ミニガン
概要
種類重機関銃
製造国 アメリカ合衆国
設計・製造GE、ディロン・エアロ (M134D)
性能
口径7.62mm
使用弾薬7.62x51mm NATO弾
装弾数
ベルト給弾
リンクレス給弾方式など
作動方式ガトリング銃
全長900mm
重量
18,000g
総重量推定100kg
発射速度
毎分2,000-6,000発 可変式
その他バリエーションが存在する
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ミニガン(英語: Minigun)は、ゼネラル・エレクトリック(GE)社が開発した7.62mm口径のガトリング銃。アメリカ陸軍ではM134として制式化したほか、海軍ではGAU-17/A、空軍ではGAU-2B/Aと称する。なお「ミニガン」という愛称は、同社が先行して実用化したM61 バルカンのダウンサイジング版としての位置づけに由来する。 ジェット機の登場とともに航空機関砲の火力向上の必要が高まったのを受けて、ゼネラル・エレクトリック(GE)社はガトリング砲に着目して開発を進め、1957年12月に20×102mm弾
来歴
1964年を通じて、エグリン空軍基地およびスプリングフィールド造兵廠において大規模な射撃試験が行われ、その結果を踏まえて設計が改訂された[2]。一方、エグリン空軍基地では同時期にM37機関銃をC-47輸送機の左舷側に舷側銃(Side-Fire)として搭載したガンシップ (Douglas AC-47 Spooky) の試験を行っていたが、M37機関銃では威力不足が懸念されていた[2]。空軍のミニガン計画担当者からの提案を受け、M37のかわりにミニガンを用いてみたところ極めて満足すべき成績であり、これを搭載したAC-47攻撃機は実戦試験のため南西アジアに送られ、早くも同年12月には実戦投入された[2]。 上記の経緯もあり、基本的にGE社が先行して開発したM61の構成や動作機構を踏襲しつつ、弾薬を7.62×51mm弾に変更したモデルである[3][4]。 ガトリング砲としての設計に基づき、6本の銃身はそれぞれ各1個の遊底を有し、外部動力によってハウジング内部のロータで反時計周りに回転をすることで射撃が行われる[3]。ハウジング内壁にはカム経路が形成されており、各遊底はロータの回転に伴って、このカム経路に従って可動し、下記のような工程を繰り返す[3]。 これらの工程を繰り返すための外部動力としては、28ボルト・直流ないし115ボルト・交流の電動機が用いられる[4]。ガス圧作動方式のXM133も開発されたが、試験の結果、整備性の要求を満たさないと判断され、装備化に至らなかった[5]。 給送弾には、M61と同様のコンベアを用いたリンクレス式の機構のほか、標準的なM13 リンクを用いることもできる[6]。ただしリンクレス式の機構であれば毎分6,000発の最大発射速度を発揮できるのに対し、リンク式の機構では毎分4,000発が上限となる[6]。またM61では薬莢を弾倉に回収するシステムが一般的であったのに対し、ミニガンではこのような構成は用いられなかった[6]。 アメリカ空軍において、ミニガンはまずガンシップ向けの舷側銃として装備化され、1967年からはA-37軽攻撃機の機首に固定装備するかたちでも搭載された[6][7]。これらはいずれもリンクレス式の給送弾機構を用いていた[6]。 陸軍もミニガンに着目し、機外両舷に搭載するためのXM21サブシステムに組み込んで、UH-1の武装ヘリコプター仕様機に搭載した[8]。またこれに続いて開発された本格的攻撃ヘリコプターであるAH-1GでもXM28ターレットに組み込まれて搭載されたほか[6]、これらの武装・攻撃ヘリコプターと組み合わされて運用されるOH-6観測ヘリコプターでもXM27サブシステムに組み込んで搭載された[9]。これらのヘリコプター用のミニガンは、いずれもリンク式の給送弾機構を用いていた[8][9]。 一方、空軍はキャビンに設置したピントルマウントに架するかたちで搭載しており、UH-1NではA/A49E-3マウントが用いられた[8]。このマウントはドアガンとして用いられ、キャビンの貨物スペースは貨物輸送や負傷者後送などの本来任務のために空けておくことができた[8]。またM93サブシステムでは、ドアガンとして射手が舷側にむけて射撃するほか、銃を機外に押し出して前方に向けて固定した状態であれば、パイロットが射撃を行うこともできた[8]。これらのピントルマウントとの組み合わせは海軍・海兵隊にも導入されたほか、SH-3やHH-53、CH-53など他機種にも敷衍された[8]。
構造
送弾 - 砲弾が薬室後方に配置される。
装填 - 砲弾が薬室内に挿入される。
閉鎖 - 遊底が薬室を閉鎖し、撃発できる状態とする。
開放 - 撃発後、薬室を開放する。
抽筒 - 薬莢を薬室から引き出す。
蹴出 - 薬室から引き出された薬莢が排出される。
M134を搭載したハンヴィー
舟艇に搭載したMk 25 Mod 0で実弾演習を行うアメリカ海軍特殊部隊の兵士
銃本体の手前に空薬莢、向こう側に分離したリンクが排出されている。また射手が保持する操作ユニットには電源ケーブルが接続されている
連続発射で赤熱した銃身
実装
機上型
M21サブシステム。M134と7連装ロケット発射筒が組み合わされている。