この項目では、小説のジャンルの一つについて説明しています。秦建日子が2004年に発表した小説で2006年に放送されたドラマ「アンフェア」の原作については「推理小説 (小説)」をご覧ください。
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推理小説(すいりしょうせつ)は、小説のジャンルのひとつ。主として殺人・盗難・誘拐・詐欺等なんらかの事件・犯罪の発生と、その合理的な解決へ向けての経過を描くもの[1]。小説以外にも漫画やアニメ、映画やドラマ、ゲームなどさまざまなメディアに展開されるミステリーというジャンルの元になった。 「推理小説」という名称は木々高太郎が雄鶏社にて科学小説を含む広義のミステリ叢書を監修した際、江戸川乱歩や水谷準に提案されて命名したものと伝えられる[2]。このほか探偵小説(たんていしょうせつ)、ミステリー小説(ミステリーしょうせつ)、サスペンス小説(サスペンスしょうせつ)という呼び名もあるが、前者の名称は「偵」の字が当用漢字制限を受けたためにあまり用いられなくなった[2]。犯罪小説と重なる部分もあるが、完全に同義という訳ではない。 世界初の推理小説は、一般的にはエドガー・アラン・ポーの短編小説『モルグ街の殺人』(1841年[3])であるといわれる[4][5][6]。しかしチャールズ・ディケンズもポーに先立ち、同年1月から連載を開始した半推理・半犯罪小説の『バーナビー・ラッジ』(1841年)を書いている他、100年ほど前に書かれたヴォルテールの『ザディグ』(1747年)の一編「王妃の犬と国王の馬」も推理に重きが置かれている。さらには『カンタベリー物語』、『デカメロン』、聖書外典『ダニエル書補遺』の「ベルと竜」などにも推理小説のような話が収録されており、どこに端を発するかという議論は尽きない。 ただ、確実に言えるのは、1830年代のイギリスに警察制度が整い、犯罪に対する新しい感覚が生まれたということである。この頃一世を風靡した『ニューゲイト小説』(英語版) 権利と義務の体系が整い、司法制度や基本的人権がある程度確立した社会であることも、推理小説に欠かせない要素であろう。 推理小説というジャンルにとって警察組織の存在は大きい。法を手に犯罪者を捕らえる新しい形のヒーローが誕生したからである。その裏側には、急速に都市化が進むイギリスで、一般市民が都市の暗黒部に対し抱く不安が高まっていた、という歴史的事実がある。そして都市化に伴うストレスのはけ口として、「殺人事件」という素材の非日常性が必要とされていたという見方もある。 推理小説が誕生した後、様々なアイデアが生み出されてきた。
概要
誕生と発展
推理小説誕生の前提となる社会状況
発展とメディアの越境