ミノサイクリン
[Wikipedia|▼Menu]

ミノサイクリン

IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

(2E,4S,4aR,5aS,12aR)-2-(Amino-hydroxy-methylidene)-4,7-bis(dimethylamino)-10,11,12a-trihydroxy-4a,5,5a,6- tetrahydro-4H-tetracene-1,3,12-trione[1]

臨床データ
販売名ミノマイシン、Minocin, Akamin
Drugs.commonograph
MedlinePlusa682101
ライセンスUS Daily Med:リンク
胎児危険度分類

US: D




法的規制

AU: 処方箋薬(S4)

US: ?-only

投与経路経口、静脈注射、外用
薬物動態データ
生物学的利用能100%
代謝肝臓
半減期11?22 時間
排泄主に便、残りは腎臓
識別
CAS番号
10118-90-8 
ATCコードJ01AA08 (WHO) A01AB23 (WHO)
PubChemCID: 54675783
DrugBankDB01017 
ChemSpider16735907 
UNIIFYY3R43WGO 
KEGGD05045  
ChEBICHEBI:50694 
ChEMBLCHEMBL1434 
化学的データ
化学式C23H27N3O7
分子量457.483
SMILES

CN(C)C1C2CC3CC4=C(C=CC(=C4C(=C3C(=O)C2(C(=C(C1=O)C(=O)N)O)O)O)O)N(C)C

InChI

InChI=InChI=1S/C23H27N3O7/c1-25(2)12-5-6-13(27)15-10(12)7-9-8-11-17(26(3)4)19(29)16(22(24)32)21(31)23(11,33)20(30)14(9)18(15)28/h5-6,9,11,17,27-28,31,33H,7-8H2,1-4H3,(H2,24,32)/t9-,11-,17-,23-/m0/s1 

Key:FFTVPQUHLQBXQZ-KVUCHLLUSA-N 

テンプレートを表示
ミノサイクリン内服カプセルミノサイクリン注射液

ミノサイクリン(: Minocycline)は、広域スペクトル性のテトラサイクリン系抗生物質であり、静菌性の抗菌薬に分類される。テトラサイクリン系としては脂溶性が高く、組織移行性が良好で生体内半減期も長い。経口摂取時の生物学的利用能が100%に近い。動物用医薬品としても使用される。

アメリカ食品医薬品局は、2008年に甲状腺疾患、小児自己免疫疾患の重篤な副作用との関連が見出している。コクラン共同計画もある種の自己免疫疾患の発症リスクの上昇を見出した。

天然に存在する抗生物質ではなく、1966年アメリカ合衆国のレダリー研究所(英語版)によって天然テトラサイクリンから半合成された物質[2]
特徴
静菌作用

主に皮膚感染症ライム病の治療に使用され、テトラサイクリン系抗生物質の中でも第一選択薬である。これはドキシサイクリンと並び生体内半減期が長いため、1日の服薬回数が少なくて済むことと、テトラサイクリン系抗生物質に対する耐性菌にも効果が期待できるためである。β-ラクタム系耐性菌に有効な場合があり、β-ラクタム耐性アシネトバクターによる疾患や、一部のMRSA感染症の治療に使用されることもある。髄膜炎菌への活性も有するなど、他のテトラサイクリン系よりも幅広い抗菌スペクトルであるが、予防投与は副作用(目眩光線過敏)の問題と薬剤耐性のつきやすさのため推奨されていない。

動物のリボソーム80Sには作用せず、細菌のリボソーム70Sに特異的に作用する[3]細菌リボソーム30Sサブユニットに特異的に作用することから、選択毒性を有する[4]
適応

妊娠中や妊娠の可能性がある場合は、他のテトラサイクリン系と同様に選択されない。小児に対しては第一選択とならない。特に8歳未満の小児において、歯牙の着色やエナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こす可能性があるためである。しかし薬剤耐性の問題で、本剤以外に選択肢がない場合は例外となる。

ミノサイクリンに感受性のある菌種は、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌腸球菌属、淋菌炭疽菌大腸菌赤痢菌シトロバクター属、クレブシエラ属(肺炎桿菌を含む)、エンテロバクター属、緑膿菌梅毒トレポネーマ、リケッチア属、クラミジア属、マイコプラズマアメーバ性赤痢炭疽症コレラ淋病ペニシリンが投与できない場合)、融合性細網状乳頭腫症(グジュロー・カートイド症候群)、ライム病腺ペスト歯周病肺炎など呼吸器疾患ロッキー山紅斑熱梅毒尿路感染症直腸感染症、ある種の微生物感染による子宮頚部の症状など。

適応だけを見ればそうだが、実際には淋病で2016年には7-8割で薬剤耐性を持つため、推奨ではない[5]
主な適応症

皮膚/骨格系
表在性皮膚感染症深在性皮膚感染症リンパ管リンパ節炎、外傷熱傷及び手術創による二次感染乳腺炎骨髄炎

呼吸器系
咽頭炎喉頭炎、扁桃炎気管支炎肺炎肺膿瘍慢性呼吸器病変の二次感染

泌尿器系/生殖器系
膀胱炎腎盂腎炎前立腺炎精巣上体炎、尿道炎、淋菌感染症、梅毒外陰炎、細菌性膣炎子宮内感染

消化器系/腹腔内臓器
腹膜炎感染性腸炎


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:144 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef