ミュンヘン国際音楽コンクール(Internationaler Musikwettbewerb der ARD)は、ドイツ公共放送連盟(ARD)主催で、毎年ミュンヘンで行われている国際音楽コンクール。「ミュンヘン・ドイツ放送コンクール」「ミュンヘン・コンクール」等と呼ばれることがあるが、他にもミュンヘン・コンクールとしか呼びようの無いイヴェントもある為、少し注意が必要である。このコンクールは1952年に第1回が開催され、2006年で55回目を迎え、世界の権威ある国際コンクールの中でも、歴史と伝統のある難関なコンクールとして知られている。このコンクールは、第1回目はピアノ部門のみで開催されたが、1953年の第2回目以降は、声楽、ピアノ、ヴァイオリン、ピアノ・デュオ、ヴァイオリン・ピアノ・デュオ、木管楽器、金管楽器、打楽器等から、4?7部門を設定して行われている。
同コンクールの管楽器・打楽器部門はジュネーヴ国際音楽コンクールと並んで最高の権威を持っており、入賞者からはハインツ・ホリガー、ペーター=ルーカス・グラーフ、カール・ライスター、クラウス・トゥーネマン、ヘルマン・バウマン、モーリス・アンドレ、ブラニミール・スローカー、ラデク・バボラーク、吉原すみれなど、世界的な演奏家を輩出している。 2005年に行なわれ日本人が1位と2位を占めて、話題となったヴァイオリン部門は、1953年から2005年まで延べ17回開催され、1958年から入賞順位がつけられるようになった。1958年以降の開催数は15回になるが、その歴代入賞者の中で、1位受賞者は日本人2名、ポーランド人2名のわずかに4名であり、殆どの年が1位なしの2位、3位である。ヴァイオリン部門は、なかなか1位が出ない、特に難関な部門である。しかし、近年はコンクールそのものの方針転換により、審査の厳格性は大幅に緩くなっている。
日本人の第1位優勝者
1970年 東京クヮルテット (弦楽四重奏部門)
1980年 田中淑恵(声楽部門)
1983年 伊藤恵 (ピアノ部門)
1984年 久保田巧 (ヴァイオリン部門)
1997年 清水直子 (ヴィオラ部門)
2005年 岡崎慶輔 (ヴァイオリン部門)
2018年 葵トリオ(ピアノ三重奏部門)
ヴァイオリン部門歴代入賞者
1953年
順位なし Michele Boussinot (フランス)
順位なし イゴール・オジム(ユーゴスラビア)
順位なし Edith Peinemann (西ドイツ)
1956年
順位なし Tessa Robbins (イギリス)
1958年
第1位 なし
第2位 Oscar Yatco (フィリピン)
1961年
第1位 なし
第2位 志田とみ子
第2位 Yossef Zivoni (イスラエル)
第3位 ゲルハルト・ヘッツェル(西ドイツ)
1966年
第1位 コンスタンティ・クルカ (ポーランド)
第2位 Izabella Petrosian (ソ連)
第3位 Jurij Mazurkevic (ソ連)
1969年
第1位 なし
第2位 Cristiano Rossi (イタリア)
第2位 柳田昌子