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出典検索?: "ミスミソウ" 漫画
ミスミソウ
ジャンルサスペンス・ホラー漫画、猟奇作品
漫画
作者押切蓮介
出版社ぶんか社
掲載誌ホラーM
レーベルぶんか社コミックス
アクションコミックス(完全版)
発表期間2007年6月号 - 2009年6月号
巻数全3巻
全2巻(完全版)
話数全20話
テンプレート - ノート
『ミスミソウ』は、押切蓮介による日本の漫画作品。『ホラーM』(ぶんか社)にて2007年から2009年まで連載されていた。
ある過疎の進む地方の町を舞台に、同級生達から陰惨なイジメを受けたあげく家族を殺害された少女が復讐を行うサイコホラー。キャッチフレーズは「精神破壊(メンチサイド)ホラー」。押切蓮介の作品では定番となっている「お化け」や「妖怪」といった怪異が一切登場せず、自身初となる「普通の人間が創り出す恐怖」を描いている[注 1]。
2013年、加筆修正を施した完全版コミック『ミスミソウ 完全版』が全2巻(上下巻)で刊行された。
2018年、『ミスミソウ 完全版』を原作とした小説と実写映画が制作されている。実写映画製作記念として、『漫画アクション』(双葉社)に「描き下ろし前日譚」が掲載された。目次 半年前、父親の仕事の都合で東京の学校から大津馬村[注 2]の大津馬中学校に転校して来た野咲春花は、クラスメイトからの壮絶なイジメに遭っていた。春花は家族に心配を掛けまいとイジメに遭っていることを隠し、中学校卒業までの残り2カ月間を必死に耐えようとするが、春花へのイジメは悪化の一途を辿るばかり。遂にイジメを知った家族の勧めで春花が登校拒否を行ったある日、イジメっ子達が彼女の家に乗り込み両親と妹に危害を加え、家を放火するという事件が起こる。春花の妹・祥子は大火傷を負いながらも助かったが、両親は命を落としてしまった。やがて事件の真相が露見することを恐れたイジメっ子達は春花に自殺するよう強要。だが、それがきっかけとなって春花は事件の真相を知り、家族を奪ったイジメっ子達に己の命を賭けた凄惨な復讐を開始する。 両親の勧めで登校拒否を始めた春花が晄と外出して不在中、野咲家を襲撃し、放火を仕掛けて春花の両親を殺害、妹の祥子を意識不明の重体に追い込んだクラスメイト達。ほとんどのメンバーは妙子の取り巻きである。流美や吉絵といったほとんどの者達は特に罪悪感を見せず平然としていたが、理佐子とゆりは事件には一切関与していない妙子同様、当初は本気にしていなかった[注 10]ため、事態が急激に悪化したことから一転し、罪悪感に怯えるようになった。後に全員、自業自得の最期を遂げている。
1 あらすじ
2 登場人物
2.1 主人公
2.2 春花のクラスメイトおよび担任
2.2.1 野咲家放火殺人事件に関与したクラスメイト
2.3 春花の家族
2.4 クラスメイトの家族
2.5 その他の人物
3 書誌情報
3.1 単行本
3.2 完全版
4 小説
4.1 刊行情報
5 実写映画
5.1 キャッチコピー
5.2 スタッフ
6 脚注
6.1 注釈
6.2 出典
7 関連項目
8 外部リンク
あらすじ
登場人物
主人公
野咲 春花(のざき はるか)
演 - 山田杏奈[1]心優しい性格をした清楚な美少女。父親の仕事の都合で東京から大津馬村に引越し、大津馬中学校に転校するが、「よそ者」である理由からイジメの対象にされる。クラスメイト達から陰惨なイジメに遭うものの、優しい両親や最愛の妹、クラスの中で唯一味方をしてくれる晄の存在によってイジメに耐えることが出来ていた。しかし、イジメグループによって家族が焼き殺される。その証拠隠滅のために自殺を強要された際、主導した吉絵が口を滑らせたために全ての真相を知ったことで彼らへの復讐を誓い、関与した者達を次々と惨殺していった。終盤では、「全ての原因が自分にあった」と後悔に苛まれた妙子の心からの謝罪を受けて彼女と和解し、互いに前を向いて生きることを誓い、復讐にピリオドを打った。しかし、最終的に想いを寄せていた晄の本性を知り、そこに雪崩れ込んできた流美の襲撃によって致命傷を負わされた際、晄が後生大事に持っていた春花の家族の死体を収めた写真を見てしまったことから全てに絶望。最後の戦いを開始し、これを制した。作中に直接の描写はないが、復讐を完遂した直後に死亡している[注 3]。
