ミュオグラフィとはミュー粒子を使用するトモグラフィである[1]。 宇宙から降り注ぐ宇宙線の一種で透過力の強いミュー粒子の飛跡を元に透過した物体の密度分布を再構成する[2]。これまで、火山のマグマ、溶鉱炉、ギザの大ピラミッド等のピラミッドの内部構造[3]や福島第一原子力発電所の炉心の現状を調査するためにも使用された[4][5][6]。ミュー粒子は垂直に入射するものよりも水平に入射するものの方が透過力が強い[7]。飛跡の検出には写真乾板やワイヤーチェンバー等が使用される[8]。写真乾板は比較的簡単な装置で構成され、電源が不要であるものの、現像、飛跡の座標測定に時間がかかる。ワイヤーチェンバーは装置が大掛かりで電源が供給される場所に設置が制限されるが、ミュー粒子の入射と同時に随時、結果が蓄積される。装置は2013年時点で500万円程度から最新鋭のもので8,000万円かかる[1]。なお、名古屋大学にはミュー粒子の通過をベクトル形式で記録できる写真乾板があり、名古屋大学が開発した専用のコンピューターソフトを用いて高速で解析できる。
概要
脚注^ a b ⇒素粒子による透視で火山噴火のメカニズムを発見
^ ⇒ミュオグラフィ――21世紀の透視図法
^ 東大地震研:浅間山の 内部構造再現 素粒子使い立体的に
^ ⇒Muon scans confirm complete reactor meltdown at Fukushima
^ ⇒Muon scans confirm complete reactor meltdown at Fukushima Reactor #1
^ ⇒Our Next Two Steps for Fukushima Daiichi Muon Tomography
^ ⇒宇宙断層撮像装置の開発(1)
^ ⇒ワイヤーチェンバーの原理とGEM
関連項目
コンピュータ断層撮影
ミュオンスピン回転
ミューオニウム
ミュオニック原子
ミューオン触媒核融合
中間子工場
Compact Muon Solenoid
クォーク
アップ (u)
ダウン (d)
チャーム (c)
ストレンジ (s)
トップ (t)
ボトム (b)
レプトン
電子 (e−
)
陽電子 (e+
)
ミュー粒子 (μ±
)
タウ粒子 (τ±
)
ニュートリノ