ムカデエビ
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ムカデエビ綱
生息年代: Lower Pennsylvanian?
現世[1] Pre??OSDCPTJKPgN
ムカデエビの1種 Speleonectes tanumekes
地質時代
石炭紀ペンシルベニア紀バシキーリアン期(約3億2,000万年前)- 現世
分類

:動物界 Animalia
:節足動物門 Arthropoda
階級なし:汎甲殻類 Pancrustacea
亜門:甲殻亜門 Crustacea
:ムカデエビ綱(百足エビ綱[2]) Remipedia

学名
Remipedia
Yager, 1981[3]
和名
ムカデエビ(ムカデエビ類)
英名
Remipede



ムカデエビ目泳脚目)Nectiopoda

Enantipoda

ムカデエビ綱(ムカデエビこう、学名:Remipedia)は、ムカデエビ(ムカデエビ類、remipede)と総称される甲殻類分類群)である[4]。海底洞窟に生息する洞穴生物で、ムカデに似た細長い姿をしている。和名に反してエビ軟甲綱十脚目)ではない。

生態面に謎が多く、毒腺を持ち[5]、体にの区分がないという甲殻類として特異な形態を持つ[3]。その系統分類学上の位置付けについて多くの議論が繰り広げられ、特に汎甲殻類説においては昆虫などとの類縁関係が注目される分類群である[6]

約30が知られ、知られる化石種記録はおよそ3億2,000万年前の石炭紀後期まで遡る[1]が、その起源はさらに早い4億8000万年前のオルドビス紀にあるとされる[7]。現生種は全てムカデエビ目泳脚目、学名:Nectiopoda)に分類される[8]
名称

学名「Remipedia」はラテン語で「オール)のような」を意味し、櫂のような形をもつ胴肢に因んで名づけられた[3]
外部形態.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}ムカデエビの1種 Speleonectes tanumekes の構造(*: 生殖孔を持つ体節)

体長は15mmから45mm[9]。無色透明で、体は頭胸部(単に「頭部」とも呼ぶ)と、ムカデのように細長い部という2つの合体節のみに分かれている[10]付属肢関節肢)として頭部には触角と発達した口器、胴部には櫂のような遊泳用の胴肢が並んでいる。
頭胸部(頭部)背面腹面一般化したムカデエビの頭部と胴部前端数節の構造

頭胸部(cephalothorax)は先節と第1-5体節でできた元の頭部が直後の元の第1節(第6体節)と癒合したものであり、その背面は1枚の背甲(head shield)に覆われるが、多くの甲殻類に見られる幅広いもの(carapace)ではない[11]。なお、この部分はしばしばこうして「頭胸部」と呼ばれるものの、ムカデエビの体制にそもそも「胸部」というの区分はなく(後述参照)、英語の文献記載においてもこの頭胸部全体を「cephalon」(頭部)と呼ぶ方が一般的である[3][11][12][9][13]

現生種にはない[11][14]が、頭胸部の前端に複眼を持つと考えられる化石種はある[11]

頭胸部は前端の下に1対の額糸(frontal filaments)という短い付属肢のような構造体があり[3][9]、主幹部である「main filaments」とそれに付属した枝のような「accessory branches」という2パーツからなる。額糸の直後は2対の二叉型触角が備わる。第1触角(antennule)は感覚毛(aesthetasc)を持つ基部から2本の細い枝に分かれ、そのうち上側の枝(dorsal ramus)は長く、下側の枝(ventral ramus)はやや短く、いずれも途中は複数の節に分かれている。第2触角(antenna)はかなり短く、分節のない葉状の外肢(exopod)と湾曲した3肢節をもつ内肢(endopod)からなる[12]

化石ムカデエビ類 Tesnusocaris goldichi の化石。頭部前方の対になる丸い構造は眼と考えられる[11]

Speleonectes tanumekes の第1触角

一般化されるムカデエビの第1小顎、第2小顎と顎脚

触角に続けて口器があり、1枚の上唇(labrum)に覆われる1対の大顎(mandible)、および第1小顎(maxillula ないし first maxilla)・第2小顎(maxilla ないし second maxilla)・顎脚(maxilliped)という3対の捕獲用の付属肢からなる[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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