ミツバウツギ
ミツバウツギ(2007年5月・山梨県甲州市)
分類
ミツバウツギ(三葉空木[4]・三つ葉空木[5]・省沽油[6]、学名: Staphylea bumalda)は、ミツバウツギ科ミツバウツギ属の落葉低木。山地の沢沿いなどに生える。若葉はゆでて山菜として食用にされる。 和名「ミツバウツギ」の由来は、小葉が3枚ある複葉で、ウツギに似た白い花をつけることから名付けられている[7]。別名で、コメゴメ[8]、コメウツギ[8]、コメノキ[8]、ハシウツギ[8]などがある。関東地方や東北地方の地方名で「ハシギ」「ハシノキ」ともよばれており、かつて箸に利用されたことによる[7]。中国植物名は「省沽油」[1]。 日本の北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布するほか[5]、朝鮮半島、中国の東アジア一帯に分布する[7]。平地から山地、特に低山帯に多く分布する[4]。原野、川の縁、やぶなどの山地寄り[8]、山麓の山林の樹木下でよく見られ[7]、雑木に混ざって生える[4]。適度に湿った土地では、日当たりのよい場所にも生える[4]。 同属は北半球の温帯に10種ほど分布する。 落葉広葉樹の低木で、高さ2 - 5メートル (m) になる[7]。樹皮は灰褐色で縦の筋が入る[5]。細くて長い灰褐色の枝がたくさん出て[8]、茎はウツギと同様に中空となる。枝の元には枯れた小枝が何本も残っている[8]。一年枝は褐色や紫褐色で、無毛で皮目がある[5]。葉は小葉が3枚ずつつく3出複葉で、枝の節ごとに長い葉柄を持って対生する[7][8]。小葉は先が尖った卵形から長卵状楕円形で、葉縁に細かな鋸歯がある[4][8]。 花期は初夏(5 - 6月ごろ)[7][4]。花は枝先に円錐花序をなして、筒型の白い花が穂状になって、垂れ下がるように咲させる[4][8]。花は水平に完全には開くことはなく半開きの状態であるが[8]、花弁・がく(各5枚)とも白く、よく目立つ。果実は偏平で先の尖った軍配のような形をした刮ハで[8]、シワがあり、二股の風船のような形に例えられる[5]。秋に熟して、先端は2 - 3裂する[7]。冬でも果実が枯れ姿で枝に残っていることもある[5]。
名称
分布・生育地
形態・生態