春花のクラスメイトおよび担任
相場 晄(あいば みつる) / 村瀬 晄(むらせ みつる)〈離婚前の旧名〉
演 - 清水尋也[2]クラスの中で唯一春花の味方になっている少年。写真撮影が趣味。春花に好意を持っており、クラスメイト達にイジメられる春花を精神的に支えている。普段は温和で明朗だが、その裏には異常に偏執的で暴力的な本性を持つ。かつて母親にDVを振るう父親に傷害を負わせたため両親が離婚、父親は別の女性の元へ行き、それを嘆き罵った母親に父親同様の暴力を振るうようになった。これが原因で仙台の生家から追い出され、大津馬村に住む祖母と暮らしている。また前述の本性により、妙子からは蛇蝎のごとく嫌われていた[注 4]。終盤にて本性を露にし、春花との同居生活を反対した祖母や、春花の祖父に暴行を加えた。さらに、自身の本性を知った春花に対しても暴力を振るい、直後現れた流美と争いに発展。その際、火災事件時に春花の家族の死体を写真に収めていたことを春花に知られ、自身も復讐の対象となる。流美を盾にして反撃したが、倒れた春花を撮ろうとカメラを向けた直後にボウガン(春花が真宮を殺した後で、現場に放置されていたもの)でカメラごと目を貫かれ重傷を負う。作中に直接の描写こそないが、最終的に死亡している。実写映画版では、自身が抱える心の闇が強調されており、春花に致命傷を負わせた流美に怒り狂い、流美を惨殺している。
小黒 妙子(おぐろ たえこ)
演 - 大谷凜香[3]クラスにおけるイジメグループのリーダー格の少女。大人びた雰囲気の美少女で、髪を染めている。クラスの女王的存在だが、本人は流美をはじめ自分に付き従ってくるクラスメイト達を非常に疎ましく思っている。周囲を扇動して春花に陰惨なイジメを行う。一方、流美を忌み嫌っているため、春花が転校してくる前後から流美をイジメの標的にしていた。実家は裕福で、美容師を志すため東京の理容師専門学校に進学を希望したが、高圧的な父親に一蹴されて以来、言い出せずにいる。本来は他者に気遣う面倒見のよい性格で、常識的な感性も持ち合わせていた。昔は現在のように陰険な面は見せておらず[注 5]、当初は春花との仲は良好だったが、あるきっかけで彼女を目の敵にするようになり、現在の険悪な関係に至った。流美が首謀した春花の両親殺害については一切関与していなかったが、流美達を特に止めようともせず、皮肉を込めて「頑張って」「期待してるから」と言い放った。実は晄の本性を知っており、彼を蛇蝎のごとく嫌っていた[注 4]。終盤では、春花の両親殺害は自身のイジメが招いたものと強い後悔に苛まれるようになり、その首謀者となった流美を切り捨てた後、不器用ながらも春花に謝罪して和解を果たした。このため春花の復讐を受けなかったものの、和解直後の帰宅途中で待ち伏せしていた流美に襲われ、流美との死闘の末に致命傷を受け死亡する。死後、遺体は通行人によって発見された。実写映画版では、流美との死闘に敗れる展開は原作と同じだが、後遺症を負いながらも奇跡的に生存し、卒業式に出席している。卒業式が終わった後、一人足を運んだ無人の教室で春花と幸せな時を過ごしていた頃の幻を目にした。
南 京子(みなみ きょうこ)
演 - 森田亜紀[4]春花達のクラスの担任教師。明るい髪色をした妙齢の女性。いわゆる友達先生であり、生徒達(特に妙子)の言いなり状態となっている。事なかれ主義
小倉 修一(こくら しゅういち)、佐野(さの)、上薗(かみぞの)[注 7]
