液果(えきか)とは、広義には、少なくとも果皮の一部が多肉質または多汁質になっている果実のことである。この広義の液果は、多肉果(たにくか)と同義である。広義の液果(多肉果)には、狭義の液果(漿果)とともに、ミカン状果、ウリ状果、ナシ状果、核果が含まれる。
一方、狭義の液果は内果皮・中果皮ともに多肉質または多汁質になっている果実のことであり、この狭義の液果は、漿果(しょうか)や真正液果(しんせいえきか)と同義である。人間が食用とする果実の中で、ブドウ、柿、キウイフルーツ、ナス、トマトなどは狭義の液果(漿果)とされる。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}1a. ナンテン(メギ科)の液果(単漿果)1b. キウイフルーツ(マタタビ科)の液果(複漿果)1c. ウリ科の液果(ウリ状果)
広義の液果は、ふつう多肉質・多汁質の部分が鳥や哺乳類の食料となって食べられ、種子が排出されることで種子散布される。 液果は、広義と狭義で範囲が異なる。広義の液果は、成熟した状態で少なくとも果皮の一部が多肉質または多汁質な果実のことである[1][2][3][4]。この意味での液果は、多肉果(英: sap fruit, succulent fruit, freshy fruit)と同義である[1]。基本的に液果(多肉果)は裂開しないが、アケビ(アケビ科)のように裂開するものもある[注 1]。 多肉果には、以下のように狭義の液果(漿果)、ミカン状果、ウリ状果、ナシ状果、核果が含まれる[2]。 狭義の液果は、外果皮以外の果皮(中果皮と内果皮)が多肉質・多汁質である果実のことである[5][4]。この意味での液果は、漿果や真正液果(英: berry, bacca[注 2])ともよばれる[1][3][7]。漿果のうち、1心皮からなるものは単漿果(simple berry)、複数の心皮からなるものは複漿果(compound berry)とよばれることがある[1]。子房上位のものも子房下位のものもあり、後者の場合は子房に由来する果皮は花托に由来する構造で包まれていることになるが、下記のウリ状果やナシ状果を除いて特に分けずに漿果としていることが多い(バナナ、スノキ属など)[1][8]。 植物学用語としての berry は漿果(狭義の液果)を意味するが、一般用語としての berry や日本語の「ベリー」は小型で多肉質の果実を意味し、イチゴ(ストロベリー)やキイチゴ(ラズベリー)、クワ(マルベリー)、スグリ(グーズベリー)、ブルーベリーなどが含まれる[9][10]。このうちスグリやブルーベリーは漿果であるが、イチゴはイチゴ状果、キイチゴは集合核果(キイチゴ状果)、クワはクワ状果である[1][9]。 身近な漿果の例はアボカド(クスノキ科)、バナナ(バショウ科)、ブドウ(ブドウ科)、ザクロ[注 3](ミソハギ科)、グアバ(フトモモ科)、キウイ(マタタビ科)、柿(カキノキ科)、ピーマン、ナス、トマト(ナス科)などに見られる[3][8]。
定義
漿果