ミセス・ダウト
Mrs. Doubtfire
監督クリス・コロンバス
脚本ランディ・メイエム・シンガー
『ミセス・ダウト』(原題: Mrs. Doubtfire)は、1993年のアメリカのコメディ映画。クリス・コロンバスが監督、ランディ・メイエム・シンガーとレスリー・ディクソンが脚本、ロビン・ウィリアムズが主演を務めた。1987年にイギリスの作家アン・ファインが発表した小説『Madame Doubtfire』(または『Alias Madame Doubtfire』、邦題『ミセス・ダウト』)が原作。
ロビン・ウィリアムズが60歳近くの女性に扮し、特殊メイク担当のグレッグ・キャノンがアカデミーメイクアップ賞を受賞した。2014年には続編の製作も発表されたが、主演のウィリアムズの死去に伴い実現へと至らなかった[3]。 ダニエル・ヒラードはサンフランシスコ在住のフリーランスの声優である。彼は14歳のリディア、12歳のクリストファー (クリス)、5歳のナタリー (ナッティ) という3人の子供たちを育てる献身的な父親だが、仕事熱心なインテリアデザイナーである妻のミランダは、 彼は未熟で頼りにならないと考えている。ある日、倫理的に問題のある脚本を巡る意見の相違からダニエルは仕事を辞め、クリスの成績が悪かったことからミランダが反対しているにも拘わらず、クリスの誕生日パーティーを開き大騒ぎする。これにより2人の関係は、ミランダが離婚を申請するまでに悪化する。最初の親権審問で裁判所は、ダニエルが無職でホームレスとなることから、ミランダに子供の単独親権を認め、ダニエルには毎週土曜日の面会権だけが与えられると裁定する。共同親権は、ダニエルが3か月以内に安定した仕事と適切な住居を見つけるか否か次第とされる。 生活を立て直すため、ダニエルはアパートを見つけ、テレビ局の配送員としての新しい仕事に就く一方、ミランダが家政婦を探していることを知る。ダニエルはミランダが提出する募集広告申込書に書いた電話連絡先を勝手に変更して、応募者がミランダに連絡を取れないようにした上で、自分の声優のスキルを活かして、複数の如何にも適切ではない応募者を装ってミランダに電話をかける。そしてダニエルは最後に、立派な資格を持つ年配の英国人乳母である「ミセス・ユーフェジェニア・ダウトファイア」として電話をかける。ミランダは大変良い印象を受け、ミセス・ダウトファイアを面接に招く。ダニエルはメイクアップアーティストの弟フランクとフランクのパートナーであるジャックに、老婦人に見せるための人工マスクを含むミセス・ダウトファイアの衣装の作製を依頼する。 面接は上手くいき、ミランダはミセス・ダウトファイアを雇うことを決める。子供たちは最初は彼女の権威に戸惑ったが、すぐに慣れて、一方、ミランダはより寛大に子供たちに接するようになる。ダニエルはより責任感を持つようになり、役割の一環として家事スキルを学び、自分自身を更に向上させ、ミランダの尊敬を得ることとなる。しかし、ミランダはダニエルよりもダウトファイア夫人を信頼し、もう彼女無しにはやっていけないほどになってしまったことから、それがダニエルが子供たちに会うことの障害となってしまう。 ダニエルはまた、ミランダの新しいボーイフレンドであるスチュアート「スチュ」ダンマイヤーがミランダと子供たちと仲良くなっていくのを見て嫉妬する。ミセス・ダウトファイアはある晩、リディアの勉強を見ている最中にトイレに行く。クリスがトイレに入ろうとし、ミセス・ダウトファイアが立って小用をしているのを見て、リディアに警察に電話するよう必死になって頼む。パニックになったダニエルは、自分がミセス・ダウトファイアであることを明かし、リディアとクリスは少しためらいながらも、父親と過ごし続けるためにダニエルの秘密を守ることに同意する。 ある日、ダニエルの勤務先のテレビ局のCEOであるジョナサン・ランディは、最近打ち切りとなった子供向け番組のセットでダニエルが恐竜のおもちゃで遊んでいるのを見かける。彼の声優としての技量、ユーモア、想像力に感銘を受けたランディは、新しい番組の企画について話し合うためダニエルを夕食に誘う。しかしその夕食会は、ミセス・ダウトファイア夫人も招待されているミランダの誕生日の家族での会食の予定と同じ場所と時間であることが分かる。どちらの予定も変更出来ず、ダニエルはミセス・ダウトファイアの衣装を着たり脱いだりしながら両方の夕食会に出席する。酔っ払ってしまったダニエルは、うっかりミセス・ダウトファイアの衣装でランディのところに戻ってきてしまうが、すぐにこのミセス・ダウトファイアが新しい番組の司会者の案だと言う。スチュが唐辛子アレルギーであることを聞いたダニエルはキッチンに忍び込み、スチュの注文のジャンバラヤに粉末カイエンペッパーをかけまくる。それによりスチュは夕食中に窒息してしまい、ダニエルは罪悪感から、ミセス・ダウトファイアとしてスチュに上腹部圧迫法を施す。その最中に人工マスクが一部剥がれてしまい、その正体にミランダはショックを受け激怒し、彼女は子供たちと一緒にレストランを去る。 次回の親権公聴会で、ダニエルは裁判官の課した条件を予定より早く満たしたことを訴え、自分の行動について説明し、引き続き子供たちとの面会を許可してほしいと懇願する。ダニエルの演技力を知った裁判官は、この懇願もダニエルの演技に過ぎないとして却下し、ダウトファイア夫人としてのダニエルの役割も好ましくないと判断し、ミランダにのみ子供たちの保護権を与え、ダニエルが監視付きで土曜日に面会する権利を更に制限した。これはダニエルと子供たち、そしてダニエルに対する怒りと憎しみが家族の皆を傷つけてきたことに気づき始めたミランダさえも打ちのめしてしまう。ミセス・ダウトファイアが自分たちの生活をどれだけ良いものにしてくれたかを分かっているミランダと子供たちは、彼女がいなくなってしまうと自分たちが淋しい思いをしなくてはならないことが分かる。その後、ダニエルがミセス・ダウトファイアとして「ユーフェジェニアの家」という新しい番組の司会を務めていることを知り、ミランダと子供たちは驚く。この番組は全米で大ヒットする。 ミランダは収録後のダニエルを現場に訪ね、ダニエルが家族と一緒にいた時の方が良かったと認め、怒ったことを謝る。
ストーリー