イジメグループのメンバーで久賀の友人達。長身でそばかすが特徴の男子が小倉、温和な風貌の男子が佐野、地味な印象の男子が上薗。久賀とともにイジメに加担していた[注 8]が、久賀とは違い常識的な感性を保っており、妙子と同じく流美が首謀した春花の両親殺害についても一切関与していない。クラスの異変には傍観する立場を取っていたため、久賀の異変にも気付かなかった。小説版では、一連の事件の真相に気付かないまま、学年集会で集合した体育館を流美に放火され、他の生徒や教師ともども焼死している[注 9]。実写映画版では割愛もあり登場しない。
野咲家放火殺人事件に関与したクラスメイト
佐山 流美(さやま るみ)
演 - 大塚れな
橘 吉絵(たちばな よしえ)
演 - 中田青渚[4]イジメグループの1人。妙子の手下。端正な顔立ちをした少女だが、陰険な雰囲気を漂わす攻撃的な性格の持ち主。春花に対して画鋲を突き刺すなどの暴力を受けさせた。父親はチンピラ、母親はアル中(アルコール依存症)という劣悪な家庭環境に生まれ育ち、両親から虐待を受けながら暮らしていた。春花イジメに最も積極的に参加し、彼女の両親殺害も率先して関与。自身は殺人を犯したことについて一切の罪悪感を持っておらず、事件の証拠隠滅のために春花を自殺に見せかけ殺害しようとするが、その際に慢心から口を滑らせたことがきっかけで真相を悟られてしまい、逆上した春花によって左眼に釘を突き刺された上、鉄パイプで滅多打ちにされ死亡する。死の間際、巻き添えとなった理佐子の悲痛の叫びを耳にしながら、本心では両親に愛されたかったことに気付き嘆いていた。実写映画版では、父子家庭(一人親家庭)で暮らしていたことになっており、暴力的な面が強調されている一方、精神面では未熟な一面も見せている。
加藤 理佐子(かとう りさこ)、三島 ゆり(みしま ゆり)
演 - 紺野彩夏、櫻愛里紗[4]イジメグループのメンバーで妙子の手下だが、実際は両名とも吉絵の腰巾着も同然の存在で、常に吉絵と行動している。理佐子はおっとりした雰囲気のたれ目の少女。ゆりは冷静な性格をしたごく平凡な娘。両名とも暇潰し感覚でイジメに加担しているが、他のメンバーとは異なり、グループの中では(妙子同様に)まだ常識性を持ち合わせている。両者とも春花の両親殺害に関与している[注 10]が、妙子同様当初は本気にしておらず、事態がここまでの惨事になってしまったことで一転して怯えるようになると同時に、微塵の罪悪感も抱こうとしない流美や吉絵たちに引くようにもなり、家族をはじめとする周囲の者達に殺人の嫌疑が知られることをひどく恐れていた。しかし、吉絵と同行していたことが命取りとなり、真相を知って逆上した春花の手で理佐子は左手の指を斬られ倒れたところを鉄パイプで何度も殴られ死亡、ゆりは穴から逃げようとするが脛を骨ごとナイフで斬られバランスを崩して転落し廃家電に頭部をぶつけて死亡した。小説版では、理佐子が裕福な家庭で優しい両親に甘やかされている描写が挿入されている。
久賀 秀利(くが ひでとし)
演 - 遠藤健慎[4]イジメグループの1人。ブリーチ[注 11]にピアスをしたチャラ男風の少年。普段は温和で笑顔が絶えないが、閉鎖的かつ排他的な性格の持ち主。妙子に好意を持っており、本来優しかった妙子の人格の変化を春花に責任転嫁し、春花を憎んでいる。和生が娘のイジメについて学校に相談に来た際には、上履きの裏側にスパイクのように画鋲をつけた足で、和生の背中に跳び蹴りを食らわせ、刺し傷を負わせた。春花の両親殺害に関与しており、春花の母親に火をつけ殺害した張本人。単独での下校途中で春花の襲撃に遭い、包丁で斬りつけられ重傷を負った上、逃げた弾みで古井戸に落ちて出られなくなる。口も切り裂かれていたために助けを呼ぶことも叶わず、かつての平穏な日常を思い出し泣きながら失血死した。実写映画版では、原作同様に春花の襲撃で重傷を負い逃走した直後、崖に転落して足を骨折し身動きが取れなくなり、痛みに悶えながら死亡した。
真宮 裕明(まみや ひろあき)
演 - 大友一生[4]イジメグループの1人。