。博士は目覚めたリンジーとジェニー、事前に捕えていたもう一人の候補・カツローの三人にムカデ人間の創造計画を打ち明ける。 博士のおぞましい話に戦慄した三人は抵抗しようとするが、麻酔で眠らされたため叶わず、唯一逃げ出せたリンジーも見つかって連れ戻される。そうして三人のムカデ人間化が遂行され、彼らは手術によって靭帯を切断され、カツローを先頭に口と肛門を接着される。博士は出来上がった「完成品」に大喜びし、三人を訓練したり餌付けしたりして楽しんだ。ただ「最後尾」のジェニーが病気になっていたため、博士は代わりの人間を検討する。 だがそんな博士のもとへ、リンジーとジェニーの捜索願を受けた警官二人がやって来る。博士は秘密を知られないよう急いで三人を地下に閉じ込めると、出まかせで警官達を追い返そうとする。しかし警官達は博士を疑い、捜査令状をもらったらすぐ戻って来ると言って立ち去る。一方、博士と警官達が言い合いしている間、閉じ込められた三人は博士の不在をチャンスと見て、脱出を図ろうとしていた。
製作
ストーリー